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Japan

導入事例 医療法人社団ときわ会 富岡クリニック様

富岡クリニック外観写真

クラウド併用型電子カルテによるBCPや多職種連携で安心の医療を提供


スタッフが一丸となってシステム導入に取り組み日々最適化を図りながら業務の効率化をめざす

双葉郡富岡町の富岡クリニックは、2011年の東日本大震災とその後の原発事故の影響で一時閉鎖を余儀なくされましたが、双葉郡からの避難者や地域住民の要望に応えて、いわき市で2017年4月から診療を再開しました。これを機に、クラウド併用型の診療所向け電子カルテシステムHOPE LifeMark-SXを導入。震災の経験から、BCPサービスに大きな期待を寄せるとともに、電子化による情報や画像の共有により多職種連携を実現し、医療の質の向上につなげています。

  施設の背景とシステム導入の目的 | システム導入の経緯 | 導入後の評価と今後の展望

 施設の背景とシステム導入の目的

BCP、多職種連携、データの二次利用のためにシステムを導入

地域の声に応え透析中心のクリニックを再開

Q:施設の特徴をお聞かせください。

富岡クリニック集合写真

前列左から吉田直人院長、有坂功秀医師、後列左から野村なみ乃氏、永沼悦子看護副師長、佐藤嘉剛主任臨床工学技士

吉田氏:当院は、ときわ会グループの一員として福島県双葉郡富岡町に開業し、泌尿器科と人工透析を中心とした診療を行っていました。2011年3月11日の東日本大震災で起こった福島第一原子力発電所の事故により、半径10km圏内の富岡町には全町避難指示が出され、休診状態が続いていました。避難指示は2017年4月に町の大部分で解除されましたが、しばらくは同町での診療の再開は困難だと考えていました。
  いわき市には、双葉郡から避難してきた住民も多く生活しており、われわれにとって親しみのある地域です。そこで、いわき市小名浜地区に建物を新設し、この地で診療を再開することにしました。診療科は泌尿器科と人工透析内科です。地域にはもともと泌尿器科が少なく、遠くまで通院する方もいらっしゃいますので、一定の役割は果たせるものと思います。
  また当院は無床のクリニックですが、医師、看護師、医療事務のほか、栄養士、臨床工学技士、診療放射線技師、臨床検査技師など、多様なコ・メディカルの職員がそろっているのも大きな特徴だと思います。

診療継続のためのクラウドBCPサービスが絶対条件

Q:LifeMark-SX導入の目的を教えてください。

吉田氏:震災の経験から、診療を継続させるにあたっては、BCP対策が必須だと考えました。富岡町では紙カルテで診療をしていたのですが、突然の避難指示でカルテを持ち出すことができませんでした。透析患者さんが避難した先の医療機関からの問い合わせに答えることができず、とても困りました。
  また、電子カルテなら必要なデータを集めて取り出すことが可能なので、臨床や論文執筆などに役立てたいという思いもありました。
  そこで、BCP データをクラウドセンターに格納している点で、データの二次利用が将来的に可能なLifeMark-SXを選択しました。

 システム導入の経緯

部門WGを設置し約半年の準備で稼働

システムに合わせた運用で業務を標準化

Q:導入準備には、どのような体制で臨まれましたか。

永沼氏:各部署から代表者を選出し、ワーキンググループ(WG)を立ち上げて、運用を詰めていきました。運用はシステムに合わせて決めていった部分もかなりありました。

Q:導入作業にあたり、どのような点で苦労されましたか。

佐藤氏:紙カルテから電子カルテへの移行と、透析の部門システムの変更とが重なったので、最初はどのデータまで紐づけができるかなどわからないことが多く、苦労しました。

永沼氏:医師以外の職員のほとんどは電子カルテの使用経験がありませんでしたが、いろいろと教えてもらいながら作業を進め、稼働にこぎつけました。どうすれば現場でうまく情報共有できるのかなど、いまも運用を少しずつ調整して、最適化を図っているところです。

 導入後の評価と今後の展望

多職種連携により医療の質と安全が向上

患者さんの待ち時間も大幅に短縮

Q:LifeMark-SXの導入によるメリットを教えてください。

吉田氏:当院にはさまざまな職種の職員がいますが、電子カルテは多職種間の連携にとても役立っています。例えば人工透析の患者さんの体重管理などでも、栄養士による栄養指導の内容を、医師や看護師などほかの職種が、必要に応じていつでも開いて見ることができます。多職種間の情報共有が進展したことで、医療の質の向上にもつながっています。
  また請求の入力は、以前は医事課の職員が行っていましたが、電子カルテ化することで、医師のカルテ記載が請求に連動し、医事課でチェックするダブルチェックの体制になりました。これにより、請求漏れはほぼなくなっています。

グループ病院とはPACSを介して連携し、透析のために来院する入院患者さんの情報も共有できます。

グループ病院とはPACSを介して連携し、透析のために来院する入院患者さんの情報も共有できます。

永沼氏:患者さんが複数の科を受診している場合に、1つのカルテに情報が一元化され、患者さんの状態を把握しやすくなったのも、看護師には大きなメリットです。また、PACSを介してグループの医療機関と連携しており、電子カルテで画像や検査結果も参照できます。
  さらに、手書きの指示を転記する運用がなくなったことで、インシデントの低減にもつながっていると思います。

佐藤氏:カルテ情報を見たいとき、紙の場合はその都度探しに行かなければなりませんでしたが、電子カルテではその手間が不要になりました。

野村氏:医事課では、紙媒体での保存がなくなったのが大きなメリットです。紙カルテの運用では保険証コピーや紹介状なども増え続け、見つけるだけでも大変ですが、スキャンして電子カルテ内に取り込めば、すぐに参照することができます。
  また、カルテの準備などが不要になり、請求業務も効率化されたことで、患者さんの受付待ちや会計待ちの時間も、大幅に短縮されています。

Q:実際に使ってみて、気に入っている機能などはありますか。

吉田氏:オーダの予定入力機能は、請求まで自動展開できる機能が大変便利です。また入力支援の処置処方パレットは、選ぶだけなので間違いがなく、とても使いやすいですね。

永沼氏:看護部では、フットケアの記録などにテンプレートを使っています。今後はシェーマの機能などもうまく使って、記録していきたいと思います。

継続的なバージョンアップにも期待

Q:改善すべき課題はありますか。

有坂氏:現時点では、電子カルテと透析の部門システムの連携が調整中のため、それぞれのシステムに入力する必要があります。患者さんと接する時間を十分に取るためにも、この点については早急に改善してもらわなければなりません。透析システムは参照さえできればよいので、LifeMark-SXの方を前面に出すシステム構成に変えていく必要があると考えています。
  以前、別の施設で電子カルテを数年使用したあと、紙カルテ運用の施設に移った際に、非常に大変で、電子カルテの重要性を痛感しました。システムとは医師を助けるものなので、よりよいものに改善してほしいと思います。

佐藤氏:マスタ登録に関して、電子カルテは医事課、透析の部門システムは私が分担しているのですが、この作業を一元化したいと思っています。それによりミスも軽減され、業務効率化にもつながるはずです。

吉田氏:臨床の現場で使っていると、気になるところは出てきます。しかし、これまで電子カルテを使ってきた経験から、現場で出てきた課題を改善し、組み立てていくことで使い勝手は良くなっていきます。他院で使った富士通の病院向け電子カルテも使いやすかった印象があります。現場の声を製品に反映していくのが富士通の強みと思いますので、今後のバージョンアップに期待しています。

Q:今後の展望をお聞かせください。

吉田氏:まずは、いまある課題を解決した上で、電子化の目的の一つであったデータの二次利用についても考えていきたいと思います。
  総合的に見れば、やはり電子カルテには大きなメリットがあります。これをうまく活用し、質の高い安心できる医療を地域に提供していきたいと思います。



富岡クリニック様のHOPE LifeMark-SXの導入については、株式会社エフコム様 新規ウィンドウが開きます にご協力いただきました。

施設概要

医療法人社団ときわ会 富岡クリニック様

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