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2014年度 私の視点

中国の改革元年に期待を寄せる

経済研究所
上級研究員 趙 瑋琳

2013年の中国経済の成長率は7.7%であり、2012年の7.8%に続き、2年連続で8%を割り込みました。2013年9月に中国大連で開かれた夏季ダボス会議において、李克強首相が「中国の経済成長は高速から中高速に変わった」との認識を示し、高度成長の時代が終わったと表明しました。実は、中国政府は経済成長率を7%台に保ちながら、多方面で改革を推し進めようとしており、2014年は中国の改革元年と言われています。

去る2013年11月に開かれた共産党第18期中央委員会第三回全体会議(三中全会)が「改革の全面的深化における若干の重大な問題に関する中共中央の決定」(「決定」)を採択しました。「決定」の全文は十六の章と60項目から構成され、その内容は市場の決定的役割の発揮や行政の簡素化をはじめ、経済、政治、文化、民生、環境、国防・軍隊の6分野に及びます。改革の具体的なスケジュールは示されていませんが、2014年はスタート年として、中国政府が経済発展の構造転換、金融システムの改革、環境汚染の改善及び都市化の推進などに力を入れて、改革を遂行していくと思われています。

2014年には、中国の経済情勢と改革の進行に注目しながら、とりわけ都市化の推進に関する改革の動向とそのインパクトを研究したいと考えています。