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Fujitsu

Japan

アーカイブ コンテンツ

注:このページはアーカイブ化さたコンテンツです。各論文の記載内容は、掲載開始時の最新情報です。

雑誌FUJITSU

1999-1月号 (VOL.50, NO.1)

富士通の最新技術を隔月に紹介する情報誌です。 冊子体の販売はしておりませんのでご了承下さい。


雑誌FUJITSU 1999-01

ご挨拶

特集: 「ハードディスク」

特集: ハードディスク 目次〕

特別寄稿

  • ハードディスクドライブ事業に対する富士通の取組み

特集

  • ディスクアレイシステム
  • ハードディスクの新技術
  • サーバ用高性能ハードディスク
  • デスクトップPC用ハードディスク
  • モバイル用2.5インチハードディスク
  • ハードディスクのグローバル製造体制
  • ハードディスクの生産オペレーションを支える情報システム

一般

  • 新聞社向け校正支援システムにおける文書校正の新方式
  • 富士通のネットワークコンピューティング:SOLUTIONVISION

特集:ハードディスク


特別寄稿

特集

ネットワークコンピューティングの中でストレージシステムは,固定されたユーザから不特定多数へのサービスの提供や,これまでのテキスト・数値データに加えて映像・音声など,マルチメディアデータの取扱いが要求されている。このため,従来の予測を超えた記憶容量と性能向上のニーズが高まっている。富士通ではこれらネットワークコンピューティング時代のニーズに応えるため,高信頼・高性能ストレージサブシステムを提供してきた。この度,従来のグローバルサーバ向けF6495ディスクアレイに加えて,オープンシステムディスクアレイGR700 3モデル(最大記憶容量:1,440 Gバイト)とネットワークディスクアレイNR1000 3モデル(最大処理能力:SPECsfs97 7,500 ops/秒,最大記憶容量:464 Gバイト)を発売した。
本稿では,富士通におけるストレージシステムの開発方向を紹介し,ディスクアレイシステム製品GR700,NR1000,F6495の主要機能や特長,およびストレージシステムと連携して高度な管理・運用機能を提供するストレージ関連ソフトウェアを紹介する。

矢代 光彦、森田 悦男

富士通はサーバ用からモバイルパソコン向けまでの全機種にG-MR(ジャイアント-MR:巨大磁気抵抗効果)ヘッドを採用したハードディスクの出荷を開始した。ハードディスクの全シリーズにG-MRヘッドを採用したのは富士通が世界初である。ハイエンドの3.5インチ装置は最大で36 Gバイトの記録容量をもっている。この大容量は,G-MRヘッドだけでなく,新開発の低ノイズ記録媒体,記録密度向上に不可欠なヘッドディスクインタフェース技術,さらには,ヘッド位置決めサーボ系の改善,新方式信号処理回路など多くの要素技術により実現されている。本稿では,これらの技術と今後の高密度記録に向けた展望を述べる。

溝下 義文

富士通は,エンタープライズ型サーバ,ワークステーションの高性能,高信頼性に応える高性能ハードディスクとして,3.5インチAllegroシリーズを開発している。1994年に,世界に先がけてMR(磁気抵抗効果型)ヘッドを搭載したAL-1(Allegro-1)を出荷し,その後大容量化,高性能化を進めAL-2,AL-3,AL-4と開発し,今回AL-5シリーズを開発した。本稿で紹介するAL-5シリーズは,3.5インチのフォームファクタで41 mmの高さに3インチディスク媒体10枚を納め,10,000 rpmで36 Gバイトの大容量を達成したAL-5E,および25 mmの薄さで5枚のディスク媒体を使用し18 Gバイトを達成したAL-5LEである。これらの性能は,高性能なG-MR(Giant-MR)ヘッド,EPR4ML方式の高速リードチャネルなどの採用により実現した。インタフェースについては,ULTRA-2 SCSIによる80 Mバイト/秒の高速転送,ファイバチャネルによる100 Mバイト/秒の高速シリアル転送をサポートした。

関野 光久

富士通は,デスクトップパソコンの大容量,高性能の要求に応える高性能ハードディスク(HDD)として,PicoBirdシリーズを開発している。デスクトップPCはめざましい発展を遂げ,これに使用されるハードディスクも進展が著しい。今回このデスクトップパソコン用として,3.5インチ磁気ディスク媒体4枚を25.4 mmの高さに納め,17.3 Gバイトの大容量を達成したPicoBird(PB)-13,および容量18.2 Gバイトでディスク回転数7,200 rpmとして回転待ち時間の大幅短縮を図った高性能機のPicoBird(PB)-13H(Hは7,200 rpm機を示す)を紹介する。これらの性能は,G-MR(Giant-MR)ヘッド,EPR4ML方式の高速リードチャネルなどにより実現した。インタフェースについては,新しい転送方式であるUltra DMAによる66.7 Mバイト/秒の高速転送をサポートした。

八木 教雄

富士通はノートパソコンなどのモバイル機器からの小型化,大容量化の要求に応える2.5インチ高性能ハードディスク(HDD)として,世界最高レベルの面記録密度5.1 Gビット/平方インチを実現したHornet-11シリーズHN-11,HN-11Lを開発した。本稿で紹介するHN-11は2.5インチディスク媒体3枚を納めた12.5 mmハイト機で記憶容量10 Gバイト,HN-11Lはディスク媒体2枚を納めた9.5 mmハイト機で記憶容量6.4 Gバイトである。これらは高性能G-MR(Giant-MR)ヘッドを中心とした富士通の高密度記録技術により達成したものである。また,モバイル使用として必須の耐衝撃性では700 Gを実現した。

江森 照明

富士通は1990年代前半のハードディスク装置業界をめぐる諸環境の激変,および業界のし烈な価格競争などに直面し,1993年コモディティHDDビジネスへの参入を決断した。これに伴い,国内工場の再編と各工場の位置付けの明確化,およびHDDの海外工場における量産開始決定などを行った。1994年にタイのFTCにおいて量産を開始したコモディティHDDは,1998年度には1,000万台の生産を達成した。また,ハイエンド機Allegroの製造およびMRヘッドの加工を行うため,フィリピンにFCPPを設立した。さらに,1999年の操業開始を目指し磁気ディスク媒体製造ラインを新設中である。FTC,FCPPの整備・製造能力の拡大と並行して,1995年にはシンガポールの国際調達部門(FIPOS)内にテクニカルセンタを設立した。また,1996年にはベトナムにFCVを設立してHDDの重要部品の一つであるPCBAの量産を開始した。今後もタイ,フィリピンの両工場を核に,アジア諸国から部品を集約するグローバルな製造体制で更なる製造能力の拡大を押し進めている。

長倉 史明

富士通のハードディスク(HDD)ビジネスは月産200万台に達し,そのほとんどがタイ,フィリピンの海外製造拠点で製造され,完成した製品は,北米,欧州,日本を中心に全世界へと出荷されている。部品の調達先においても日本,韓国を含めたアジア地域を中心に広範囲にわたっている。このようなグローバルな所要管理,また大量生産,大量な部品調達を行っていくためのオペレーションは,ますます複雑になっており,かつスピードが要求される。
そこで,ハードディスクの生産計画,生産,部品調達,物流などのグローバルなオペレーションを迅速かつ効率的に行うために,サプライチェーン内の各関連部門(拠点)の情報システム整備,強化が急務であり各部門間の情報連携が不可欠となっている。
本稿では,このオペレーションを支えていく情報システムの導入状況,および今後の展開について概要を紹介する。

梅本 明嗣

一般

富士通では,株式会社富士通研究所と共同で,新聞社の記事制作業務を支援するシステムとして,新しい方式を採用した校正支援システムを開発した。
従来の校正支援システムでは,校正実例や経験的に誤りやすいとされる表記のデータベースを手作業で構築し,そのデータベースを参照することで誤りの検出を行っていた。この方法では,誤りやすいとされている表記が誤って出現した場合にしかある程度の効果を上げることができない。また,長い時間をかけて開発しても,一般的に出現する誤りを十分に検出できるだけの情報を蓄積することができない。
これらの問題を解決するために新しい校正手法を開発した。さらに近年利用しやすくなった大量の電子化されたテキストデータから校正処理に役立つ情報を抽出することで校正精度の向上を目指した。

足立 顕

ビッグバン対応,グローバルマーケティング対応,新ビジネス創造,顧客満足度向上,戦略的提携推進など企業を取り巻く環境は慌ただしく変化している。
このような,これまでだれも経験したことのない大きな変化のうねりの中,富士通は,ネットワークコンピューティング技術を活用した豊富なアプリケーション,グローバルなサービスとサポートなどあらゆるノウハウを結集したSolutionVisionを1997年11月に発表し,21世紀に向けたお客様に最適なソリューションを提供している。
本稿では,SolutionVisionの考え方と今後の取組み方針について解説する。

吉成 安宏


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