GTM-MML4VXJ
Skip to main content

VPS 導入事例

富士ゼロックス株式会社 様


すべての生産準備工程で1フェーズの前倒し
VPS/Manufacturingに独自の+αを加えて成果

10年以上前から設計・製造プロセスへの3次元モデリング導入に取り組んできた富士ゼロックスは、全社レベルのプロセス改革「Fuji Xerox Digital Work Way」の一環として、生産準備以降の工程でも3次元モデルをさらに活用していこうと計画。メインのITツールとしてVPS/Manufacturingを使いつつ、独自の+αを付け加えることによって、個別ニーズの100%満足を目指した。取り組み開始後ほぼ半年で、多くの適用事例を生み出した。バーチャルな組み立てトレーニングが実現したことなどで、量産工程での作業のフロントローディングを大幅に推進した。今後、取り組みの対象を調達などの下流工程にも広げていく予定だ。

導入事例キーワード
設計品: カラー複写機、カラープリントシステム、複合機、ソフトウェアなどの研究・開発・製造・販売
ソリューション:
PLMソリューション
製品:
VPS

設計部門と製造部門の意思疎通がカギに

case-15-per01 村野 浩 様
富士ゼロックス株式会社
生産本部
商品システム生産準備部
生産準備プロセス改革グループ グループ長

case-15-per02 長 泰孝 様
富士ゼロックス株式会社
生産本部
商品システム生産準備部
生産準備プロセス改革グループ

プリンタや複合機(複写機+ファクシミリ+プリンタ)で知られる富士ゼロックスの量産工程は、現在、中国がメイン。一方で、国内のかつての量産工場では開発・ものづくり拠点への転換が進行中。例えば、同社の海老名事業所には、キー部品を内作する生産技術センターと量産立ち上げを担う量産パイロットラインが置かれている。

同社でこの量産立ち上げを担当しているのは、生産本部 商品システム生産準備部である。「中国での量産を素早く立ち上げ、量産開始後の手戻りを最小化することが、われわれのミッションです」と語るのは、同部生産準備プロセス改革グループ グループ長の村野浩氏。その目標について、「我々のグループでは、生産準備を標準化することによって、1フェーズの前倒しでプロセスを効率化し、海外での量産品質を高めることを目指しています」と説明する。

そうした取り組みの具体化に大きな役割を果たしたのが、富士通の3次元仮想検証ツール「VPS/Manufacturing(Virtual Product Simulator/Manufacturing)」だ。


生産準備以降の工程を対象に3次元モデルの活用を推進

富士ゼロックスが全社レベルで3次元モデリングを導入したのは、1998年のこと。その後3次元検証ツールとして、生産準備部はVPS/Manufacturingを選択した。「ビューイングだけなら他にも製品はありましたが、工数算定や工程編成などの製造系向け機能を備えているのはVPS/Manufacturingだけでした」と村野氏は振り返る。

しかしながら、設計工程における3次元モデル化率はほぼ100%になったものの、生産準備以降の工程では3次元モデルのさらなる活用が求められていた。「生産準備部の場合、作業手順書の作成には役立てていましたが、標準作業時間の算出、組み立て性評価、工程編成といった業務での活用はあまり進んでいませんでした」と村野氏。そこで、「3Dモデル活用タスク」が2008年12月に生産準備部内に設置され、2005年度から続けられている全社レベルの開発生産準備プロセス改革「Fuji Xerox Digital Work Way(DWW)」の一環として活用への取り組みを強化することになった。

3Dモデル活用タスクは、社内各部門からメンバーを募る部門横断型の編成でスタート。リーダーは村野氏、事務局は同グループの長泰孝氏だ。


富士ゼロックス製システムとも連携  個別のニーズを100%カバー

case-15-02

業務定着にあたってメンバーが重視したのは、VPS/Manufacturingをそのまま使うのではなく、必ず+αの要素を付け加えること。その理由を長氏は「個別業務プロセスのニーズを100%カバーし、弊社の競争力の源泉となることを狙いました」と説明する。生産準備部には以前からプロセスITチームの中にシステム開発機能を持っており、独自のITツールを自作できる体制は整っていた。

例えば、工具による点検が可能かどうかの仮想検証用には、ネジ形状を「ネジ+工具」形状に一括置換する「工具検証支援ツール」を開発(上図(1)、上図(3))。また、組み立て性評価と組み立て工数見積の作業を効率化する目的で、VPS/Manufacturingの組み立て工数データベースに同社独自の評価テーブルを組み込むカスタマイジング(上図(4))を富士通関連会社のデジタルプロセスと共同で実施した。

また、データ管理の観点からは、最新バージョンのVPS/Manufacturing V11L17で新設された外部連携機能を利用して、Web統合情報管理システム「ArcSuite Engineering」(富士ゼロックス製)との連携を実現(上図(7))。これによって、3次元モデルのデータと関連図書のリンク管理を実現した。

その他の+αとしては、VPS/Manufacturingで作成された動画データをAVI形式に変換して作業指示書用に取り込む「3D動画支援ツール」(上図(2))、現品票に部品形状のJPEGデータを張り込む「3D現品票作成支援ツール」(上図(6))、3次元デザインレビュー(DR)時などに過去のトラブル情報をリアルタイム検索・参照するための「過去トラブル連携機能」(上図(5))、金型管理表/部品表(BOM)に部品形状JPEGデータを張り込む「3D金型部品管理表出力システム」(上図(8))などがある。


トレーニングの前倒しによって量産チームへの指導を省力化

case-15-01

「DWWでは、2005年から2009年にかけて、手戻りの件数を約50%、工数を約70%削減するという成果を上げています。我々の活動によって組み立て手順トレーニングの前倒しが可能になり、『すべての工程でフロントローディング』というDWWの目標達成に一定の貢献ができました」。3Dモデル活用タスクのこれまでの成果を、村野氏はこのように総括する。

また、長氏は、「中国の量産工場のチームに3次元動画付きの作業指示書を事前に渡すようにした結果、日本の試作メンバーがつきっきりで組み立て手順の指導をしなくて済むようになりました」と試作工程での省力効果を評価する。

一定の成果を確認した3Dモデル活用タスクは、今後、生産準備以降の工程にもVPS/Manufacturingを役立てることを計画中だ。「経営層からは、サプライヤや調達領域にも活動を広げるようにとの指示を受けました。フローと工数を算出できるVPS/Manufacturingの長所を生かして、工程編成やラインレイアウト作成のシミュレーションにも活用していく予定です」と村野氏。製造、物流、品質管理といった下流工程のメンバーに対する啓蒙活動も欠かせないと、長氏は考えている。

【会社概要】

富士ゼロックス株式会社

  • 本社:東京都港区赤坂9丁目7番3号 (東京ミッドタウン)
  • 設立:1962年2月20日
  • 代表取締役:山本忠人
  • 資本金:200億円(富士フイルムホールディングス株式会社 75%、Xerox Limited 25%)
  • 従業員:40,646名(2009年3月期連結)/10,500名(2009年3月期単独)
  • 事業内容:
    事業ビジョンである"Open Office Frontier"に基づき、カラー複写機、カラープリントシステム、複合機、ソフトウェアなどの研究・開発・製造・販売に携わる。教育プログラムやドキュメント処理サービスも提供中。