秋田市様
MCWEL 障がい者 V2

国保連支援システムとのデータ連携に
かける負荷が3分の1に。
処理速度アップで業務の停滞も解消

秋田市役所庁舎外観

秋田市障がい福祉課様では、長年にわたり運用を続け、制度改正のたびに改修を加えてきたシステムにおいて処理速度が低下するなどの支障が発生していました。前システムのサポートの終了を機に、多様な機能により事務処理の効率化を徹底的に追求した富士通「MCWEL 障がい者 V2」(以下、MCWEL)を導入した同課では、作業負荷の高かった数々の業務、例えば国民健康保険団体連合会(以下、国保連)への請求データのエラー対応作業などにおいて劇的ともいえる業務効率化をみています。また、ごく簡単に目的の画面に遷移する操作性、ワンクリックで容易にデータを抽出できる機能が、多くの業務の効率化をもたらしています。

課題
効果
課題度重なる制度改正対応とカスタマイズによってシステムが複雑化し、専用ツールなしに処理できない業務が増えていた。また、法改正対応の負荷を軽減する必要があった。
効果ツールを必要とした業務の多くがパッケージ標準機能で処理可能となり効率化された。さらに法改正対応がタイムリーにカバーされ、関連する作業が不要になった。
課題毎月の国保連支援システムとのデータ連携において整合性エラーの修正に1日を要していたことで、他の業務を圧迫していた。
効果エラー対応作業におけるCSVデータ処理時間が3分の1に短縮。また処理中もシステムを自由に操作可能となり、業務効率が飛躍的に向上した。
課題各種データを分析する際、データ抽出をベンダーに依頼していたため、時間を要することがあり、迅速に結果を得られなかった。
効果マウス操作で簡単にデータを抽出できるようになり、調査引用に用意する一覧の作成、住民サービスの利用状況分析などが容易になった。

システム更新の背景

以前に運用していた障がい福祉等システムには、どのような課題がありましたか

システムのサポートが終了期限を迎えることが更新の直接的理由でした。しかしそこに至るまでに様々の問題がありました。まず前システムは秋田市の業務の特性に合わせフルカスタマイズされていました。さらに制度改正のたびに修正が加えられたことでシステムが複雑化し、もうこれ以上の改修は難しいというほどツギハギだらけになっていたのです。そのため、システムでは対応しきれず、AccessやExcelなどのツールを使って処理していた業務が一部ありました。ツール類は当課の職員によって用意する必要があり、手間がかかっていました。新しいシステムではツールに頼らずに、搭載する標準機能でほとんどの業務に対応できることが望まれました。

特に手間を要していた業務はありましたか

国保連支援システムとのデータ連携においてエラーが発生した場合、その対応作業に時間がかかっていました。エラーとなったデータ1件1件について、何が原因でエラーとなったのか、担当者にフィードバックして確かめてもらう必要があります。そのためのCSVデータの作成にかなりの時間を要していました。もちろん、期日までに修正作業を終えなければなりません。担当者にCSVデータで確認してもらい、エラー処理したデータを再送信する作業は1人で担当しているので、伝送日近くになると作業に追われます。毎月発生するこの修正作業は優先して対応する必要があり、他の業務を圧迫していました。そのため何とかして作業負荷を軽減、効率化したいというのが長年の課題でした。

また制度改正のたびに発生する、システムの改修作業も大きな負荷となっていました。前システムのベンダーさんはその対応に大わらわという状況でした。

新システムについては、どのような運用環境、また機能が求められましたか

あくまで担当課の職員が操作しやすく、各業務をスムーズに遂行できるシステムであることを重視しました。導入コストよりも重視したといってよいでしょう。また、必ずしもノンカスタマイズにこだわるのではなく、使いやすさを重視するべきであると考えました。導入時の比較検討では、プロポーザルの各要素について点数評価、トータルの採点が一番高かった富士通のMCWELを採用したのです。デモ時の印象についても点数で評価したわけですが、複数の画面を同時に表示でき、この機能の画面に遷移したいと思えば、クリック一つで移動できる操作性はインパクトがありました。

秋田市 福祉保健部 障がい福祉課 主査 鎌田 裕 氏の写真秋田市 福祉保健部
障がい福祉課 主査
鎌田 裕 氏
秋田市 福祉保健部 障がい福祉課 主任 古屋 定治 氏の写真秋田市 福祉保健部
障がい福祉課 主任
古屋 定治 氏
秋田市 福祉保健部 障がい福祉課 主事 小林 久記 氏の写真秋田市 福祉保健部
障がい福祉課 主事
小林 久記 氏
秋田市 福祉保健部 障がい福祉課 主事 鎌田 侑香里 氏の写真秋田市 福祉保健部
障がい福祉課 主事
鎌田 侑香里 氏
秋田市 福祉保健部 障がい福祉課 主事 小林 記与 氏の写真秋田市 福祉保健部
障がい福祉課 主事
小林 記与 氏

システム導入にあたっての配慮/導入効果

新システムの導入から運用開始に至るまではスムーズに運びましたか

新システムの導入、そして運用開始までには、いくつか懸念がありました。第1は、長年運用していた前システムのベンダーから変わることになるので、データ移行がスムーズに運ぶかの懸念です。システムの構造、文字コードなども変わるので、そのあたりをベンダー間で話し合って調整する必要があるわけです。一般的な話として、こうした作業ではベンダー間の連絡、調整が必ずしも上手く運ばないとも聞いておりました。しかし今回は、富士通側に主導して対応いただきました。また大変な移行作業の中ではありましたが、データ移行時、長年の間に不整合のあるデータが1千件ほどたまっていることがわかったので、これらをクリーニングする機会となりました。

第2の懸念が、システムの更新と新庁舎への移転時期が重なったので、ハードウェアやネットワークの切り替え作業で何らかの問題が発生しないか、また発生した場合の対応が心配されました。しかし万一の事態にも、サーバあるいはネットワーク関係の専門部隊が控えていて、いつでも即応できるとの説明をいただき、その不安は払拭されました。

新システムの導入後、各業務はどのように効率化されましたか

[国保連関連業務における効率化]

大きな課題の一つ、国保連に送付した請求データのエラー対応作業が劇的に効率化されました。前システムでは、エラーとして戻ってきたデータの確認と処理等の対応にほぼ丸1日かかっていました。しかもその間は、担当者の端末では他の機能を利用することができませんでした。MCWEL導入後、システムの機能によりCSVデータの取りまとめにかかる時間は約3分の1に短縮され、時間的に余裕が生まれました。またシステムの処理スピードが向上したこと、エラー処理中であっても、データ照会等他の作業で利用できるようになったことで、業務の停滞時間がゼロになり、課全体の業務効率向上につながっています。

また異動訂正連絡票の自動作成・出力機能のおかげで手作業がなくなり、エラーが減った業務もあります。以前のシステムでも自動作成されてはいましたが、追加分は手作業で行っていました。また、データを突き合わせて出てきた差異部分に対応する新しいデータ作りも手作業でした。MCWELではこうした処理も自動化されたので、楽になっています。

[給付業務における効率化]

一括給付の機能によって、各種決定通知帳票の出力までの作業がほとんど自動化されました。その結果、例えば3カ月に1度、約500件のストーマ器具の給付を1件、1件台帳に入力し、出力するという作業がそっくり自動化されたのです。また、紙おむつの給付決定通知作業も同様に効率化され、これらの結果、時間外勤務が減っています。

他システムとの連携部分は効率化されましたか

先行して導入していた介護保険・高齢者福祉システムとの連携がなされたことで、サービス給付の介護移行状況を容易に把握できるようになりました。以前は介護保険課に問い合わせて確認していましたが、今ではその手を煩わすことなく、要支援や要介護の状況、判定時期や認定期間まで簡単に確認できています。

画面の遷移など、システムの使い勝手はいかがでしょうか

簡単な操作で各業務のデータを確認できる機能が便利です。以前は支給の画面を呼び出し、税情報の画面を呼び出して税額を確認し、再び支給画面に戻って支給決定とそのたびに画面を移動しなければなりませんでした。しかしMCWELでは支給画面を出したまま税情報をプルダウンメニューに表示できるので、確認作業がパッ、パッ、パッと、実に速くできるのです。

またアイコンの表示によって、各種サービスの受給状況などがひと目で確認できる機能も便利です。特に受給者の方から電話を受けた場合、性別や年齢が顔アイコンで表示されるほか、いろいろなサービス利用状況も表示されるので、画面の切り替え操作に手間取ってお待たせするということがなくなりました。

データ抽出の操作が簡単になったとの評価をいただいています。どのようなシーンで活用いただいていますか

調査員の方にお渡しする区分更新対象者の一覧を作成する作業が大幅に効率化されました。以前は住民記録データを抽出し、Excelで加工していました。約700件のデータを抽出するだけで2時間以上かかっていましたが、MCWELですと10分程度で完了します。ソートの操作もしやすいので、毎月の一覧表の作成がとても楽になりました。また、当市では、身体障害者手帳等を持っている障がいのあるかたが、市内路線バスを無料で利用できるサービスを展開しているのですが、以前は統計情報の作成に当たっては、ベンダーに抽出作業を依頼していました。MCWELではいつでも簡単にデータの抽出、加工が可能です。

今後の展開と富士通への期待

今後、富士通に対してどのような要望をお持ちでしょうか

福祉行政は、きめ細やかな対応を目指しているので、今後、大小様々の制度改正が予想されます。その点、法改正に対応する改修がカスタマイズ部分を含めてサポートサービスによりフォローしていただけるので、関連する作業から解放され安心しています。これからも制度改正の情報を早く提供いただければ、業務対応などの参考になり助かります。

プロポーザルに対するプレゼンから、導入、運用のこれまでを振り返ると、富士通SEの福祉業務に対する理解は大変深く、あらゆる場面で的確な説明、助言をいただいています。このSE品質をずっと維持していただきたいと思います。

後列左から 秋田市 古屋 定治 氏、小林 久記 氏、小林 記与 氏 / 前列左から 秋田市 鎌田 侑香里 氏、鎌田 裕 氏 の写真後列左から 秋田市 古屋 定治 氏、小林 久記 氏、小林 記与 氏
前列左から 秋田市 鎌田 侑香里 氏、鎌田 裕 氏

秋田市様 概要

所在地秋田県秋田市山王一丁目1-1
代表者秋田市長 穂積 志
人口312,902人(135,460世帯)(2017年2月1日現在)
職員数2,532人(2016年5月6日現在)
ホームページhttps://www.city.akita.lg.jp/
秋田市のご紹介秋田市は秋田県のほぼ中央に位置し、東には霊峰太平山を擁する出羽山地が、西には夕日の美しい日本海が広がる緑豊かな都市です。人口31万の同市は、北東北の拠点中核都市であり、東北では仙台に次ぐ規模の県庁所在地。観光名所も数多くあります。夏の秋田の見どころは、軽快な笛の音色と勇壮な太鼓の音とともに、高さ12m、重さ50kgもの竿を手のひら、額、肩、腰などで支えてみせる妙技「秋田竿燈まつり」。そして秋田の夏を彩るもう一つのお祭りが、港ばやしにのって曳山が町中を練り歩く「土崎港曳山祭り」です。また古くから米どころとして知られる秋田市は酒どころとしても知られ、市内に5つの酒蔵があり、甘口から辛口まで豊かな味わいの日本酒が、きりたんぽ鍋、しょっつる鍋など冬の郷土料理を引き立てます。繊細な冬の味覚、短い夏を熱く楽しむ祭事が多くの観光客をひきつけています。

秋田竿燈まつり

土崎港曳山祭り

[2017年6月9日掲載]

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