GTM-MML4VXJ
Skip to main content

フィールド・イノベーション活動で事実の可視化と課題・施策を抽出 図書館スタッフの意識変革を促し、改善継続で確実な利用増を実現

徳島県立図書館様 図書館全景の写真

徳島県立図書館様 導入事例


徳島県文化の森総合公園にある徳島県立図書館様は、入館者数・貸出利用者数が年々減少しており職員の業務に対する不安や公園への集客機能の低下が課題となっていました。職員一人ひとりの改善に対する思いをいかに図書館全体の活動としてかたちにしていくか、改善に向けた一歩を踏み出すために同館が選択したのが富士通のフィールド・イノベーションの導入でした。フィールド・イノベータのサポートのもと、事実の可視化から課題を抽出し、ワークショップで11の施策を立案して実行しました。改善に向けたフィールド・イノベーションの取り組みを実行することで利用の減少が下げ止まり、利用増に転じています。同館では今回のワークショップで生まれた、すべての年齢層の利用者に対するサービス強化を実施するという新たなコンセプトのもと、回復を確かなものにするべく改善活動を続けています。

[ 2015年10月20日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 公共図書館
ソリューション: 公共図書館ソリューション

icon-form 本事例に関するお問い合わせ

背景

利用の大幅な減少により職員に芽生えた業務への不安

緑の丘陵地に佇む徳島県立図書館様は、徳島県の置県100年のモニュメントである徳島県文化の森総合公園の知的シンボルです。文化と自然が調和した広大な公園には図書館以外にも博物館、近代美術館、文書館、21世紀館、鳥居龍蔵記念博物館があり、施設の周りを知識の森、創造の森、県民の森と名付けられた豊かな自然が包み込んでいます。
1917年に設置された徳島県立図書館様は100年近い歴史を有しており、県民の豊かな暮らしに欠かせない図書館です。蔵書数は160万冊を超えており、入館者数は年間43万人、個人貸出冊数は60万冊近くに及びます。

徳島県立図書館 調査相談課 課長 水上 英俊 氏の写真水上 英俊 氏
徳島県立図書館
調査相談課 課長

社会の高度情報化、利用者ニーズの多様化、人口の減少など図書館を取り巻く環境が大きく変化する中、県民に愛されてきた徳島県立図書館様も利用者数および貸出冊数の減少という課題に直面しています。
「徳島駅前にある徳島市立図書館のリニューアルにより、それまで数%だった県立図書館の利用減少率が2012年度は10数%台になりました。利用者への貸出等のサービスは市町村の図書館が主に行い、県立図書館は県全体の図書館サービスの向上を図るべく市町村間へのサポートの強化を図ってきました。とはいえ、大幅な利用の減少は職員に業務に対する不安を芽生えさせます。また文化の森総合公園の集客の観点からも来館者数は重要な要素となるため、利用の減少に歯止めをかけ利用増に転じることが必要でした」とお話しになるのは、徳島県立図書館調査相談課課長の水上英俊氏です。
「業務を改善したい」という職員一人ひとりの思いを図書館全体の改善活動としてどのようにかたちにしていくか。暗中模索の日々が続く中で、富士通からフィールド・イノベーションの提案がありました。「大学の図書館でフィールド・イノベーションを導入した事例を紹介していただき、『これなら当館でもできる』という認識を持ちました」と水上氏は振り返ります。

プロセス

事実の可視化から課題を抽出しワークショップで施策を立案

フィールド・イノベーションとは、人、プロセス、ICTを総合的に捉え、事実の可視化と現場の人たちの知恵による改善を継続していくために富士通のフィールド・イノベータ(以下、FIer:エフアイヤー)がお客様と一緒に取り組む活動です。活動の最初にFIerが実施したのが職員へのインタビューでした。

「最初、職員はフィールド・イノベーション活動がどのようなものか、よくわからない状況だったため、とまどいもあったようです。しかし、FIerの丹念なインタビューによりやがて自身の問題意識や『こう変えたい』といった思いを積極的に伝えていました」(水上氏)。

職員のインタビューから現状を把握したFIerは、次に貸出データの解析に加え、館内利用者アンケートや学校などの外部アンケートを実施し、その結果を職員に事実として提示(可視化)しました。水上氏は、「これまで職員が漫然と感じていた問題点や利用者と職員との意識の違いを事実として認識することができました。また身近にいる他の職員の考えを知ることにより問題意識の共有が図れました」と続けます。

同図書館ではフィールド・イノベーション活動メンバーを選出し、FIerのサポートのもと事実の可視化に基づき課題の抽出作業を行いました。課題の選定では図書館の3大要素である資料、空間、人に宣伝を加えたキーワードにより、1.利用者が求める資料の提供、2.利用環境の整備、3.サービスの改善と開発、4.サービスの認知度向上の4つの課題を導き出しました。

4つの課題に対し、活動メンバーだけでなく他の職員も参加して施策のアイデア出しのワークショップを開催しました。「100件を超える多くのアイデアを出し合い、壁にアイデアを貼り出して意見交換を行いながら施策を分類・集約し、優先課題として11件の施策に絞り込みました。これらの活動を通じてまとめたのが『活動の全体像』です」(水上氏)。

活動の全体像と施策の実行

利用増を実現するために4つの課題に対し11の施策を実行

フィールド・イノベーション活動の全体像で上位目標として掲げたのが「県民の生涯学習への貢献」です。目標を実現するために3つの戦略的課題を挙げましたが、今回は「県立図書館の来館での活用」に絞って行うことになりました。目標として「徳島県立図書館の利用増」を掲げ、入館者数・貸出利用者数1%増加などの目標値を設定しました。そして、目標達成のために4つの課題に対する重要成功要因をまとめ、ワークショップで決定した11の施策に落とし込んでいきました。

施策ごとにリーダーを立候補で決め、リーダーはメンバーを全職員の中から選出し、すぐにできる施策からスタートしました。例えば、B5サイズ以上のカバンは館内に持ち込めないという案内は、FIerからの提案で立体模型を作り、わかりやすくするなどの工夫を重ねました。すぐに実行できる施策での成功体験をバネに、本格的に11件の施策に取り組んでいったのです。作家別のリスト作成・展示の施策では歴代の芥川賞受賞作品を紹介した「芥川賞を読みつくそう」という読書記録付きのリーフレットを作成し展示も合わせて実施しました。このようなリーフレットと組み合わせた展示では、800冊の貸出がありました。「予算に制限がある中で利用増を図っていくためには、160万冊の蔵書をどう有効活用していくかが重要であるということを改めて実感しました」(水上氏)。

本の表紙が持つ魅力を活かし、表紙を見せることで貸出につなげる面展を増やす施策では、童話の面展が定着し童話の貸出が昨年度から1.3%増加しました。また県内企業から新たに寄贈された資料と既存資料とを合わせて展示した「徳島の会社展」では期待以上の利用がありました。 また、新たなサービスとして利用の多いシニア世代に向けてセカンドライフ応援コーナーを設置しています。「利用の多いテーマを探るための分析や、他館の先行事例を参考にすることで、1日当たりの貸出数の継続的な増加につなげることができました」(水上氏)。さらに来館者アンケートの回答で48%が希望する飲み物利用スペースの提供は試行というかたちで実施し、大学との連携強化や見学ツアーの実施、学校図書館との相互展示も行いました。

徳島県立図書館様 フィールド・イノベーション活動の全体像です。

活動の成果と今後の展望

利用増を確実なものにするべく改善を継続

フィールド・イノベーション活動は2015年4月に終了しました。施策の実施は2014年の後半からでしたが、効果は着実に現れています。 「2013年度と2014年度の比較では個人貸出冊数は-6.0%、個人利用者数は-6.5%、入館者数は-0.8%、リクエスト冊数は-3.2%と減少していました。それが2015年度の4月から8月における前年比では個人貸出冊数は+1.7%、個人利用者数+3.2%、入館者数+4.3%、リクエスト冊数+4.6%と、いずれの数値も利用増に転じました」(水上氏)。

フィールド・イノベーション活動により職員の意識も変化してきました。「職員は自分の問題意識が施策に結びついていくプロセスを経験したり、事実の可視化を体験しその重要性に気づいたり得たものは多かったと思います」と水上氏は話し、さらにこう続けます。 「当館として現場を基点とした改善に向けてスタートを切ることができました。おそらく当館だけでは一歩を踏み出すのは難しかったと思います。継続的な利用増への兆しが見えてきていることも含めてフィールド・イノベーションを導入して良かったと考えています」。 今後の改善活動のベースとなる新しいコンセプトがワークショップの活発な議論の中から生まれたことも大きな成果です。「既存のサービスと新しい施策をつないで、幼年期から児童期、青年期、壮年期、老年期まで全世代をカバーするというコンセプトです。赤ちゃんのときから継続して当館をご利用いただけるように利用者の生涯学習をサポートしていきます」(水上氏)。

セカンドライフ応援コーナーの展示風景の写真【セカンドライフ応援コーナー】

同館では、現在も利用増に向けた改善活動を続けています。「効果的な施策の継続だけでなく、より効果を高めるためにセカンドライフ応援コーナーの見直しなども行っています。職員自身で貸出傾向分析や展示の効果分析など施策に役立つデータの収集、分析が行えるようにICTの活用も検討中です。」(水上氏)。 富士通はこれからも総合力と先進技術、フィールド・イノベーション活動を駆使し、人々の知的で豊かな暮らしを支える図書館の取り組みをサポートしていきます。

FIerメッセージ

現状に対する問題認識、課題解決へ向けた思いをお客様と共有できたことが、改善活動の第一歩でした。組織として取り組み体制を整え、県立図書館様の強みを活かし課題に取り組まれたことが活動成果に結びついた要因だと考えています。今後も、お客様の改善活動の継続・拡大に向けてご支援してまいります。

【徳島県立図書館様 概要】
所在地 〒770-8070 徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内
創立 1916年
蔵書数 1,624,924冊(雑誌、視聴覚資料等含む、2015年3月31日現在)
入館者数 431,537人(開館日数286日、1日平均1,509人)
利用登録者数 147,614人
ホームページ 徳島県立図書館 ホームページ新規ウィンドウが開きます

【導入事例(PDF版)】

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

本事例に関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ

入力フォーム

当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-933-200 富士通コンタクトライン(総合窓口)

受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)