ATM備え付けの受話器を利用して、一切画面を利用することなく、音声案内と受話器ボタン操作だけで、取引を行うことが可能な装置を開発し、1990年から当社ATMに採用しています。音声案内とボタン操作により、点字に不慣れなお客様もご利用いただけます。今回は、受話器の操作性を向上させるとともに、音声案内でできるお取引内容の拡充も図りました。
受話器の操作性向上を実現するために、視覚障害者の皆さんにご協力いただき、実験を行いました。
モデル | 形状写真 | 操作状況写真 | 評価 |
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従来機 | ![]() |
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触っただけで受話器とわかりやすく、さらに聞きながらボタンを押す状況が見えにくく、防犯面でも優れていました。その反面、ボタン操作をするとき、手が頬に触れて操作しづらいとのご意見をいただきました。 |
モデル1 | ![]() |
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ボタンを受話器の下に設置し、操作時に頬に手が触れないようにしました。形がシンプルなため、操作方法がわかりやすく、また、片手での操作も可能とのご意見をいただきました。 |
モデル2 | ![]() |
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モデル1にくらべ持つ場所とボタンを分離したものです。操作はしやすいと好評でしたが、手すりのようなイメージで触っただけでは、持ちかたがわかりにくいとのご意見をいただきました。 |
モデル3 | ![]() |
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モデル1,2は、基本的に両手で操作することを前提にして設計しました。この受話器は、片手での操作を前提に考えたものです。操作はできそうですが、他にない形状のため、触っただけでは操作方法や機能がわかりにくいとのご意見をいただきました。 |
この実験からいただいたご意見をもとにモデル1を基本に受話器の設計を行いました。
音声ガイダンスの一部を試聴できます。(35秒)