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Fujitsu

Japan

PLEMIA EngineeringDocfileManager 導入事例


株式会社ヤマハ発動機 様

「PLEMIA」により適切なアクセス権のもとでおこなうグローバル開発
製品開発プロセス改革の基盤を確立しQCD向上に取り組む段階に入る

モーターサイクルやマリンエンジンなど多彩な分野で活躍するヤマハ発動機。売上比率の約9割が海外となった現在、開発のグローバル化にも積極的に取り組んでいる。グローバル開発とQCD向上を目的とする製品開発プロセス改革の推進を大きなテーマに、新CAD管理システムのベースに「PLEMIA」を選択した。


平岡 法昭 氏 ヤマハ発動機株式会社

プロセス・IT部

ITアプリケーション戦略グループ グループリーダー
主管 平岡 法昭 氏
ヤマハ発動機株式会社
プロセス・IT部
ITアプリケーション戦略グループ グループリーダー

主査 大上 智之 氏

ヤマハ発動機株式会社プロセス・IT部ITアプリケーション戦略グループ アプリケーション担当
主査 大上 智之 氏
ヤマハ発動機株式会社
プロセス・IT部
ITアプリケーション戦略グループ アプリケーション担当

主事 中嶋 康博 氏ヤマハ発動機株式会社プロセス・IT部ITアプリケーション戦略グループ
主事 中嶋 康博 氏
ヤマハ発動機株式会社
プロセス・IT部
ITアプリケーション戦略グループ

小池 秀輔 氏

ヤマハモーターソリューション株式会社エンジニアリングソリューション 事業部エンジニアリング部PLMグループ チームリーダースーパーバイザー
小池 秀輔 氏
ヤマハモーターソリューション株式会社
エンジニアリングソリューション 事業部エンジニアリング部
PLMグループ チームリーダー
スーパーバイザー

ヤマハ発動機といえば、モーターサイクルがすぐに思い浮かぶ。事実、売上高の7割を占めるメイン事業だが、モーターサイクル以外にも船外機、ウォータービークル、スノーモビル、電動アシスト自転車、電動車いすなど商品ラインナップは多彩である。
先進のエンジン技術を駆使し、世界中の人に新たな可能性と豊かな生活をもたらす「感動創造企業」が同社の目指す企業像だ。売上高構成比の90%近くが日本以外の海外であるという事実からも、今や同社の製品がグローバルなフィールドで愛用されていることがわかる。優れたモノ創りこそが同社のビジネスの原動力だ。


売上比率の約9割が海外、開発のグローバル化も拡大

世界が、ヤマハ発動機の活躍する舞台だ。モーターサイクルのレースだけでなく、ビジネスもワールドワイドに展開し、売上比率でも海外が約9割。

同社の商品は世界中の人が愛用し、開発・生産・販売拠点も世界中に展開されている。その規模は、世界180カ国に商品を販売、35カ国に60箇所の工場をもち、海外の連結子会社も78社に及んでいる。そこで課題になるのは、人間の感性に訴える「ヤマハらしさ」という、モノ創りの基準をどのように海外でも維持していくか。また、経営環境が厳しさを増す中、同社では本質機能の抜本的な強化が必要となっている。

「開発のグローバル化のもと、収益の拡大を図りながら商品の品質や付加価値を高めていくためには、製品開発プロセス改革が不可欠です。そのための基盤づくりに、ここ数年間、取り組んできました」と、同社プロセス・IT部 ITアプリケーション戦略グループ グループリーダー 平岡法昭氏は語る。


新しいCAD管理システムに求める5つの要素

グローバル開発や製品開発プロセス改革の基盤となるのがCAD管理システムである。同社は従来、CAD管理システムを自社でつくっていたが、開発環境の変化に対応が難しくなってきていた。「グローバルなデータのやりとりも運用上の工夫で対応していた状態で、セキュリティの強化と合わせてよりスムーズな情報共有の実現が大きな課題となっていました」と、同社プロセス・IT部 ITアプリケーション戦略グループ アプリケーション担当 主査 大上智之氏は課題について話す。

同社が求める新CADデータ管理システムについて、「アクセス権が細かく設定できるマルチコントロール、CADを超えてアセンブリができるマルチアセンブリ、完成形だけでなくステイタスを管理できるマルチステイタス、そしてマルチCAD、グローバルの5つの要素をポイントにしました」と、同社プロセス・IT部 ITアプリケーション戦略グループ 主事 中嶋康博氏は語る。

2003年、上記5つの要素に応える製品として富士通の「PLEMIA」が採用された。導入の準備期間とともに、自社製CADシステムの更新時期とタイミングを合わせる必要もあり、グローバル化対応は2005年後半から動き始めた。


「PLEMIA」と全社の統合的なID管理システムとの整合性を確保

「開発のグローバル化対応においてセキュリティは必須要件でした。まず「PLEMIA」と当社の統合的なID管理システムとの整合をとることで、海外拠点におけるユーザー管理の一元化を図りました。また「PLEMIA」のセキュリティを利用し、このモデルの図面はある拠点では参照できないようにするなどアクセス権を細かく設定しています」(大上氏)。

海外との情報共有ではレスポンスも課題となった。「情報を共有するためにメタデータを1 つにしたことで、データも膨大なものとなりました。従来システムと同等のレスポンスを実現するために富士通さんにも真摯に対応していただき、パフォーマンスの向上を実現できました」と、ヤマハ発動機をトータルITソリューションで支えるヤマハモーターソリューション株式会社 PLMグループ チームリーダー 小池秀輔氏は富士通のサポートを評価する。

「PLEMIA」をベースにした新CAD管理システムは、同社の正式図面管理システムや部品表と連携している。正式図面は本社で一括管理、ワークのCADデータは新CAD管理システムを使って各拠点で管理している。管理対象規模としては年間約200万ファイル、そのうち約50万ファイルが更新される。

PLEMIA」と全社の統合的なID管理システムとの整合性を確保


開発のグローバル化、製品開発プロセス改革の基盤を確立

セキュリティ強化の実現に向けて、海外拠点への展開は2009年より開始。タイ、台湾、中国、インドネシア、アメリカが完了し、次に欧州が導入される予定だ。国内ユーザー数は約2000名、海外ユーザー数は約300名。1台のバイクを海外拠点と共同で開発する場合、難しいのは同時並行的に開発していくケースだという。「昨日までのデータはお互いに共有するというルールを決めておけば、「PLEMIA」のレプリカ機能を利用することで、夜間に自動的にコピーして所定の場所に置いておくことも可能です」(中嶋氏)。

従来との変化について、「これまでは違う宇宙でしたが、いまは体系的に1つの宇宙になり、IDを登録すれば同じ宇宙に属したことになります」と、大上氏はこう語る。 宇宙が1つになったことは画面上にも表れている。「従来はセキュリティに関する設定が必要でしたが、いまは画面上にある世界各国の拠点のアイコンを選択するだけで、適切なアクセス権をもっていれば各拠点のデータを見ることができます。管理面での「PLEMIA」の充実した機能はもとより使いやすさなど改善のニーズにも対応できる柔軟性も「PLEMIA」の魅力ですね」(小池氏)。今後について「CADデータにドキュメントを紐づけることで、ユーザーがモデルの画面を開かなくてもデータが連想できるといった「PLEMIA」の機能を活用して開発の効率性をより高めていきたい。また、マルチCAD、マルチステイタスもこれからです」と大上氏は話す。

平岡氏も今後の方向性について言及する。「製品開発におけるQCDに取り組むためのベースが今回できました。三次元データを活用し調達などとの間で、もっと前段階で設計情報の共有を推進することによりQCDの向上に貢献できると考えています」。開発のグローバル化時代のものづくりに応える「PLEMIA」。これからも国境を越えて感動を創造していくヤマハ発動機の取り組みをしっかりと支えていく。

開発のグローバル化、製品開発プロセス改革の基盤を確立

【USER PROFILE】

  • 社名:ヤマハ発動機株式会社
  • 創立:1955年(昭和30年)7月1日
  • 代表取締役社長:柳 弘之
  • 資本金:483億42百万円(2009年12月末現在)
  • 従業員数:
  • ヤマハ発動機(株)連結会社計49,994人(2009年12月末現在)
  • ヤマハ発動機(株)単体10,690人(2009年12月末現在)
  • 事業内容:モーターサイクル、スクーター、レジャーボート、船外機、スノーモビルなどのモーター関連、電動自転車、産業ロボットなどの産業機器、農業用無線操縦ヘリコプターなど
  • URL:http://www.yamaha-motor.co.jp/Open a new window