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Fujitsu

Japan

介護予防・日常生活支援総合事業にいち早く取り組み、高齢者の自立を促進

松戸市様、武蔵野市様、横須賀市様
介護予防・日常生活支援総合事業 事例 MCWEL介護保険

MCWEL介護保険を導入し、日々の業務にご活用いただいている、松戸市様(人口:約48万9千人)、武蔵野市様(人口:約14万3千人)、横須賀市様(人口:約40万3千人)は、介護保険制度改正により2017年4月までに事業開始を義務付けられている介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)を、他自治体に先駆けて実施しています。ここでは、MCWEL介護保険の活用とともに、各市の総合事業への対応についてご紹介します。

[ 2016年6月21日掲載 ]

【導入事例概要】
業種 地方自治体
ソリューション 介護福祉ソリューション
製品 MCWEL介護保険

厚生労働省は、市町村を中心に住民が参画して、多様なサービスを充実することで地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者に対して効果的かつ効率的な支援を可能にすることを目指し、総合事業の実施を義務付けています。
MCWEL介護保険をご利用いただいている松戸市様、武蔵野市様、横須賀市様は、総合事業への移行に早期から取り組み、三市で情報交換会を行い、施行年度となる2015年度から総合事業を開始されました。

表: 数字でみる3市比較(2016年1月末現在)
  人口 第1号
被保険者数
高齢化率
(第1号/人口)
要介護
認定者数
要支援
認定者数
総合事業
対象者数
総合事業
開始時期
松戸市様 489,734人 119,533人 24.4% 14,178人 4,328人 896人 2015年4月
武蔵野市様 143,246人 31,489人 22.0% 5,106人 1,120人 69人 2015年10月
横須賀市様 403,031人 122,465人 30.4% 16,168人 4,548人 43人 2016年1月

1. 総合事業の準備について

総合事業への移行をどのように進めたか、サービスの検討、事業者との調整、市民への通知などについてお聞かせください

松戸市様: 当市は、2015年4月に事業を開始しました。2014年12月に移行が決定したので、事業開始までの期間が非常に短い中、地域包括支援センターなどと協議を重ね、事業者、市民が混乱しない円滑な方法を考えました。事業者には、現行相当サービス(みなしサービス)で総合事業を開始すること、多様なサービスは順次実施することを説明し、総合事業への移行を通知しました。また市民に対しては何度か説明会を実施し、要支援認定更新の対象者には更新のお知らせで周知しています。コールセンターの設置、広報、ホームページ、チラシでのお知らせも行いました。実施要綱は、みなし指定サービスのみの実施であったため、従来の通所介護と異なる部分を主に明記しています。
その他に、介護予防ケアマネジメントマニュアルの作成、職員の勉強会などを行いました。

武蔵野市様: 当市は、2015年10月に事業を開始しました。2015年4月に介護予防・日常生活支援総合事業に担当係長を配置するとともに、庁内検討調整会議を設置し、利用の流れ、サービス類型、単価、基準等を検討。その後、事業者への周知、協議、調整を実施し、訪問、通所事業所を対象に説明会を開きました。市民には市報でお知らせし、既存サービスの利用者へは独自のパンフレットにより周知を図っています。その後、実施要綱、訪問型、通所型の基準要綱の制定、国保連合会との調整を行い、事業を開始しました。

横須賀市様: 当市は、2016年1月に事業を開始しました。2015年1月から総合事業開始までの計画を策定し、その後サービスの内容や単価などを検討しました。今回は、現行に相当するサービスを指定介護保険サービス事業者により提供するのみとしました。事業者向けの説明会を実施した後、昨年11月から新規指定事業者の申請を受け付けています。市民に対しては市内10か所で説明会を開催しました。その後、国保連合会との調整、人員等に関する基準および要綱を制定し、事業を開始しました。

総合事業を始めるにあたり、情報収集、体制、対応などで工夫された点、苦労された点などについてお聞かせください

松戸市様: 約100日間という短い期間で実施しなければならなかったため、複数課の事業の取りまとめや地域包括支援センター、介護の給付・認定、事業者指定・計画の経験のある職員をリーダーに、5名の専従職員から成るチームをつくりました。また、事業対象者の定期的な状態把握、見直しを行い、自立を促進するために独自に対象者の有効期間を24か月に設定しました。先行自治体との情報交換などを行い、試行錯誤を繰り返しながら、松戸市の方針を策定し、住民、地域、事業者に積極的に対応を図りました。

武蔵野市様: 既存の高齢者支援課内に部長を長とした検討調整会議を設置し、必要に応じてトップダウンによる決定を行うことで、調整の迅速化を図りました。また、課題管理表を作成して課題、対応期間、担当、進捗状況を記入して管理し、検討調整会議で情報を共有することで、課題に漏れなく対応できるようにしました。工夫したのは、直営基幹型地域包括支援センターでケアマネジメントを行うことによるサービスの質の確保、利用者自身が目標を書き込む独自の介護予防ケアマネジメント様式を用意したことなどです。

横須賀市様: 高齢福祉課内に地域力推進係を新設し、総合事業の準備や部課内での意識を統一しました。また介護保険課、指導監査課など関連部署と様々に連携して総合事業に取り組みました。例えば、地域包括支援センターには、地域情報の把握と介護予防サービスの実施状況のチェック、要支援者への説明や地域への周知などで協力をお願いしました。また、介護保険課からは給付管理や認定事務などの実務について助言や協力をもらいました。ガイドラインの解釈や、法的な裏付けがない中で要綱や基準などを制定しなければならなかったことが大変でした。

2. 総合事業の実施について

総合事業の開始後、対象者はどのように総合事業に移行させていますか

松戸市様: 地域包括支援センターやケアマネジャーが認定の更新時期に対象となる方を見極めながら移行しました。広報紙などで周知し、市の高齢者支援課総合相談窓口や地域包括支援センターの窓口に来所して相談した方を事業の対象者としています。訪問や通所のみを希望する方に、認定を申請するのではなく、基本チェックリストを実施することで対象者になることを説明した結果、2015年4月から11月末までの8か月間で367名の方が新規に事業対象となり、既存の移行を含めると1,000名近くが対象となっています。

武蔵野市様: 更新申請を行い要支援に認定された方、基本チェックリストにより総合事業対象者として判定された方に順次、総合事業に移行していただいています。

横須賀市様: 要介護認定の有効期間が満了したタイミングでご案内し、総合事業に移行しています。

総合事業において取り組んでいる多様なサービスについてお聞かせください

松戸市様: 訪問型緩和A(指定)+住民主体B(移動支援Dを含め補助)をモデル的にセットで実施しています。また、通所型短期集中予防C(指定)を改善に対するインセンティブ型で実施しています。

武蔵野市様: 介護福祉士などの資格がない市民でも、武蔵野市独自の研修を受けることで、武蔵野市認定ヘルパーとして家事援助のサービスに従事できる制度を創設しました。同様に武蔵野市独自の事業者指定制度を創設し、介護保険の指定を受けていない事業者でも総合事業に参画し、円滑にサービスを提供できるようにしています。

横須賀市様: 訪問型短期集中予防サービスとして、理学療法士、保健師等が体力や健康管理の維持・改善、日常生活における基本動作の改善、閉じこもり等に対する支援を市が直営で行っています。

総合事業の実施にあたり、富士通のサポートおよびパッケージの機能で役に立ったことをお聞かせください

松戸市様: 先行的な実施であり、移行の直前までシステムの対応状況が見えず不安でしたが、開発担当者からの説明や資料がわかりやすく、理解を深めるのに役立ちました。

武蔵野市様: システムで基本チェックリストの記入内容を入力すると判定結果が自動的に出力される機能がありますが、これが非常に便利です。認定業務の効率化に貢献していると思います。

横須賀市様: 総合事業用のシステムの仕様書および手順マニュアルが非常にわかりやすいもので、受付窓口の職員がそのまま利用できました。システムに関しては、総合事業管理画面と給付管理画面の双方から居宅サービスの計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼届け出状況を一元的に参照できる点が使いやすいと感じています。

3. 今後の展望

総合事業における今後の展望についてお聞かせください

松戸市様: 介護予防・日常生活支援総合事業は、介護予防・日常生活支援サービスと一般介護予防を両輪として進めていく必要があります。単にサービスを創設するのではなく、介護人材不足の解消や給付の適正化など全体を鳥瞰しながら進めています。

武蔵野市様: 自治体が主導して提供するサービスは整備できたので、地域の自主的な介護予防の活動を支援することに軸足を移していきたいと考えています。今後はより市町村の裁量が増えていけばよいと思います。

横須賀市様: 現行以外のサービスをもう少し膨らませていかなければと考えており、順次検討していく予定です。

富士通に対するご期待、ご要望をお聞かせください

松戸市様、武蔵野市様、横須賀市様: 制度改正にあたっては、事前に情報を集めて準備を支援していただき、感謝しています。総合事業は自治体によって取り組みが異なりますので、システムには汎用性の高い機能を搭載していただき、暫定的にはオプションで自治体独自のサービスのシステム化を可能にし、共通性の高いものは標準化していただきたいと思います。
また、システムを利用していると様々な意見が出てきます。各自治体の現場からの意見や要望をもとに、パッケージの改善やサポートに、より一層力を入れていただけると幸いです。

前列左から: 武蔵野市 川上 恵実 氏・吉田 竜生 氏・茅野 泰介 氏、横須賀市 海老名 朋子 氏・星 かおる 氏、松戸市 吉村 伊久子 氏・中沢 豊 氏の写真 / 後列左から: 武蔵野市 中園 雅爾 氏・樋口 朋子 氏・高田 陽介 氏、横須賀市 松谷 妃呂子 氏・田中 和哉 氏・丸子 夏美 氏・鷺阪 恵美子 氏、松戸市 堤 崇雄 氏・塚田 智尋 氏・鶴見 愛理 氏・横塚 あずさ 氏の写真

前列左から
武蔵野市 川上 恵実 氏・吉田 竜生 氏・茅野 泰介 氏、横須賀市 海老名 朋子 氏・星 かおる 氏、松戸市 吉村 伊久子 氏・中沢 豊 氏
後列左から
武蔵野市 中園 雅爾 氏・樋口 朋子 氏・高田 陽介 氏、横須賀市 松谷 妃呂子 氏・田中 和哉 氏・丸子 夏美 氏・鷺阪 恵美子 氏、松戸市 堤 崇雄 氏・塚田 智尋 氏・鶴見 愛理 氏・横塚 あずさ 氏

【松戸市様 概要】
所在地 千葉県松戸市根本387番地の5
代表者 松戸市長 本郷谷 健次
人口 483,776人(2016年2月1日現在)
職員数 2,720人(2014年4月1日現在)
ホームページ http://www.city.matsudo.chiba.jp/Open a new window
松戸市のご紹介

矢切の渡し

二十世紀梨

松戸市は、千葉県の北西部に位置し、都心から約20km圏内、電車で約30分の距離にあり、首都圏の住宅都市として発展を続けています。水と緑にあふれ、すべての人を柔らかく包み込む優しい都市「やさシティ、まつど。」のスローガンのもと、「高齢者の元気応援キャンペーン」を実施しています。この取り組みは、高齢者を応援するサービスを行う企業や団体を募集し高齢者が元気に住み続け、自立した生活を送るための意識喚起と共に、地域全体で高齢者を支えていくための風土づくりを形成するものです。
松戸市域には古くから多くの人が居住しており、歴史や文化を示すスポットが数多くあります。中でも、「日本の音風景100選」に選ばれた矢切の渡しが有名です。江戸川唯一の渡しであり、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」では、政夫と民子の悲しい恋の舞台にもなりました。また、梨の生産では全国1位を誇る千葉県ですが、中でも松戸市で誕生した二十世紀梨は多くの人に愛され贈答品としても人気があります。ねぎの生産量も多く、あじさいねぎや矢切ねぎがよく知られています。

【武蔵野市様 概要】
所在地 東京都武蔵野市緑町2-2-28
代表者 武蔵野市長 邑上 守正
人口 143,246人(2016年2月1日現在)
職員数 736人(2014年4月1日現在)
ホームページ http://www.city.musashino.lg.jp/Open a new window
武蔵野市のご紹介

テンミリオンハウス

レモンキャブ

武蔵野市は、新宿から約12kmの距離にあり、東京23区と多摩地区を結ぶ、郊外型住宅都市として発展してきました。商業施設が集まる吉祥寺駅周辺は多くの人で賑わいますが、一方で都立井の頭恩賜公園、同武蔵野中央公園をはじめ、約170の市立公園が整備され、緑豊かな住宅都市と、教育、福祉、文化、スポーツなど高度に集積した生活型産業が調和し、「住んでみたい街」の筆頭に挙げられます。
また、市民の市政に対する意識も高く、高い水準の行政運営が求められることと、堅調な財政基盤を背景に、全国でもユニークかつ先駆的な施策を展開しています。例えば、元祖コミュニティバス「ムーバス」、地域の方が年間1,000万円を上限とした補助を得てデイサービスやショートステイなどを展開する「テンミリオンハウス」、商店主を中心とした地域の有償ボランティアによる移送サービスの「レモンキャブ」、農山漁村と協力し子どもたちが授業の一環として自然体験をする「セカンドスクール」などがあります。

【横須賀市様 概要】
所在地 神奈川県横須賀市小川町11
代表者 横須賀市長 吉田 雄人
人口 403,031人(2016年2月1日現在)
職員数 2,769人(2015年4月1日現在)
ホームページ https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/Open a new window
横須賀市のご紹介

立石海岸

横須賀の軍港

横須賀市は、神奈川県にある三浦半島の中央部に位置し、東京湾と相模湾に面する国際港湾都市です。三浦半島の周囲を流れる暖流のおかげで気温の高低差が比較的少なく、冬は暖かく、夏は涼しく、すごしやすい街です。また、起伏の多い丘陵や山地が多く、豊かな自然に恵まれており、「子どもが主役になれるまち」として子ども、結婚・子育て世代が「住んでいてよかった」と思えるまちづくりを推進しています。
日本最初の洋式灯台である観音崎灯台がある観音崎公園、秋谷・立石海岸など自然に触れるスポットのほか、港を巡って米海軍や海上自衛隊の軍艦を間近に見るなど、様々に楽しむことができます。日本海軍のレシピを用いた「よこすか海軍カレー」や、米海軍が友好の象徴として提供したレシピにもとづく「ヨコスカネイビーバーガー」など、横須賀ならではのグルメも有名です。

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