[2005年 掲載]
今回の適用製品は、DLP(TI社の商標)技術を利用した業務用リアプロジェクター装置(左図)です。
今回SignalAdviserを使用して解析した基板は、プロジェクターに入力される各種の映像入力信号(RGB,YPbPr,PC,Video)をデジタル変換する基板で、各種映像処理LSIの基準となるCLK信号の設計においてSignalAdviserで解析を実施しました。(左図)
一本のCLK信号(85MHz)で、3個のICを制御する必要があり、また、各CLK信号の反射・遅延を少なくしたい為、解析を利用して波形を確認、対策検討・実施しました。
検討初期の回路トポロジ(ダンピング抵抗は分岐前に一箇所)
各波形に反射があり、段付き,遅延差が生じています。
解析結果により配線方式を変更し、ダンピング抵抗を分岐後に配置した回路トポロジ
段付きが解消され、遅延差も縮小されました。
下図は対策後のトポロジをベースに基板設計を実施した例です。
新たに解析を設計フローの上流に組み込むことで、従来基板設計後に発覚していたトラブルを未然に防ぐための対策を盛り込むことができました。今後は、他の製品設計にも解析を適用した新たな設計手法での品質向上と期間短縮を図っていく予定です。