Skip to main content

Fujitsu

Japan

アーカイブ コンテンツ

注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

2001-1月号 (VOL.52, NO.1)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 2001-01

年頭ご挨拶

特集: 「インターネットビジネス」

特集: インターネットビジネス 目次〕

  • Webインテグレーションサービス
  • インターネットビジネスの事業化支援:ビジネスプロデュース
  • ビジネスモデル特許
  • マーケットプレイスサービス
  • インターネットバンキング
  • ワントゥワンマーケティング
  • ブランドサービス
  • 地域ポータルサービス:Town@nifty
  • 電子決済サービス:ezp@y
  • SupportDeskサービス
  • IDC(インターネットデータセンタ)サービス
  • インターネットを利用したパッケージビジネス
  • エージェント技術
  • ソフトウェアプラットフォーム

トピックス

  • netCommunity

一 般

  • 新しいコミュニケーションシステム:Chocoa Communicator
  • Meridioによるシステム構築事例
  • COBOLにJavaを加えたe-ビジネスシステムの構築
  • PRIMEPOWER向け並列プログラム開発・運用環境:Parallelnavi
  • FRXシリーズSDH無線装置
  • ロスレス圧縮アーカイバソフト:SLCA

特集:インターネットビジネス


インターネットは,より高度な産業社会を形成させていくため,重要なインフラとして期待されている。企業においては,経営戦略を実現させるツールやインフラとして注目され,経営戦略にマッチしたビジネスモデルの策定やビジネススピードに合わせた短期間での構築,365日,24時間運用の高信頼性が要求される。米国では,これらのニーズに対応するSIPSのサービスが出現している。富士通ではこのSIPSにプロジェクト管理機能を強化し,Webインテグレーションサービスを商品化した。
このサービス体系は,Webストラテジ,Webデザイン,Webインプリメンテーション,Web運用,Web運営の工程と全体を管理するWebプロジェクトマネジメントから構成される。
このサービス適用により,経営戦略に合致したビジネスモデルの策定,ビジネスモデル実現のための短期間でのWebシステムの導入,ビジネス立上げ後の安心なサポート,定期的なマーケティング分析に基づく経営へのフィードバックなどが一貫して可能になる。
本稿では,Webインテグレーションサービスの概要について紹介する。

伊藤 大挙、藤井 則夫、舛巴 智、久木 博詔

ビジネスプロデュースとは,インターネットを活用したビジネスの創出を支援するコンサルティングサービスである。ビジネスプロデュースでは,価値を創造する仕組みであるビジネスモデルを戦略・ソリューション・収益の三つのモデルで表現している。この三つを動的に検討していくことで,戦略とソリューションを融合した効果的なビジネスモデルの構築を実現する。また,ビジネスモデル全体や個々の施策,ソリューションが経営にもたらす影響を明確にし,事業化に対する経営者の意思決定を支援する特徴を持つ。
本稿では,ビジネスプロデュースを開発するに至った背景とその特長を述べた上で,ビジネスプロデュースの進め方を述べる。また,このビジネスプロデュースを効率的に実施するために活用しているツールを簡単に紹介する。

川喜田 博幸、平 春雄、亀岡 朋徳

1990年,それまでは学術分野での使用に限られていたインターネットがビジネスで使用され始めた。アメリカでは,インターネットを利用した様々な新ビジネスが提唱され,実施されてきた。同時に,インターネットを活用したビジネスのアイデアの特許出願も盛んになり,特許として多数成立している。
アメリカのビジネス分野での特許出願の動向がマスコミにより,1999年秋に,「ビジネスモデル特許」として日本に紹介された。その直後,アマゾン・ドット・コムが特許侵害でライバル企業のバーンズ・ノーブルを訴えるという衝撃的なニュースが報道された。それを切っ掛けに,日本では,「ビジネスモデル特許」という言葉が流行した。本稿では,アメリカと日本のビジネスモデル特許の動向について述べる。

三品 利郎

急速な情報技術の発展に伴い,企業間取引も大きく変革している。人手を介した紙中心から電子化が進展し,取引の対象が1企業対 n 企業から,業界,さらには業際の nn の取引へと拡大している。また,取引の対象業務も部品や商品から,MROと呼ばれる事務用品,設備など,多様化している。このようなニーズに対応するための自社でのシステム構築は,コストと導入に時間がかかる。この課題のソリューションとして富士通では,マーケットプレイスのサービスに取り組んでいる。具体的には,資材とMROについて単なるシステムソリューションの提供だけでなく,実運用での実践経験に基づいたマーケットプレイスの仕組みを 「ProcureMART」 「SupplyMART」 として提供している。さらに,富士通だけでなく,多くの企業・官庁間での貿易実務オペレーションを円滑に実現する貿易金融EDIシステム 「TEDI」 を約30社の協力のもとに開発した。
本稿では,「TEDIシステム」 「SupplyMART」 「ProcureMART」 についてそのマーケットプレイスとしてのサービス内容および今後の方向性について紹介する。

村形 武志、石見 宗彦、篠原 彰考、近藤 毅

銀行業界におけるインターネットバンキングの取り組みは,インターネット上で安全に取引するためのセキュリティ技術SECE(Secure Electronic Commerce Environment)が1997年に開発されたのを契機に導入が検討され,現在では多くの銀行が本稼働させている。さらに先進銀行では,仮想店舗との連携を通じマーケティングを駆使して利用者ニーズにマッチした取り組みを積極的に実施している。また,従来の銀行サービスの枠を超えて,インターネットショッピングの決済や,個人資産の運用コンサルティングなど,新しいサービスに取り組み始めている。
本稿では,銀行取引をインターネットで行うインターネットバンキングと,携帯電話で行うモバイルバンキング(以下,双方を総称してインターネットバンキング)の動向について述べる。

吉田 篤司、福田 義之、小島 基、石田 進

本稿では,消費低迷,少子化,サービスコスト増大という経済,社会環境の中にあって,新たなマーケティング戦略の確立が求められていることについて述べ,その観点が,消費者一人一人を意識した対応の実践にあることを,取り組み事例をもとに示す。また,富士通の新たなマーケティング戦略のソリューションであるFSPコンサルティングソリューション“FORCE”,FSPパッケージソリューション“COREMA-express”,“SORAN”,FSP-ASPサービス“i-Retail/ASP(I-FSP Analysis,i-FSP Operation)”について紹介する。

大根田 秀雄、滝口 勉、賀集 ゆり子

インターネットの拡大に伴い,企業のインターネットビジネス参入のニーズは急速に高まってきている。最近では,企業名あるいはアーティスト名といったブランド名をインターネットユーザにアピールして顧客を会員化する企業が増加している。企業は会員に対して「会員特別サービス」をインターネットで提供するのであるが,今日こうした新しいビジネスモデルが広がりつつある。しかし,このビジネスモデルは新しいテクノロジと運営ノウハウを必要とするため,一企業が単独でこうしたマーケティング手法を採り入れてインターネットビジネスを運営するのは非常に厳しい状況である。富士通は,このようなニーズに応え,会員制インターネットビジネス環境を短期間で構築し,サーバの運用を代行する「ブランドサービス」の提供を開始した。

小野松 光代、太田 竜男、実宝 康人

@niftyでは,会員以外でも利用できる10種類以上のポータルサイトをチャネルサービスとして展開している。
本稿ではチャネルサービスのうち,特長のあるものとして2000年11月から全国を対象にサービスを開始した地域密着情報ポータルである,「Town@nifty」(http://town.nifty.com/)についてサービス内容,およびサービス実現方法を重点に紹介する。

川田 祐司

富士通は,2000年10月に開業したジャパンネット銀行と共同で日本で最初のEBPP(Electronic Bill Presentment and Payment)サービスであるezp@yの提供を開始した。本サービスを利用することにより,消費者は,インターネットショッピングの決済を簡単に行うことができる。また,過去に支払いを終えた明細も自由に参照できるなどの付加機能を用意している。
店舗にとってもezp@yはジャパンネット銀行の振込機能を基本にした決済サービスであるため,従来の決済サービスにはなかった真の即時決済というメリットを享受することができる。
本稿ではezp@yのコンセプト,主な機能,サービスについて解説する。

久保 政則

情報システムの安定稼働は,すべてのお客様に共通の見逃せない課題となっている。
このような課題の解決をお手伝いするために,富士通ではインターネット技術を活用したサービス“SupportDesk”を提供している。本サービスは,お客様システムの安定稼働を支援するサービスであり,お客様の運用形態や要望に応じ,二つのサービスを提供している。
“SupportDesk Product”は,製品サポート中心のサービスであり,ハードウェアの異常をリモートで検知し,迅速な対応を行う。
“SupportDesk Management”は,お客様先に「システム監視サーバ」を設置し,システムの異常をリモートで検知し,お客様システムの運用を支援するサービスである。
本稿では,そのサービス内容と仕組みについて紹介する。

屶網 聡子、長野 周司

インターネットビジネスの隆盛やインターネットを活用した業務変革に伴い,ネットワーク,センタサーバなどITインフラの準備,維持と運用管理業務などが以前にも増して重要な位置を占めるとともに,複雑かつ困難になってきている。
富士通では15年前よりネットワークインフラサービスをベースにした各種商用運用サービスを提供してきており,とくにこの10年間では館林と明石にメインセンタを設置し,データセンタ型のアウトソーシングサービスを展開している。さらに,今回この両センタを核としたインターネット型運用サービスへのベストソリューションを提供すべく,富士通インターネットデータセンタ(富士通IDC)としてリニューアルし,2000年4月に提供を開始した。
本稿では,長期にわたる運用サービスの提供実績に裏付けされた,国内第一級の信頼性を誇る富士通IDCの仕様および特長と,これをベースにした各種IDCサービスの概要について紹介する。

佐竹 功二、北中 猛詞

インターネットの普及はパッケージソフトウェアの製品化に必要な技術,ビジネス形態に大きな影響を及ぼしている。
製品開発においては,インターネットを前提としたより高度なセキュリティ技術やブラウザをベースとしたインタフェースなど,より安全で使いやすい製品が求められている。さらに,従来と大きく異なるのはインターネットの利用により企業の垣根を越えたビジネスが展開できることにある。インターネットを利用したASP(Application Service Provider)事業や,様々な情報を交換する 「場」 のビジネスが可能となり,パッケージソフトウェアのビジネス構造が変化してきている。
本稿では,インターネット時代のパッケージビジネスの取り組み事例を紹介する。

西山 幸良、加地 幹生、青木 鉄男、高橋 進

インターネット上でユーザとサービス提供者を相互につなぐ仕組みが今後ますます重要になってきており,ISP(Internet Service Provider)にとって大きなビジネスチャンスが到来している。このような次世代インターネットのコア技術としてユーザとサービス提供者が双方向に情報を提供し合い,ネットワーク上で両者の希望をマッチさせて双方が満足できるソリューションを提供する仕組みが期待されている。
本稿では,エージェント技術によりこれらの仕組みがいかに実現されるかを実例をもとに説明し,そのための要素技術を紹介するとともに,今後の方向性を展望する。

飯田 一朗

インターネットは,新たな社会基盤となっており,インターネット上でどうビジネスを行うかが,企業競争を勝ち抜く上で重要なポイントとなっている。インターネットビジネスを実現するシステムでは,セキュアで高信頼,スケーラブルなシステムの短期間での構築が要件であり,それを実現するソフトウェアプラットフォームが必要となる。
本稿では,インターネットビジネスを支えるソフトウェアプラットフォームの概要について説明し,富士通の取り組みについて紹介する。

福田 昭一

トピックス

一 般

本稿では,アウェアネスとテキスト通信をベースにした新しいコミュニケーションシステム“Chocoa Communicator”を紹介する。アウェアネスとは,ネットワークに繋がれている他者の存在や行動に「気づく」ことである。アウェアネスを活用すれば,「席にいます(on-line),席を外しています(off-line),声をかけないで(don't disturb)」といった相手の状態が一目で確認できるため,ユーザはより適切なコミュニケーション手段を選択することができる。またテキストは機械可読性を持つため,検索や構文解析といった既存の情報処理技術と連携して容易にコミュニケーションの付加価値を高めることができる。

巻田 寿治

文書業務システム構築のための基盤ソフトウェアとしてMeridioを開発し,1999年7月に初版を出荷,その後もWebサポートやイメージ処理・ワークフローとの統合を図るオプション製品の出荷など,継続的に機能強化を行っている。初版出荷以来,Meridioのサーバと開発キットを利用して様々な文書業務処理システムが構築されてきた。大量帳票の格納エンジンからナレッジマネジメント的なシステムまで,適用業務は多岐にわたっている。
本稿では,Meridioによるシステム構築事例を対象文書の性質(帳票文書型,規約・記録型,ノウハウ文書型)とアプリケーションで実現する機能レベルという二つの軸に沿って分類し,その分類の特徴をまとめた。また,三つの具体的な事例を挙げ,その適用業務と目的,システム構成,および,機能と特徴を報告する。最後に,これまでのシステム構築の経験から見たMeridioの評価と今後の課題を整理する。

長倉 浩士、滝内 政昭、古川 博之

企業の大競争時代を迎え,企業の業務形態の大きな変化に迅速に対応できる,e-ビジネスを可能にする業務システム構築が求められている。しかし,単独の開発言語によるシステム構築だけでは迅速な対応が難しいため,システム形態,既存のシステムや資産との関係を考慮し,Java/COBOLを適材適所で利用し,効率良く短期間で業務システムを構築することが望ましい。また,INTERSTAGEによるアプリケーションサーバの共通構築基盤を利用することで,プラットフォームにまたがった共通アプリケーションの開発が可能になる。そして,EAI(Enterprise Application Integration)の連携基盤を活用することにより,業務形態の変化に応じて,既存システムを迅速,かつ,柔軟に連携させることが可能になる。
本稿では,e-ビジネス時代の業務システムを,Java/COBOLの特長を生かして如何に効率的に構築するかについて,そしてCOBOLの今後の取り組みについて述べる。

山本 昭之、野場 和彦

富士通は,分散メモリ型並列ベクトル計算機「VPPシリーズ」において実現させたソフトウェア技術を応用発展させ,スカラ型大規模マルチプロセッサ計算サーバPRIMEPOWERをプラットフォームとする科学技術計算分野向けソリューション“Parallelnavi”を開発した。
本稿では,VPPシリーズで実績あるソフトウェア技術を新たなプラットフォーム向けに適用する考え方,および実現方法について,Parallelnaviの基本要素であるプログラム開発環境,ジョブ運用環境,アプリケーション高速実行環境に分けて紹介する。

田中 稔、薬袋 克仁、鈴木 清文

SDH無線装置について,富士通では既に幹線系通信網に適用される世界最小・最軽量無線装置のSDHマイクロ波無線システムの開発を完了した。本装置は,マイクロ波回路の小型化技術,大型LSI技術およびプリント板のトリプレート構造の採用により,無線機すべての機能を一体化することで従来の1/2の省フロアスペースとプラグイン構造を実現した。その省フロアスペースやプラグイン構造による操作性向上が顧客から評価されて,2年間で約5,000システムを受注,出荷した。本装置は,さらに,より可搬性,迅速性,拡張性を改善し,今後増大する移動系通信網への需要にも対応する。
本稿では,幹線系通信網および今後需要が拡大する移動系通信網へ適用する装置について,その概要と特徴を紹介する。

斎藤 忠信、鈴木 利昭、渡部 政幸

ファイルやプログラムなどのコンピュータデータを圧縮すると同時に複数のファイルを一つにまとめる圧縮アーカイバソフト:SLCA(Super Lossless Compression & Archiver)を開発した。この開発では,圧縮方式として,多数の特許が存在するLZ(Lempel-Ziv)方式を避け,新しいアルゴリズムを考案し,既存の圧縮ソフトと同等以上の圧縮性能を実現した。本圧縮アーカイバソフトは,企業ネットワークシステムなどビジネス用途への適用も考慮し,Windows 95/98/NT4.0/2000,およびSolaris2.6/7で稼働し,システム組込み用途から個人レベルの利用までの広い環境に対応できるようにした。また,Windows用ソフトのGUI(Graphical User Interface)は,使いやすさを考えて,Windowsエクスプローラライクなものを採用し,直観的に操作できるようにした。

佐藤 宣子、吉田 茂、瓜田 誠一


---> English (Abstracts of Papers)