大津市様
共通基盤ソリューション

レガシー化したメインフレームのオープン化を機に
共通基盤を導入
万全のサポート体制で移行時リスクを限りなくゼロに

大津市役所 庁舎外観

大津市様は、20年にわたり運用を続け、複雑化したレガシーシステムのオープン化に伴い、共通基盤導入に踏み切り、IC21共通基盤ソリューションを導入しました。共通基盤の導入によって得られるメリットは、シングルサインオン、帳票の作成・配信の一括管理などの業務効率化、統合的管理によるシステムの効率的運用など。導入過程では、インフラ部分、共通基盤とその運用部分、業務システムのインテグレーション力が高く評価されました。

課題
効果
課題レガシー化、ブラックボックス化していたシステムをオープン化し管理運用の効率化、業務効率の向上を実現したい
効果共通基盤導入により、マルチベンダーへの対応を強化し、柔軟な業務システムの調達環境を構築。業務ユニット間のデータ連携がスムーズ化し、業務効率の向上につながった
課題システム運用にかかるランニングコストを圧縮したい
効果販売終了後10年間の長期サポートによりリプレース費用を低減化
課題システムの操作性を損なわずにセキュリティインフラを強化したい
効果VLAN、VDI、生体認証の導入と、シングルサインオン機能により、操作性の向上とセキュリテレベルの向上を実現

共通基盤導入の経緯

2013年度から取り組んでいる情報システム最適化計画についてご説明ください

以前のメインフレームは、20年にわたり自庁で運用を続ける中で制度改正に伴う改修を幾度も重ね、システムの中身がブラックボックス化していました。いわば大津市独自のシステムになっていたのです。そうなると改修のたびに多大な経費がかかってまいります。また、ハードウェアとしての汎用機にかかるコストも高止まりの状況にありました。その一方で、番号制度や多様化する市民ニーズへの対応などの変革を求められるようになり、前システムで対応するには数億円のコストがかかるという現実がありました。このような状況下、2012年度に大津市情報システム最適化に向けた業務分析を行い、2013年度、「大津市情報システム最適化実施計画」を策定し情報システムの最適化事業に着手したのです。具体的には、複雑化したシステム更新つまりオープン化、セキュリティインフラの充実、そしてマルチベンダー化への対応という3つを目的とした情報システムの再構築です。

共通基盤導入に踏み切るまでの経緯はどのようなものでしたか

同計画におけるマルチベンダー化の目的は、システムの運用性や操作性を向上させて事務の効率化を図ること、連携インターフェースの公開により業務システム調達時に複数ベンダーの競争性を導入してコストダウンを図ることです。結果的にマルチベンダーではなくワンベンダーになったとしても、競争できる環境を構築することが重要だと考えました。そのためにはやはり、ベンダーを問わずにいろいろな業務ユニットを載せることができる共通基盤が不可欠です。また、業務ユニット間のスムーズな連携をとる上でも共通基盤は必須であると考えました。原課単位で「便利だ」と思われる業務システムを導入していくのでは個別最適にとどまり、例えばIDやパスワードの管理が重複する、文字コードや外字管理、データ連携方法がばらばらといった非効率要素がふえてしまいます。これらの課題を含め、システムの全体を最適化するためにも共通基盤による機能共通化、標準化が必要だったのです。

オープン化、共通基盤導入を後押しした環境とは何でしたか

ICTの進化でサーバ等のハードウェアスペックが驚くほど向上したことがあります。従来、メインフレームでしかできなかった処理が、サーバで楽々とできるようになっているのです。オープン化つまり標準的機能を搭載するパッケージシステムをサーバに載せて運用すればランニングコストを抑えられます。今後も続く制度改正への対応コストも低減できます。メインフレームを使い続けていくコストを考えれば、オープン化、共通基盤導入は当然の判断でした。このような経緯で、2014年度から3か年の計画でシステムの再構築、共通基盤構築に取り組みました。

大津市 CIO補佐官 木下 克己 氏の写真大津市 CIO補佐官
木下 克己 氏
大津市役所 政策調整部 情報システム課 課長 伊藤 義樹 氏の写真大津市役所 政策調整部
情報システム課 課長
伊藤 義樹 氏

採用理由

システムの選定ではどのような点を考慮しましたか

もっとも重視したのは移行時の安全性です。メインフレームからオープン化への移行時にはトラブルが少なくないからです。こうしたリスクを低減するにはベンダー間の調整事項を減らす。そのためには調達システムをあまり細分化するべきではないと考えました。一般的に、調達単位を4~5グループに分割する場合が多いようですが、共通基盤を含めて3グループでのシステム調達としました。また、連携部分でのリスクを抑えるために、ハードウェアとソフトウェアは同時調達とし、ミドルウェアは指定しませんでした。なお、共通基盤と住基システムを同一グループで調達することにした理由ですが、住基の基本4情報は他のすべてのシステムにも必ず関係してくる情報なので、統合宛名管理機能を有する共通基盤導入と同時の構築が最適と考えたのです。リスク軽減およびコスト削減のために、パッケージへのアドオンは避け、ノンカスタマイズをスローガンに掲げました。このように考えていくと必然的に、移行時のリスクを最小限に抑えられる総合力を備えたベンダー、中核市でのシステム導入で多くの移行実績を持つベンダーが望まれました。

IC21共通基盤ソリューションを採用した理由についてお聞かせください

APPLIC提唱の地域情報プラットフォームに準拠した共通基盤システムであること。コストにおいて圧倒的に優位だったこと。販売終了から10年間保証という長期サポート。そしてSEが高い技術力を有していた点などを高く評価し採用を決めました。とりわけSEの技術力については、メインフレームからオープン化への移行過程における併行稼働でのトラブル対応を万全なものにするためにも重視しました。この点で富士通は、メインフレームの現場を熟知したSE部隊、自治体のパッケージ業務システムを開発、導入、運用するSE部隊が連携して対応する態勢が整っていたと言えます。プロポーザルでは、地域情報プラットフォームに準拠した項目に加え、大津市固有の業務フローに対応したデータベースを提案していただきました。地方公共団体の業務に精通し、インフラ部分、共通基盤とその運用部分、業務システムのインテグレーション力に優れていると感じました。実際に導入の過程で、データベースやネットワークの構築に知恵が求められることがしばしばありましたが、専門部隊から的確なアドバイスを受けることができましたし、民需の分野でも百戦錬磨のSEが加わり体制としては十分なものでした。また、導入から稼働開始までのスケジューリングも、大津市の各業務の流れをよく理解した上で組まれており安心できる内容でした。

導入効果

IC21共通基盤ソリューションを導入したことによるメリットについてお聞かせください

2016年夏に共通基盤を構築し住基システムと連携し、以来安定運用が続き、2017年1月からは税系、保険系も連携し順調に稼働しています。各課の職員はすでに統合ID基盤によるシングルサインオン機能などで便利さを感じていますが、これからいよいよ共通基盤導入のメリットが実感できると思われます。標準装備の統合データベースによる番号利活用やオープンデータ等将来のサービス拡充への対応、帳票の作成・配信等の一括管理。情報システム部門としての重要課題は、統合的管理によるシステムの効率的運用です。IC21共通基盤ソリューションは、仮想化に対応しているのでサーバやストレージを効率的に運用できています。

また、セキュリティインフラにおけるVLAN、VDI、生体認証の3点セットの提案内容が優れていたため大きなメリットを実感しています。私どもとしては指紋以外の生体認証を想定していましたが、読み取り装置が小さく扱いやすい手のひら静脈による認証システムを強く薦められ導入したところです。当市のシステム運用環境を考慮した上でセキュリティがどうあるべきかの説明はきわめて詳細かつ具体的で、豊富なシステムデザイン実績に裏付けられた提案であると感じました。

今後の展開と富士通への期待

共通基盤の今後、どのような活用をお考えになっていますか

直近で期待しているのは、やはりマイナンバーを活用したマイナポータルに関連する提案です。すでに国から、子育てワンストップサービスによって、子育て家庭それぞれにマッチしたサービスの検索、認可保育園入所のオンライン申請、予防接種のお知らせをプッシュ型通知で伝えるなどの利用が提示されています。富士通に期待することは、これらを実現するために、当市のリソースをどう活用し、そのための情報連携をどうするかといった提案です。

長期的な観点からはどのような活用が考えられるでしょうか

共通基盤には税、福祉、保険をはじめ、これまでに蓄積した市民のデータ、また、内部情報系の蓄積データを串刺しにできるという機能があります。市民のデータ活用についていえば、窓口に来られた方のポータル画面を呼び出すと各担当課の情報が横断的に表示され、お知らせすべき情報や提供可能なサービスがたちどころにわかる窓口ワンストップサービスを構築できるはずです。また、蓄積したデータの分析が可能になれば、どういったデータがどの業務でどう使われているか見える化し、業務プロセスをより効率的に改善するノウハウが得られると思われます。こうした展開において、国の施策方針の動向をいち早くキャッチする情報収集力に裏付けられた富士通の提案力に期待しています。

前列左より 大津市 伊藤氏、木下氏 / 後列左より 富士通 常澄、和田、大日方の写真前列左より 大津市 伊藤氏、木下氏
後列左より 富士通 常澄、和田、大日方

大津市様 概要

所在地滋賀県大津市御陵町3-1
代表者大津市長 越 直美
人口342,436人(2017年2月1日現在)
職員数2,009人(2014年4月1日現在)
ホームページhttps://www.city.otsu.lg.jp/
大津市のご紹介

大津市は日本一の大きさを誇る琵琶湖の南北に寄り添うように広がる、人口34万の中核市。飛鳥時代に天智天皇が遷都した近江宮(おうみのみや)の所在地で、古来より交通の要衝として栄えた地です。

同市は、世界文化遺産の比叡山延暦寺をはじめ数々の歴史遺産を有し、2003年には全国で10番目の「古都」指定を受けています。自然と歴史が調和した水辺の町大津市には、近江八景「三井の晩鐘」で名高い天台寺門宗総本山、圓城寺(三井寺)、湖中に浮かぶお堂の景観で有名な満月寺など多くの見どころに恵まれています。

また、雄大な琵琶湖を一望しながらスキーを楽しめるびわ湖バレイは、京阪神から手軽に訪れることができる高原リゾート地として人気を博しています。

比叡山からの風景

浮御堂(満月寺)

観光キャラクター『おおつ光ルくん』

[2017年5月9日掲載]

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