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Fujitsu

Japan

データ入力ミスを入力段階で払拭、エラーチェックの省力化と入力支援機能で業務効率・サービス向上を実現

伊丹市役所 庁舎外観

伊丹市様 MCWEL 障がい者福祉システム 導入事例

各種業務のベースともいえるデータ入力。常について回るのがエラーチェックです。入力の精度を向上させることができれば、その後のチェック作業は不要になります。その余力を本来の業務に向けると、業務効率化は大きく前進します。
伊丹市様は制度改正のたびに改修を重ねてきた旧システムの更新を検討。入力業務の効率化と精度向上、住民サービス向上の観点から6社のシステムを分析・評価し、MCWEL障がい者福祉システム(以下、MCWEL)の導入を決断しました。

[ 2016年5月26日掲載 ]

【導入事例概要】
業種 地方自治体
ソリューション 介護福祉ソリューション
製品 MCWEL 障がい者福祉システム

多種多様な制度から成る障がい者福祉業務では、各制度の受給状況を確認する場面がしばしばあります。MCWELでは1つの画面で横断的に受給状況を閲覧する総合照会機能がこうしたシーンをサポートします。稼働から2年を迎えようとする伊丹市様では、同機能に加え、入力を支援する機能、データを自在に抽出・加工できる機能などを利用することで、業務効率のアップを実証されています。

【課題と効果】
1 記憶や手作業に頼る障がい者福祉業務のデータ入力作業を効率化したい

データ入力段階でエラーをチェックする仕組みによりエラー発生とチェック作業をゼロに。初期値の設定や日付カレンダー機能で入力にかかる時間を大幅に削減。受給内容を横断的に閲覧可能となり業務効率と精度が大幅に向上した
2 データの抽出・加工を簡単に行いたい

システム内のデータを容易にCSV化。Excelで再加工できるようになり、国、県、市議会への報告が素早く、高精度化した
3 システムの保守、セキュリティ等に関わる業務を効率化したい

法制度改正に伴うシステム改修はパッケージとして対応されるため、本来業務に集中できるようになった。マイナンバー制度の安全運用を担保するセキュリティも常に最新対応状況に

システムの選定について

以前のシステムでは、どのような課題がありましたか

旧システムは1999年から運用を続けていましたが、制度改正に伴う改修が重なった結果、2012年頃から、「今後予想される制度改正への対応、特に保守作業が限界に達するのでは」との不安が増大していました。開発・保守作業を依頼していたベンダーには誠意を持って対応いただいていましたが、やはり今後の制度改正を考慮すると、制度について精通し改修の経験豊かなベンダー製のパッケージシステムへの更新が必要と判断したのです。

新システムへの移行時期は、障害者総合支援法が完全施行される2014年に設定し、旧システムが抱えていた問題点を洗い出し、これを一掃できるシステムを選定することになりました。主な課題は2つありました。第1は、国民健康保険団体連合会(以下、国保連合会)関連の作業負荷を軽くすることです。毎月、国保連合会へデータを送付した後、エラーとして戻ってくるデータの処理が大変だったのです。当市では、誤ったデータをそのまま送ってしまったことによるエラーが多く発生していましたが、1件1件のエラー原因の究明、修正を決まったスケジュール通り短期間で行う必要がありました。もちろん作業手順をしっかり教え、多人数であたることができればよいのですが、時間的な余裕がないのでどうしても手慣れた職員だけで乗り切ることになり、この状態が固定化してしまっていました。

第2の課題は報告用統計データ作成の効率化です。よくある統計データ処理作業のひとつが国や県からの問い合わせへの対応ですが、システムから抽出、加工したデータが正しいか付き合わせる作業に手間どっていたのです。

選定の経緯についてお聞かせください

MCWELを採用したのは、データの移行作業に関するサポートを重視するという姿勢と意欲が伝わってきたことが大きな理由です。介護保険システムを導入した際に、データ移行に苦労した経験がありましたので、業務の内容が複雑な障がい者福祉においても、データ移行から本格運用への工程が相当の作業負荷になるだろうと思われました。さらに、毎年のようにある制度改正について、その情報を早く提供していただくことをベンダーさんに期待しました。

費用面だけを考えると優れているベンダーもありましたが、サポート面も含め円滑に導入できるかどうかを検討した結果、MCWELを選定しました。

システムの移行/導入にあたっての工夫

データ移行から本格稼働まで、短時間でスムーズに運んだそうですね。成功要因を挙げるとすると何でしょうか

データ移行作業の大変さは、やはり想像以上でした。しかし富士通の対応には大変満足しています。

作業の着手は2013年10月で本稼働の6か月前に設定しました。理由は、人口19万人、手帳所持者が約1万人の当市の場合、移行データが膨大な量に上ると思われたからです。実際にとりかかると新システムに合わせるための処理が必要なデータが数千件にもなりました。国保連合会のフォーマットを利用したり、専用プログラムを組んだり、ケースによっては1件1件対応することになりました。このままでは作業終了が遅れるのではと心配しましたが、富士通から入力専用のスタッフを増員していただくなどの対応策を講じていただき、円滑に移行できました。システムの操作習得は、本稼働直前の3月に開始しました。かなり直前でしたが、グループごとに複数回行い、実際にシステムを触りながら、繰り返し何度でも質問できる環境をつくっていただくなどきめ細かい対応により全員の研修を終えました。

MCWEL障がい者福祉システム導入による効果

新システム導入後、業務は効率化しましたか

旧システム時代の課題はいずれも解消されました。まず、国保連合会へ送付したデータのエラー対応作業はほとんどなくなりました。MCWELの場合、台帳作成の入力段階でエラーがあればアラートが出ますから、整合性の取れない状態でデータベースに保存されることがなくなったわけです。エラーの修正のため2人で数日かかっていた作業が不要となり、深夜におよぶ残業もなくなったので、劇的な変化だといえます。

報告用統計データの作成作業については、統計帳票がシステムから出力されるだけでなく必要なデータをCSV形式で簡単に抽出しExcelに吸い上げ、2次加工できるようになりました。国や県への報告データ、市独自の報告書や議会資料なども最新のデータをもとに作成可能となり、精度もスピードも向上しました。

障がい者福祉業務を統合して管理する効果も出ています。例えば、旧システムでは制度ごとにばらばらの管理であったため、精神障害者手帳と自立支援医療を同時に申請していただく場合、それぞれの受給の有無や有効期限の確認等を行うため、それぞれの画面を呼び出す必要がありました。それがMCWELでは、複数の画面を同時に開き、カーソルを情報アイコンに合わせるだけで内容を確認できるようになりました。さらに「総合照会」というメニュー画面で対象者がどのような制度を受給しているかを横串で確認できます。

こうした数々の導入効果で窓口や電話対応に余裕が生まれました。特に支給内容決定時に申請者の状況をお伺いする時間をじっくりととれるようになり、サービスの質が向上しました。適正な受給サービス内容の提供、受給者証発行のスピードアップなども実感しています。

本稼働後に気付いた点としては、各種業務の入力効率の向上が挙げられます。入力画面のプルダウンメニューの初期値が業務に即した状態に設定されていて、少ないキー操作で入力が完了するのがその要因だと思います。稼働後約2年経ちますが、原課の業務に合わせてマニュアルに改良を加え、初めて入力する職員でも間違いなく入力できるようになり、効率アップが図れています。

MCWELへの期待

今後、富士通ならびにMCWELに、どのような期待、ご要望をお持ちでしょうか

マイナンバー制度においてはとりわけ個人情報の保護が求められますが、万全のセキュリティを維持していただけるものと確信しています。また災害時、災害弱者保護の観点から機能間の連携に優れているMCWELの活用について、提案、サポートをいただきたいと思います。さらに、将来的に視野に入ってくるだろう自治体クラウドへの展開でも先進的な取り組み事例など、当市が目指す方向に沿った情報の提供を期待しています。

後列左から 富士通 葉狩、伊丹市 三好氏・藤原氏・松平氏、富士通システムズ・ウエスト 北村 の写真 / 前列左から 伊丹市 橋本氏・岡田氏・大田氏 の写真
後列左から 富士通 葉狩、伊丹市 三好氏・藤原氏・松平氏、富士通システムズ・ウエスト 北村
前列左から 伊丹市 橋本氏・岡田氏・大田氏

【伊丹市様 概要】
所在地 兵庫県伊丹市千僧1-1
代表者 伊丹市長 藤原 保幸
人口 197,983人(80,545世帯)(2016年2月1日現在)
職員数 1,269人(2015年4月1日現在)
ホームページ http://www.city.itami.lg.jp/Open a new window
伊丹市のご紹介

兵庫県の東南部に位置し、大阪の衛星都市の一つとしても位置づけられる伊丹市様。その市名は、14世紀初めこの地に現れた武士団で摂津国(大阪府北中部の大半と兵庫県南西部)の3分の1を支配していた伊丹氏に由来しています。同氏に支配された地域は戦国時代に何度となく戦乱に巻き込まれながら、伊丹城の城下町として整備。その後戦国時代末期に武将・荒木村重が入城、有岡城と改名されるも、織田信長に攻め落とされ、現在は土塁の石垣として往時の面影を残しています。
江戸時代の1661年、近衛家の所領とされ、その保護のもと造酒業を発展させた同地は、1870年兵庫県に編入。1940年、川辺郡伊丹町と稲野村の合併による市制施行で伊丹市となりました。今日、伊丹市は大阪国際空港(伊丹空港)がある町としても知られ、同空港は全国都市と近畿圏を結ぶ空の玄関として機能しています。また行政面では、2016年3月から運用を開始し、2016年度中に市内1000箇所に設置されるカメラとビーコンで子どもと高齢者を見守る「安全・安心見守りネットワーク事業」が注目されています。

伊丹市マスコット 左:たみまる、右:ヒコまる

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