宮崎市様は、業務に必要な機能をすべて備えた公営住宅管理システム「MICJET住宅管理」を導入。最低限のカスタマイズのみを行い、パッケージの運用に合わせて業務内容を見直すことで、コストを抑え、短期間での導入を実現しました。使いやすい画面と豊富な帳票により、業務が大きく改善しました。新システムの導入を決定した経緯から、導入時の工夫や苦労、そして導入の効果などをお聞きしました。
[ 2016年3月25日掲載 ]
業種 | 地方自治体 |
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ソリューション | 住宅管理 |
製品 | MICJET住宅管理(公営住宅管理システム) |
宮崎市様は、費用対効果と市民サービスの視点で、ICTがもたらす効果を行政サービスに最大限に活かすために、情報システムの新規導入や更新に取り組んでいます。
今回は、システムの保守に関わるコスト削減、公営住宅管理業務の効率化を図るために富士通のMICJET住宅管理を導入。2016年4月に開始する指定管理者制度による同業務の外部委託により、市民サービスの向上に貢献します。
1 | 機能の追加やクライアントのOS対応など独自の修正にかかる保守コストを削減したい |
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基本機能で業務に対応可能な公営住宅管理システムを導入し、保守コストを低減。さらに法制度の改正時にはパッケージでサポートすることで、コスト削減効果を期待 |
2 | 画面遷移が複雑で使い勝手が悪い旧システムでの業務効率の悪さを改善したい |
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直感的で、使い勝手の良いインターフェース、豊富な帳票類、そしてパッケージの運用に合わせた業務の見直しにより業務を大幅に効率化 |
宮崎市 建設部 住宅課
管理係 宮﨑 恵一 氏
1997年に導入した旧システムは、開発元がパッケージの更新を停止したため、それ以降は地元のソフトウェア開発会社と保守委託契約を結んでメンテナンスを行っていました。法制度の改正に対応するために機能を修正・追加してカスタマイズを重ねてきた結果、データの入力や参照を行う画面が増え、画面の遷移なども複雑になり、非常に使い勝手が悪くなってしまいました。また、出力できる帳票が限られており、別途WordやExcelで作らなければならない書類が増えていました。
加えて、旧システムのクライアントプログラムが古いバージョンのWindowsしかサポートしておらず、PCのWindowsを新しいバージョンに更新する際にOSのアップデートにあわせて修正が必要であり、保守コストが多くかかるという問題もありました。
使いやすい画面や帳票を備えたシステムを導入することで、事務作業を効率化し、さらにコスト削減を図りたいというのが導入を決定した理由です。
まず、パッケージが豊富な機能を備えており、カスタマイズを最小限に抑えてすべての業務に対応できることが挙げられます。将来的に考えている拡張についてもパッケージの基本機能で対応可能です。
また、コスト削減が期待できる点も理由の1つです。大きな法制度改正はパッケージ側で対応するので、システムを大きく改修する必要がありません。
システム導入にあたり地場企業との連携体制をとることもポイントになりました。特に旧システムの保守担当会社がその体制に含まれていたので、移行がスムーズに進むだろうと考えました。
そして一番大きな理由は、パッケージの使いやすさです。画面が見やすく操作性も高いこと。帳票の種類も多く、データを自由に抽出できる機能もあり、業務改善に大きく貢献すると期待できました。
宮崎市 建設部 住宅課
収納係 松岡 真一郎 氏
導入にあたり、できる限りカスタマイズを行わずにパッケージの基本機能をそのまま使用するようにしたことで、導入コストを抑え、6か月間という短期間での導入を実現しました。同時に業務内容も見直して、パッケージに合わせて運用できるように改善を図りました。帳票についても現行の様式を見直して、必要なもの以外はパッケージの帳票を使うようにしています。
苦労したのはデータの移行です。旧システムにおいてどこでどのように使われているかわからないデータを、履歴を追って確認したり、形式の違いで変換できないデータを改めて手入力したりといった対応が必要でした。
今回導入したMICJET住宅管理の画面はわかりやすく、インターフェースも直感的なので、マニュアルがあれば初めての人でもすぐに使えます。システムの使い勝手が非常に良く、その分業務がスムーズになりました。
旧システムはクライアントサーバ形式で、クライアントプログラムをインストールしたPCでしか使えませんでしたが、新システムはWebブラウザからアクセスできるので、どのPCからでも利用できます。また、ブラウザを複数開くことで、他の画面を見ながら入力することも可能になり、作業がしやすくなりました。
新システムでは帳票の種類が非常に多いので、Excelなどで独自に作成する必要がなくなり、手間が省けています。また、EUC機能があり、データを自由に抽出できるので、市営住宅に関する施策の立案や情報の分析に役立っています。
市営住宅の入居者募集冊子を作成する業務が大幅に効率化しました。旧システムでは、Excelで募集団地の一覧表を作り、間取り図をCADシステムから出力するなど非常に手間がかかっていました。新システムではCADデータを画像データ(JPEG形式)として保持しており、その画像データをもとにExcelを利用して入居者募集冊子を作成できるため、今では数分で作成できます。
また、滞納整理業務もその一例として挙げられます。旧システムでは、家賃を滞納したまま部屋を移ると、移動前の部屋で滞納があることがわからず、問題になっていました。新システムでは移動前の滞納情報が引き継がれており、きちんと把握できるので、業務が改善されました。
マイナンバーに対応するために、新システムの改修をすでに行っています。新システムでは宮崎市の税務情報システムと効率的にデータのやりとりが行えるようになっていますが、マイナンバー対応で、更に他市町村への問い合わせが円滑に行えるようになると考えています。今後は、宮崎市全体としてマイナンバーの活用方法を考えていきたいです。
宮崎市では、2016年4月から指定管理者制度を導入し、住宅管理業務を外部業者に委託します。これまで入居者募集などの受付窓口は庁舎内などの5か所のみで、受付時間も短く、土日祝日が休みでした。この制度により、地域の不動産会社で受付ができるようになり、窓口の数が倍増し、受付時間も長くなって、市民サービスの向上が期待できます。当然ながら、業務委託する外部業者にはMICJET住宅管理を利用してもらいます。
また、住民が家賃の振り込みをしやすくなるように、コンビニエンスストアやPay-easyによる収納への対応も検討しています。
まだ先の話ですが、サーバの更新時に、コストを削減するためにデータセンターを活用したサーバの共同運用を検討しています。その際には、運用やコストを考えて最適な提案をしていただくことを期待しています。
指定管理者制度の導入によって担当部署の職員が半減し、各職員の業務範囲が広がって、慣れない業務を担当することもあります。また、外部委託業者もこのシステムを利用するため、操作がわからないといった問い合わせが増えるでしょう。ですが、これまでと同じく手厚いサポートをお願いできればと思います。
前列左から 宮崎市 宮﨑 氏、松岡氏
後列左から 富士通九州システムズ 久保、末吉、富士通 宮崎支店 田中
所在地 | 宮崎県宮崎市橘通西1丁目1番1号 |
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代表者 | 宮崎市長 戸敷 正 |
人口 | 402,563人(2016年1月1日現在) |
世帯数 | 179,099世帯(2016年1月1日現在) |
職員数 | 2,507人(2015年4月1日現在) |
ホームページ | http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/ |
宮崎市のご紹介 |
宮崎市は温暖な気候に恵まれ、プロ野球やJリーグのキャンプ、全国の企業や大学のスポーツクラブの合宿が行われ、特に、プロ野球キャンプでは、県内外のファンとともに大いに盛り上がりをみせます。
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