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Fujitsu

Japan

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注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2000-3月号 (VOL.51, NO.2)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2000-3

特集: 「スマートソリューション」

スマートソリューション特集に寄せて(PDF)

特集: スマートソリューション 目次〕

特集

  • スマートカードソリューションの概要
  • スマートカードカンパニーシステム
  • アミューズメント施設におけるスマートカードの利用
  • マルチアプリケーションマネージメントシステム:MAM
  • 決済用LSIのEC関連機器への適用
  • FRAM搭載非接触スマートカード用LSI
  • スマートカードと発行サービス
  • スマートカードとセキュリティ

一般

  • アプリケーション開発における高生産性・高品質を実現するQuiQpro-VB

特集:スマートソリューション


特集

利用者へのサービス向上やセキュリティ向上などを実現する素材として,スマートカードが利用されている。スマートカードは現在普及している磁気カードなどと比較すると,セキュリティが高く,カード内に情報が多く保持できることに特長がある。日本においては,10年以上も前から金融,流通 ,自治体を中心に実験,実用化されてきているが,最近では,世界共通仕様のスマートカードの実験,企業内や交通機関などへの実用化が本格化するなど,様々な用途で利用されている。本稿では,スマートカードの概要と先進顧客での適用や富士通社内の実践をとおして得られたノウハウをもとに,スマートカードに関するハードウェア・業務システム・各種サービスから構成されるソリューション,スマートカードを導入するに当たっての考え方について述べる。

藤井 真一

スマートカードシステムは,電話カード利用としての通信分野,電子マネーの金融・流通分野,交通分野といった各業態で利用が広がっている。
本稿では,スマートカードシステムのなかで,とくに企業内での普及が期待されているスマートカードカンパニーシステムについて述べる。
従来のスマートカードカンパニーシステムは各サブシステム(入退出管理システム,出退勤管理システムなど)が独立したシステムとして存在し,相互を連携させるのが困難であった。富士通の提唱するスマートカードカンパニーシステムは,人事データベースからの情報を基本とし,従業員カードの発行システムから入退出管理システム,出退勤管理システム,キャッシュレスシステムまでのデータベースを連携し,規模と予算に応じて適宜アップグレードが可能な拡張性をもったシステムである。

松本 勉

近年,新規アミューズメント施設の建設計画や既存施設のリニューアル計画が多数発表されている。これらの計画の中でスマートカードを使った電子チケットや,新たなサービスの導入について検討が進められている。ネットワーク時代と言われる現在,様々な分野でのスマートカード導入が進んでいるが,スマートカードの高いセキュリティ性から利用が進む決済機能との連携も重要なサービスとして位置付けられる。
本稿ではこれらの検討内容や,すでにオープンした施設での導入内容を紹介するとともに,今後の展開方針について考察する。

阿部 信一、藤井 真一

スマートカードの新しい利用形態としてマルチアプリケーションがある。これは1枚のスマートカードに複数のアプリケーション,例えばクレジット,デビット,電子マネーなどの複数の業務サービスを入れることであり,そのようなスマートカードは,多機能スマートカードと呼ばれる。利用者にとっては1枚の多機能スマートカードにより,あたかも複数枚のカードを持っているように使えて利便性が高まる一方で,この利便性を提供するスマートカード発行者にはこれまでにない新しい管理システムが必要となる。これがマルチアプリケーションマネージメントシステム(MAM)である。本稿では,マルチアプリケーションについて説明するとともに,MAMが必要となる背景,MAMの意義および富士通 の取組みを紹介する。

兵藤 義以、山手 康正

クレジットなどの決済においては,顧客が磁気カードまたはスマートカードをEC関連機器で操作し,この内容が決済センターに通知され,処理される。
クレジット,デビット,電子マネーなどの複数の決済プロトコルに対応し,すべての機器に柔軟に適用できるワンチップLSI(IFD:Interface Device)を開発した。これをEC関連機器に適用し,現行決済端末の問題点の解消,現行システムへの導入の容易性,およびコンパクト化などを実現した。
本稿ではこれら決済プロトコル対応ワンチップLSIの技術とEC関連機器について説明する。

橋本 繁

スマートカードの通信インタフェースとしては,100 kbps以上のデータ転送速度を持ち,かつ,リーダ/ライタとの間に金属接点を持たないという特長を持つ非接触インタフェースが注目されている。この高速インタフェースを積極的に活用するには,スマートカード上にIDや個人情報などのユニークな情報を蓄積するための不揮発メモリとして,FRAM(Ferroelectric Random Access Memory)を採用することが望ましい。FRAMは,従来使用されてきたEEPROMよりも104倍の高速書き換えが実現できる。加えてFRAMを使用することにより,データの書き換え回数として1010回以上を保証でき,さらに,大容量化に対するボトルネックを解消できるため,将来的に高度なスマートカードシステムが実現できる。

桝井 昇一

スマートソリューション全体の中で,最下層のインフラストラクチャを受け持つのがスマートカードである。
スマートカードは,セキュリティの維持という点で最重要なキーデバイスである。そのため,スマートカード内に保存される個人情報を含む各種データを外部の脅威からハードウェア的にもシステム的にも厳重に守らなければならない。したがって,スマートカードはその開発・設計から製造そして発行サービス(活性化・個人情報書き込み)まで,一貫したセキュリティポリシーが貫かれている。
本稿では,スマートソリューション内でのスマートカードの役割や発行サービスにおけるセキュリティについて,その概要を説明する。

植竹 光夫、三柴 昭裕

スマートカードは,プラスチック製の磁気ストライプカードとは異なり,各種のプログラム(セキュリティ機能)とデータを記録する記憶域を内蔵するコンピュータである。
電子商取引などで利用されるスマートカードの主なセキュリティ機能には,スマートカード自体がその持ち主を判断する本人認証機能,端末からの依頼されたデータを暗号化/復号する機能,スマートカードと端末間でお互いの正当性を確認する相互認証機能,スマートカードを使った取引の正当性を保証するディジタル署名機能,スマートカード内に記録しているデータへのアクセス制御機能などがある。
本稿では,まずこれらの機能,そしてスマートカードの応用例,最後に標準化動向と富士通の取組みについて述べる。

田中 正憲

一般

現在,企業を取り巻く経営環境は規制緩和や国際化に代表されるように急激に変化しており,このような変化に柔軟に対応できるシステムが今まで以上に求められている。また,このような変化の時代の中でアプリケーション開発については「生産性,品質,拡張性,保守性」などの様々な要求を今まで以上に早期にかつ確実に満たすことが必要となっている。
本稿では,このような変化の時代に対応し,アプリケーション開発の高生産性・高品質・短期開発を実現するための,新開発プロセスモデルSunflowerを紹介するとともに,Sunflowerを強力に支援するCASEツールQuiQpro-VBを紹介する。QuiQpro-VBはV1.0を1996年7月に富士通社内を中心に出荷・販売後,1999年10月に全面リニューアルしたQuiQpro-VB V4.0を出荷・販売しており,80以上の適用プロジェクトを通 じて,製造工程における生産性として平均2倍以上,品質は2~14倍という実績を上げている。2000年3月には,さらに機能アップしたQuiQpro-VB V4.1を発売した。

阿久田 博美


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