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2014年度 私の視点

越境リーダーシップ

経済研究所
上級研究員 大屋 智浩

~企業などの大組織において外部との接点/ゲートウェイとなり、組織と外部の関係/文脈を再構築し、そこから新たな価値を創造する「越境リーダー」に注目~

越境リーダーとは、一つの領域(所属組織、専門性や職域、業界)にとどまらず、異なる分野の相手と共創関係を構築し、自分の領域にある資源をテコに大きな変化を起こす事の出来る人材を指します。

大企業からイノベーションが起きないという議論や、イノベーションを起こすための制度・環境整備が議論されて久しいです。上手くいった結果を分析して新たな提言や施策が展開されて「成功しました。」というのをみなさんは目にしたことがあるでしょうか?そのような二番煎じ戦法が上手くいった試しがないのが実際のところではないでしょうか。

そもそもイノベーションとは、今までにないコトに挑戦した結果、それが上手くいくと後になってからイノベーションを起こしたと名がつく事があっても、最初にあった動機は「イノベーションを起こそう。」というものではなくて「何か/誰かのために、こうしたい。」という具体的な対象が存在するのが本質ではないでしょうか。

大企業や官僚組織は既定のミッションを効率的に遂行することに長けたシステムになっていますが、変化に対する柔軟性では劣ります。変化の激しい状況において、組織が変化に即応していくには外部に組織を開き、変化を取り込んで行く必要があります。これを先頭になって担う越境リーダーの活躍が、企業組織を再活性化し、新たな価値創造が行えるようになると考えています。成長戦略が議論される今、越境リーダー達に注目しています。