今すぐ役立つAI活用ノウハウ

第7回ここまで実現しています、製造現場で進む AI活用最前線
~ものづくりの現場における 業務の効率化~

ディープラーニング(深層学習)により進化したAI(人工知能)が広く認知され、AI活用がいよいよ本番、実践フェーズを迎えています。現在AIはどのように活用されているのか、製造業での活用事例をものづくりの各工程に沿って紹介します。

Q. 設計工程で具体的にAIができることは?

新しい部品を3次元設計する際、様々な情報を収集しなくてはいけないのですが、時間と手間がかかります。効率的に漏れなく集めることはできますか。

質問者

AIを活用することで、仕掛り中の3次元形状から、過去の類似形状を自動抽出することが可能となり、形状に紐づいた過去のトラブルやリスクなど関連情報も抽出してくれます。この形状はツメが折れやすいとか、この素材は一定の温度を超えると破損するとか、AIが参考情報として事前に表示してくれます。このようなことを実現するAI「3次元形状の検索技術」を活用することで、キーワード検索ではなく、3次元形状をもとに類似した形状の関連情報(トラブル・リスク・ノウハウ など)を抽出できるため、経験の浅い人でも直感的に情報を手に入れることができ、リスクを最小限にした設計を進めていくことが可能となります。

回答者

Q. 生産工程で具体的にAIができることは?

急な受注やオーダー変更に応じた場合、生産計画を見直す必要がありますが、迅速に対応するためにAIは活用できますか?

最近は1つのラインでの多品種少量生産が多くなっていますよね。急な受注やオーダー変更では、装置を入れ替える「段取り替え」や装置を洗浄する時間を考慮する必要があり、在庫部品で対応していると、在庫コストもかさんでしまいます。そのため、これらすべてを考慮して生産計画を考えるのは、熟練者でないと対応が難しい状況にあります。そこで製品別の納期や在庫、さらに段取り替えや洗浄時間などの様々な制約条件を加味した上で AIが最適な生産計画を素早く立案するので、急な受注やオーダー変更にも迅速に対応することが可能となります。

品質検査は人の目で行っていますが、どうしても個人差や漏れが出てしまいます。品質を保ちながら効率よく検査をするためにAIは活用できますか?

AIによる品質検査は、様々な企業で実践されています。特にプリント基板の検査工程「外観品質検査」での活用は数多くの実践事例が報告されています。これは、カメラで撮影したプリント基板の画像からAIが良品か不良品かを判定するものです。従来、不良品を判定するためには、あらゆるパターンの不良品の画像を揃えなければ判定できませんでした。しかし、ディープラーニングによりAIに「良品」の画像のみを学習させることで、不良品を自動で検出することが可能となり、広く普及するようになりました。
また、誤検知が発生した場合でもAIに教師データとして再学習させることで、更に精度を向上させることができるため、アルゴリズムを再構築する必要はありません。
AI技術を活用することで、外観品質検査の自動化、判定精度の向上による品質の安定化につながり、目視検査にかかる手間やコストを削減することができます。

プリント基板の検査工程以外での活用事例はありますか?

例えば、梱包工程では箱が破れていないか、箱に汚れはないかなど、検品検査にも活用されています。また、繊維など素材系の品質検査にも広がりをみせています。今後、人が目視で検査する前にAIに良品か不良品かを判断させることが当たり前になってくるのではないでしょうか。

Q. 設備管理で具体的にAIができることは?

設備機器が故障しないように日々の点検やメンテナンスに時間と労力が掛かりますが、これらの作業にAIは活用できますか?

従来の定期メンテナンス:TBM(Time Based Maintenance)から、設備機器の状態に合わせたメンテナンス:CBM(Condition Based Maintenance)への転換が進んでいます。
CBMを実現するためには、設備機器の異常を事前に察知することが必要なります。ここにAIが活用されています。AIに正常稼働時の状態「いつもの状態」(温度・振動・音など)を学習しモデル化させることで、異常 「いつもと違う状態(アノマリ)」を検知することができます。
AIに学習させる教師データは、正常稼働時の状態のみなので、異常データは必要ありません。つまり、過去に発生したことのないトラブルも検知することが可能となります。このように、様々なセンシングデータをAIに学習させることで、トラブルを未然に防ぎ、設備機器の停止時間を最小化することが可能となります。

まとめ

  • 1
    設計工程:
    設計途中の3次元形状から、過去の類似形状に関するトラブルを自動的に抽出できるので、経験の浅い人でも簡単にノウハウを手に入れ、リスクを最小限にした設計を進めていくことが可能。
  • 2
    生産工程:
    計画:様々な制約条件を加味した最適な生産計画を素早く立案するので、急な受注やオーダー変更にも迅速に対応が可能。
    検査:数多くの実践事例が報告され、AI活用は当たり前の時代に。
  • 3
    設備管理:
    異常が発生する前にAIが予兆を検知、さらに過去に発生したことのないトラブルも検知。

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