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Japan

2014年度 私の視点

シニアの社会参画で超高齢社会を持続可能なものに

経済研究所
主任研究員 倉重 佳代子

世の中に「シニア××」という言葉があふれています。2013年、日本の高齢化率は25%を超えました。元々ライフスタイルや消費にこだわりのある団塊の世代がシニアの仲間入りをし始めたことで、シニア層へのアプローチが本格化していると言えるでしょう。加齢や家族・生活環境の変化、嗜好の変化等により生まれる新しいニーズに期待が集まっています。

こうした中で、シニアの社会参画は重要なキーワードです。4人に1人が高齢者という社会を持続可能なものにするには、アクティブシニアと呼ばれる元気なシニア層の意欲を社会のニーズと結びつけ、彼らの経験と知恵を社会の宝物として生かす工夫としくみが求められます。またシニア自身にとっても健康であれば人生90年という時代、「人生二毛作」とも言われるように定年後の人生はもはや余生ではありません。心身ともに健康で充実したシニアライフを送ることは健康寿命を長く保つためにも重要なことです。さらに収入を得ることは消費意欲にもつながり、経済の好循環も期待できるでしょう。

しかし、シニアビジネスも、シニアの社会参画を促すしくみも、企業にとっては収益モデルが描きにくい場合が少なくありません。シニアのニーズは多様で市場は細分化されがちですし、シニアの懐具合はフローで見ると必ずしも豊かとは言えないからです。そこで重要になるのが企業間、または自治体やNPOも含めたネットワークやコラボレーションであり、プラットフォーム的なビジネスモデルはその一つの方策ではないでしょうか。シニア層も巻き込み、より持続可能な社会を作っていくためのイノベーションが期待されます。私達は昨年12月に、早稲田大学ビジネススクール根来研究室と共に『プラットフォームビジネス最前線』(翔泳社)を出版しましたが、多様化するこれからの社会において、プラットフォームビジネスは重要なビジネスモデルであると考えています。

ご参考

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出典:「平成25年版高齢社会白書」