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Fujitsu

Japan

Web方式の強化と操作性の改善により積算データ入力・修正業務を大幅効率化

島根県様 SuperCALS ESTIMA V6

人口約70万、19市町村からなる島根県様は、2003年より各市町村とともに積算システムの共同利用の実現に取り組みました。約3年の準備期間を経て開発されたWeb型積算システム共同利用版は、県下全域の市町村、公共事業団体の積算業務を大幅に効率化。その後さらにシステムのレスポンスを改善し積算業務の利便性を向上させるため、同県はバージョンアップに踏み切り、効率化により得られた時間を、よりいっそうの工事の品質確保や事業の進捗管理等へ充てています。

[ 2014年3月28日掲載 ]

【導入事例概要】
業種 地方自治体
ソリューション 公共事業ソリューション
製品 設計積算システム SuperCALS ESTIMA V6

島根県様は2006年、Web型積算システム「ESTIMA Web」を導入。島根県および県下全市町村と公共事業団体における共同利用を実現した積算システムは、PCにソフトウェアをインストールしないサーブレット方式を採用。各事務所におけるサーバの設置が不要になるとともに、基準データの入力・修正の一括管理など、数々のメリットを手にしました。そして、さらなるレスポンスの向上、積算業務の効率化、管理者機能の充実を実現するため、県および全市町村などが足並みを揃え、「ESTIMA V6」へバージョンアップ。先進的な積算システムの共同利用事例として注目を集めています。

【課題と効果】
1 県および県下市町村における積算業務のトータルコストを削減したい

県および市町村がWeb型積算システムを導入。共同利用によりTCO削減に貢献
2 レスポンスなどの操作性をクライアントサーバ方式のシステムと同じ水準まで向上させる必要があった

データの一括入力画面を取り入れたことで、ネットワークの通信負荷を軽減し、パフォーマンス向上を実現

導入の背景

島根県様の積算システムの運用経緯についてお聞かせください

松江県土整備事務所 亀谷 卓司 氏の写真

松江県土整備事務所
亀谷 卓司 氏

島根県は1984年より積算業務をシステム化。1996年、処理件数増大に対応するため分散型積算システム「superESTIMA V3.1」を導入。その後の機器更新に伴い、2005年にWeb型積算システム「ESTIMA Web」に更改しました。

Web型積算システム導入の第一の狙いはトータルコストの削減です。従来、県をはじめ市町村、公共事業団体では個別にサーバや専用端末を用意し、それぞれ異なるシステムで運用していましたが、Web型積算システムを共同利用すれば、各市町村のトータルコストを削減できます。また、Webブラウザが搭載されているPCであれば、簡単な設定後すぐに使用が可能になりますし、メンテナンスも容易になります。

さらに基準データの入力作業についても、県が代表して入力することで市町村の負担が軽減され、業務効率が大幅に向上します。これらのメリットを理解していただき、県下の全市町村と公共事業系団体と共同でシステムの開発を進め、2006年から運用を始めたのです。

共同利用について

県、市町村、そして公共事業団体とのシステム共同利用は、先進的な取り組みとして注目を集めていますね。足並みを揃えるために、どのような点に配慮されましたか

雲南県土整備事務所 米原 久人 氏の写真

雲南県土整備事務所
米原 久人 氏

まず、運営協議会を立ち上げようと市町村などにお声かけをしました。Web型の導入を検討し始めた2003年、本稼働の3年前のことです。大きな市では、すでに独自のシステムを運用しているところもあり、短期間で再導入となればコスト負担も大変だったはずです。

しかし、長い目でみれば大きなコスト削減が実現することを地道に説明することで、次第に共同利用の機運が高まってきました。うまく足並みが揃った理由としては、県があらかじめお膳立てをするのではなく、全ての市町村が運営協議会という同じテーブルについて話し合いを始めたことではないでしょうか。その結果、意見を出しやすくなり、納得がいくまで議論を重ねることができたのです。後の、Web型積算システムの更新にあたっても、全ての市町村や公共事業団体の意見を丁寧に聞き、共有する形で話し合いを続けました。

共同利用における各市町村の負担費用は、どのように決まったのですか

出雲県土整備事務所 原 大輔 氏の写真

出雲県土整備事務所
原 大輔 氏

すんなりと、初めから最適の方法にたどり着いた、というわけではありません。Web型システムの導入時は、人口と事業予算額に比例させる形で、負担費用の割合を決めていました。

そして2012年、Web型積算システムの更新時に、事業費で算定するのは煩雑となるため、もっとシンプルで分かりやすい算定法はないだろうかとなり、再考。その結果、人口と設計書の本数を基に算定する方法に落ち着きました。

共同利用のメリットについて、お聞かせください

島根県 土木部 技術管理課 槇野 芳幸 氏の写真

島根県 土木部 技術管理課
槇野 芳幸 氏

最大のメリットはトータルコストの削減と、基準改定作業を県が担うことにより、作業効率が大幅に向上したことです。
もう一つのメリットは、災害発生時に応援要員が当該市町村に出向いた際、設計書の作成業務がきわめて円滑に進むようになったことです。

2013年7月および8月に島根県西部が豪雨災害に見舞われたときには、県や市町村などから被災地に応援要員が駆けつけ、査定設計書の作成や災害査定などの業務にあたりました。実際に、PCを用意しネットワークに接続してIDとパスワードを入力後、ただちに積算システムを利用することができたのです。

今回の災害では、システム利用分だけで約2千件の案件が発生しましたが、県下全市町村で同一システムを利用していたため、早期復旧に向け被災地域の担当者と応援要員が力を合わせることができました。仮に、各市町村で異なるシステムを利用していたなら、これほどスムーズに運ばなかったでしょう。

ESTIMA V6導入経緯と導入メリット

「ESTIMA V6」へ更新した理由をお聞かせください

「ESTIMA Web」の導入によりTCO削減という目標が達成され、システムが盛んに利用されるようになると、「さらに処理能力を上げ、積算業務の利便性も高められないか」との要望が出てきました。システムの利用が本格化し始めた2006年当時、インターネット回線の容量は今日ほどではありませんでしたので、システムの通信が集中した場合、レスポンスが低下するといった状況が発生しました。

また、設計書管理機能を強化することにより、積算業務の利便性を向上できないだろうかとの要望も寄せられるようになったのです。

島根県 土木部 技術管理課 村上 博昭 氏の写真

島根県 土木部 技術管理課
村上 博昭 氏

「ESTIMA V6」により、レスポンスは改善されましたか

画面などのユーザーインターフェースが改善され、使いやすくなりました。具体的には、入力作業の手間が大幅に減りました。画面を切り替えることなく施工単価を追加したり、数量を変更したりできるようになったうえに、工種配下の施工単価を一括入力できるようになったのです。

その結果、通信負荷が抑えられ、レスポンスが改善されたのです。その他、使用頻度の高い操作をボタンとして配置したり、工事内訳画面や項目入力画面に計算エラーの内容が表示されるようになりました。これらの機能により、ESTIMAを使い慣れた積算担当者だけでなく、初めて使う人にとっても使いやすいシステムになりました。

島根県 土木部 技術管理課 高橋 佳奈子 氏の写真

島根県 土木部 技術管理課
高橋 佳奈子 氏

積算業務の効率化など、導入効果についてお聞かせください

設計書管理機能が大きく改善されました。「ESTIMA V6」では、フォルダ管理機能が進化しPCと同様に、フォルダを任意に作成できるようになりました。
例えば、年度ごと、事業ごとのフォルダ作成なども容易です。もちろんフォルダ内の設計書ファイルを別フォルダへ移動させることも簡単にできます。その結果、設計書の管理が格段に分かりやすく、また楽になりました。以前は、設計書が100本あれば、既定の書庫に100本の設計書ファイルが一覧表示で保管されていましたから、目的のファイルを探し出すために手間がかかることがありました。

島根県 土木部 技術管理課 山﨑 新太郎 氏の写真

島根県 土木部 技術管理課
山﨑 新太郎 氏

設計書のフォルダ管理が容易になったことで、煩雑だった異動時の設計書データの引き継ぎ業務も簡単に、しかもスピーディーにできるようになりました。旧システムの場合、異動時の設計書データの移動は各団体のシステム管理者が行っていました。その際、異動する積算担当者の書庫から引き継ぐ設計書ファイルを一つずつ探し出し、引き継ぎ者の書庫に移動していましたから、人事異動が集中する年度末にはシステム管理者の業務負荷はかなり高まっていたのです。新システムでは、Windowsでフォルダからフォルダへファイルを移動する要領で、引き継ぎ設計書データを移動できるので楽になりました。

管理者機能については、いかがですか

設計書一覧画面や積算中の画面にメッセージを表示する、お知らせ機能が分かりやすくなりました。旧システムにも同様の機能はありましたが、新システムでは緊急のメッセージは初回ログイン時にポップアップ表示され、新着メッセージには「New」と表示されるようになったため見落としがなくなりました。

またPDFやExcelデータの添付、URLリンクの設定ができるなどの機能も引き続き利用できます。基準データが修正された場合など、すみやかに周知しないと誤算の原因となるので、お知らせ機能はフルに活用しています。

島根県 土木部 技術管理課 早志 忠晃 氏の写真

島根県 土木部 技術管理課
早志 忠晃 氏

今後の期待

「ESTIMA V6」の活用により、どのような展望が開けたでしょうか。また、富士通への期待についてもお聞かせください

システムによって積算業務が効率化されましたから、効率化により生まれた時間を現場での監督業務や進行管理に振り向け、技術力を最大限発揮し、より品質の高い工事を目指していこうと考えています。システムについていえば、「ESTIMA Web」から「ESTIMA V6」へバージョンアップする中で、確実に使いやすいシステムに成長したと思います。

富士通には、これまで同様、ユーザーの声に耳を傾けていただき、より使いやすいシステムづくりを目指していただきたいと思います。

後列左から 島根県 早志氏、亀谷氏、村上氏、高橋氏、前列左から 同 山﨑氏、米原氏、槇野氏、原氏の写真
後列左から 島根県 早志氏、亀谷氏、村上氏、高橋氏
前列左から 同 山﨑氏、米原氏、槇野氏、原氏

【島根県様 概要】
所在地 島根県松江市殿町1番地
代表者 島根県知事 溝口 善兵衛
人口 701,180人(2014年1月1日現在)
職員数 3,286名(一般行政部門 / 2013年4月1日現在)
ホームページ http://www.pref.shimane.lg.jp/
島根県のご紹介

雪の松江城島根県は中国地方の北部に位置し、東は鳥取県に、西は山口県に接し、北は日本海に面しています。出雲・石見・隠岐の3国から成り、歴史が古く豊かな神話・古代文化に彩られています。とりわけ出雲には多くの古社が残り、パワースポット・縁結びスポットとして人気を博しています。また、縁結びの神様として知られ、大国主大神をまつる出雲大社では「平成の大遷宮」が2008年の仮殿遷座祭に始まり、2013年には本殿遷座祭が行われ、現在も多くの観光客で賑わっています。

土木女子(ドボジョ)が活躍島根の味覚といえば、宍道湖のシジミ、浜田のどんちっち三魚(アジ、ノドグロ、カレイ)、そして出雲そばが代表格。人気観光スポットとしては、別名「千鳥城」と呼ばれる松江城、その周りを囲む堀川の遊覧、「夕日百選」に選ばれた宍道湖、世界遺産「石見銀山」、清流「高津川」、山陰の小京都と称される津和野、世界でも例がない自然が見られ世界ジオパークにも認定された隠岐、美人湯などが知られています。

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