今すぐ役立つAI活用ノウハウ

第8回もう悩まない、製造現場でありがちな課題を一気に解決
~ノウハウ継承・予測・情報収集の活用例~

今回は、製造現場で多い悩みに着目。熟練者のノウハウ継承、余剰在庫の管理や度重なる訪問修理など、効率化したいと思いながらも、どうしてよいのか分からずあきらめていませんか?今回、現場から数多く寄せられた課題を解決するAIの活用例をご紹介します。

Q. AI活用でノウハウを継承できるの?

工場や現場で培った熟練者による設備機器の運転ノウハウは重要ですが、簡単には習得できません。経験に基づくノウハウを継承させるためにAIは活用できますか?

質問者

センサーを活用して熟練者の行動、判断を捉えようとする取り組みが出てきています。
例えば、熟練者がいつ・どこを見て、どんな操作をしているかなど、AIが熟練者の目の動きや細かな指の動きを追って、「どこを見て何をその操作をしたのか」を可視化することです。これには、「視線検知」と「AIで視線パターンを学習する」技術が活用されています。この技術によって、熟練者の思考に基づいた動きをガイドしたり、確認すべきポイントをレコメンドしたりすることができ、熟練者のノウハウを習得していくことができます。

回答者

なるほど、視線や動きを可視化するのですね。他にも、現場で個人差が出る作業としては、広い倉庫内で部品を集めるピッキング作業があるのですが。

必要な部品(部品棚)の配置情報とベテラン社員の動きをAIが分析して、ピッキング経路を最適化します。これにより、最適な経路でのピッキング作業が可能となり、効率化を図るとともに人によるバラツキを防げます。さらには、ロボットとAIを活用することで、ピッキング作業などの自動化(無人化)も可能となるので、作業員は他の業務に注力できるようになりますね。

Q. AI活用でどのような予測ができるの?

在庫をできるだけ抑えたいのですが、適正在庫を実現するためにAIで需要予測の精度を上げることはできるのでしょうか?

予測の精度を上げることは可能です。「需要予測」は、様々なモデル(解析手法)があり、製品の特性に応じて、適したモデルを選択して予測をしますが、1つのモデルでの予測値は、外部要因や商品の売れ行きの影響により精度が下がる場合があります。
そのため、AIを活用して、複数のモデルの長所を自動で抽出するという取り組みが行われています。たとえば、1つの製品に対し、複数のモデルの予測値から、各モデルの重み付けを自動的にチューニングします。これにより、各モデルの長所をクローズアップし、高精度な需要予測を実現します。また、AIが都度、自動的にモデルの再計算を行うため、高精度な需要予測を安定的に運用することができます。

お客様先に訪問して設備機器の修理をする「出張修理」でも課題が多いです。サービスエンジニアがお客様先に何度も訪問することなく、必要な部品だけを持ち出し、1回の訪問で対応を完了させるようなAI活用はありますか?

設備機器自体が高度になってきていて、修理やメンテナンス作業の難易度が高くなっていると聞いています。そうなってくると、過去の修理履歴(対処方法)から、適切な情報を効率よく取り出すことが重要になってきます。
ここに、AIが活用できます。過去の修理履歴(受付時の問診票・修理報告書・交換部品 など)をAIに学習させることで、新規に受け付けた問診票から、対処方法や交換すべき部品の候補をAIが自動で選択します。これにより、適切な対処と部品交換が可能となり、初回訪問解決率が向上します。
持ち出し部品の削減は部品在庫のコスト削減につながり、訪問回数の削減は人件費の削減につながるとともに、顧客満足度にもつながりますよね。

Q. AI活用で適切な情報を漏れなく収集できるの?

新商品の開発では、特許情報をはじめ、様々な情報の収集に時間がかかります。
必要な情報を漏れなく収集したいのですが。

AIの「関連文書検索」を活用することで、情報収集にかかる時間の短縮、漏れの防止が可能となります。例えば、耐久性に関する過去文書を検索する際、これまで「耐久性」を含むキーワードしか抽出できませんでした。しかし、AIが文書から単語の意味を認識し、膨大な情報の中から関連性の高い文書を探し出し、視覚的にマッピングします。
関連性の高い文書というのは、例えば「耐久性」というキーワードから、「強度」「ロングライフ」「高耐久」などを含む情報です。これらも自動で抽出します。
また、製造現場の例では、過去の膨大なトラブルレポートから適切な対処方法を迅速に見つけ出すことで、対応時間の短縮や正確性の向上が実現するなど、関連文書検索の活用が進んでいます。

それは助かりますね。 ちなみに、この技術は人選にも使えるのでしょうか?
プロジェクトを立ち上げる際、チーム編成に苦労します。必要な人材やスキルを的確に選ぶための情報収集にも活用できますか?

AIの「関連文書検索」では、収集された文書や論文に関連する、人を紐づけて表示することが可能です。
いわゆる「Know Who」です。
これにより、必要なスキルを持った人材を素早く探すことができ、新しいプロジェクトの早期立ち上げが可能となります。 さらに、外部の特許出願情報やオープンデータもAIの「関連文書検索」に学習させれば、自社の強みや弱みなど研究開発領域を可視化でき、R&D戦略の立案の手助けとなります。

まとめ

  • 1
    AI活用による「ノウハウ継承」とは?
    ・熟練者の視線や動きを学習・レコメンドすることで、ノウハウ共有が可能。
    ・最適な経路にすることで、誰でも最短ルートを辿れるようになり、移動コスト削減。
  • 2
    AI活用による「予測」とは?
    ・製品ごとの予測が安定かつ高精度にできるので、適正在庫を実現。
    ・トラブルに対する対処方法(修理部品)を予測することで、修理部品の在庫コストやサービスエンジニアの工数削減。
  • 3
    AI活用による「情報収集」とは?
    ・関連性の高い情報も抽出し、視覚的にマッピング表示することで、キーワード検索では漏れてしまう文書も漏れなく収集。
    ・収集された情報に人を紐づけて表示することで、必要なスキルを持った人選が可能。「Know Who」。

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