三重県総合博物館様 導入事例
県民はもちろん、より多くの人たちに利用され、役に立つ博物館であることを目指して2014年4月にオープンした三重県総合博物館。 生物や化石・鉱物などの自然系資料、古文書や歴史的公文書、美術工芸品、生活用具などの人文系資料からなる51万点以上の収蔵品を誇ります。 公文書館機能を一体化させた総合博物館として、これらをより多くの人に利用してもらうためには、収蔵品の情報を一元管理し検索しやすくするシステム構築が不可欠。 その課題を、『FUJITSU文教ソリューション Musetheque V4』で解決していきます。
[ 2014年12月17日掲載 ]
業種 | 公共博物館 |
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ソリューション | FUJITSU 文教ソリューション Musetheque V4 |
1 | 多彩な分野の収蔵品を管理するために必要なデータがバラバラで、収蔵品リストが一元管理できない | → | 項目ひとつひとつに規則という概念を導入することで、精度の高い情報登録・管理が可能に |
2 | 51万点以上におよぶ収蔵品の情報を一般の人に伝えることができない | → | 来館者用端末やインターネットへ公開する収蔵品情報を検索するための機能と標準的な画面デザインの提供により、信頼性の高い情報公開環境を構築可能 |
3 | 大規模な情報でもスムーズに検索できることで利用者の使い勝手を向上させる必要がある | → | XML型データベース検索エンジン搭載により、多彩な検索や圧倒的なレスポンスによる利用者サービスの満足度向上に貢献 |
【期待したポイント】
『Musetheque V4』が数多くの博物館や公文書館に導入されている実績から、博物館と公文書館を一体化させてのデータベースを構築するノウハウに期待
導入の背景と経緯
広範な収蔵品の一元管理と検索システム構築の必要性
旧三重県立博物館をリニューアルして、2014年4月に生まれ変わった三重県総合博物館(愛称“MieMu”:みえむ)。
布谷 知夫 氏
三重県総合博物館 館長
「博物館の存在意義は、資料を収蔵するだけでなく、それらが広く活用されるところにあります。 より多くの人たちに利用され、役に立つ博物館であるため、当博物館は『三重の自然と歴史・文化に関する資産を保全・継承し、 次代へ活かす』『学びと交流を通じて人づくりに貢献する』『地域への愛着と誇りを育み、地域づくりに貢献する』という3つの使命を掲げてスタートしました」と館長の布谷知夫氏は語ります。
同博物館には、ほ乳類や昆虫などの生物、化石や鉱物などの自然系資料、古文書や歴史的公文書、美術工芸品、生活用具などの人文系資料からなる三重県の自然・歴史・文化に関する51万点以上の収蔵品を保管、 そのうち1100点ほどを展示しています。
先述の“3つの使命”を担う博物館としてリニューアルするにあたり、まず大きな課題となったのは、広範におよぶ収蔵品を一元管理できるデータベースおよび、 その活用のための検索システムの構築でした。展示室に展示している約1100点の資料以外の約51万点の収蔵品についても、“見たいものがすぐ見られる”という環境づくりが使い勝手の向上には不可欠だからです。
天野 秀昭 氏
三重県総合博物館
広報・利用者サービス課 課長
「以前の三重県立博物館時代は、各分野ごとに資料カードやエクセルなどでリストを作成して管理していました。 しかし、たとえば自然系資料と人文系資料では管理するデータの項目や内容はかなり異なります。 したがって、リストは分野ごとにバラバラになっていました。しかし、館内で資料の情報を共有することが難しく、まずこれを一つのデータベースに統合する必要があるという結論になりました」 と同博物館 広報・利用者サービス課 天野秀昭氏は説明します。 さらに、資料や情報は日々増え続けており、巨大なデータベースでもスムーズに扱い続けられる拡張性のあるシステムにする必要がありました。
導入のポイント
数多くの博物館への導入実績に安心感
『FUJITSU文教ソリューション Musetheque V4』はこのような課題に応えることができるシステムであり、導入にあたって期待したこととして、天野氏は次のように話します。
「まず、あちこちの博物館で使われているという実績が大きかったです。また、当博物館には公文書館を一体化させることになっていたのですが、富士通さんの製品は同様に公文書館でも数多くの実績がありました。 ですから、博物館と公文書館を一体化させてのデータベースを構築するノウハウに期待したのです」
51万点以上という膨大かつ多様な資料のデータ量を扱うことが、今回のシステム導入において大きなポイントとなりました。
「『Musetheque』シリーズは、大きなデータを扱うシステムにおいても検索スピードが速く、検索結果も正確で非常に使いやすいシステムにすることができる上、セキュリティ面も万全です。 さらには、ノウハウや実績はもちろん、ハードやソフト、ネットワーク、セキュリティ管理などワンストップで対応してくれる点が強みと感じましたし、 アフターサポートの評判も安心材料となりましたね」と天野氏は付け加えます。
また、これまでの導入事例から、業務内容に応じて細部に至るまでカスタマイズできる点も評価されました。
導入プロセスについて、布谷氏は次のように話します。
「我々は富士通さんに大小さまざまな要望を伝えましたが、富士通さんがいろいろ考えて最善の提案してくれました。当博物館に通い詰めつつ開発作業をしてもらい、オープンに間に合わせてもらえました」
導入効果と今後の展開
“参加型”の博物館としての情報基盤となる
『Musetheque V4』の導入とともに、同博物館は館内の学習交流スペース等に収蔵品の検索用の端末を設置。利用者がその場で検索・プリントアウトし、原本の閲覧申請がスムーズにできるようにしました。
「まだ開館して日も浅く本格的なシステム化はこれから」と前置きした上で、天野氏は導入効果について次のように力説します。
「全職員が全分野の収蔵品の情報を共有できるようになり、業務の大幅な効率化に結びついたこと、そして利用者の方にとっては、ご家庭のパソコンなどでいつでもどこからでも検索できるようになったことが非常に大きいと思っています。 これによって、当博物館への関心や理解が深まり、より幅広い博物館活用につながることが期待できます」
今回導入したシステムは、同博物館内だけに止まることなく、県立美術館や県埋蔵文化財センター、県庁の諸機関などとも連携し、 1つのシステムで一元管理されることになります。さらに県立図書館のデータともリンクすることで、これら県立諸施設の広範な情報を横断的に検索できるようになりました。各館同士が連携し、より立体的な企画展示や学術研究への活用などが期待できます。
また、システム導入で資料の活用状況が抽出しやすくなることで、利用者ニーズの傾向を分析し、より幅広い活用のための施策の検討も可能になります。
とはいえ、三重県民全体で見れば、まだまだ利用度が上っているとはいえません。“より多くの人たちに利用され、役に立つ”ために同博物館では、もう一歩踏み込んで、 「博物館に来てもらうだけでなく、こちらのほうから地域に出ていく“参加型”の博物館になる」(布谷氏)という方針を掲げています。
「県民・利用者のみなさんとの“協創”と多様な主体との“連携”を活動理念に掲げる博物館にとって、三重の魅力を探求し、 新たな文化を創造していくための中核的な拠点としての存在価値を発揮させていく準備が整いました。 『Musetheque V4』によるシステムはそのための情報基盤になるということです」と天野氏。
膨大かつ多種多様な収蔵品情報を持つ博物館が、市民団体や個人と様々な活動を通じてネットワークを広げていく。 そうなることで、三重県がさらに豊かな地域に発展していく。「“MieMu”がそのコアとなる」という大いなる課題に、 三重県総合博物館はチャレンジを始めています。
所在地 | 三重県津市一身田上津部田3060 |
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館長 | 布谷 知夫 |
敷地面積 | 38,892平方メートル |
収蔵品数 | 約51万点(2014年11月現在) |
ホームページ | 三重県総合博物館(MieMu:みえむ) ホームページ |
【ご紹介した製品】
【導入事例(PDF版)】
- 三重県総合博物館様 (498KB / A4・2ページ)
本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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