今すぐ役立つAI活用ノウハウ

第4回AI プロジェクトを進める方法とは? 前編
~検討フェーズ:「企画」「設計」

AI導入の全体像に触れた前回に続き、今回は、AI導入プロジェクトの進め方について、「企画」「設計」の検討フェーズと「構築」「運用」の導入フェーズを前編・後編に分けてポイントを解説していきます。

AI適用先選定の具体的なポイントについて答えるのは、富士通AIサービス事業本部の一木篤史です。ベンダーとして、お客様と直に接する立ち位置だからこそのリアルな声を紹介します。

富士通株式会社
AIサービス事業本部
第二フロンティア事業部
一木 篤史

まず、企業でAIを適用するきっかけはどのようなパターンが多いのでしょうか?

インタビュアー

導入案件の始まりには大きく分けて2つのパターンがあります。1つはトップダウンで、経営層から「AIを導入しよう」と号令がかかるパターン。もう1つは草の根的というか、特に研究開発などの現場から「AIを試してみたい」とボトムアップ的に生じるパターン。パターンによってプロジェクトチームの組成には違いがあると思います。

一木

パターンによってどのような違いがありますか?

トップダウン型で始まる場合は情報システム部が中心になることが多いようです。ただ、実際にAIを活用するのは現場の方々なので、必ずチームには初期段階から現場の方を入れてもらうようお願いします。ボトムアップ型の場合、情報システム部門ではなく研究開発など現場の方が中心です。進めやすい反面、予算などの決定権がないことも多く、経営層にどう話を通すかというハードルもあります。

AIを適用する業務はどのように選定するのでしょうか?

具体的な課題があり、適用分野をあらかじめ想定した上でのオファーが多いですね。
例えば、自然言語処理系、ナレッジの活用の領域について言うと、トラブルシューティング、つまりトラブル対応の報告書に関してが多いですね。社内にはさまざまな文書が蓄積されていますが、いざ過去の類似案件を調べようとすると従来の検索では確かに検索ワードと同じワードが入っているものを拾ってくるが、内容がマッチしないものがたくさんヒットし、なかなか活用しきれないケースが多いです。そこにAIを導入して業務を効率化、省力化を図りたいという要望が多いですね。

次は、そこにどうAIを適用していくのか検討に入っていくのですか?

いえ、想定していた適用分野でそのまま進むケースになるとは限りません。
最初に必ず現場の方に「何に困っているのか」をヒアリングします。これは絶対に欠かせません。お客さまが抱える課題を詳細に把握し、AIの適用がベストの選択なのかを明らかにしていくのです。場合によっては、他のソリューションのほうが課題解決にふさわしいこともあるからです。課題を精査し、AIの適用がベストだと判断できれば、目標を明確にすると同時に「AIで何ができるか」をお伝えしていきます。

「企画」「設計」の検討フェーズにおいて、注意するのはどんな点でしょうか。

検討フェーズの期間は平均2か月程度です。ユースケースを策定し、どんなAIが適用できそうかあたりをつけ、実行計画に落とし込みます。時間がかかるのはユースケースの策定までのプロセスです。「AIは万能」という幻想を抱く方もいるため、課題を踏まえたユースケースの策定がとても重要です。業務の見える化が進むと新たな課題が浮かび上がることもあり、時間はかかりますが、ここをきっちりやっておけばその先の進め方がスムーズになります。ここが最も重要ですね。

プロジェクトを推進する上で苦労することを教えてください。

プロジェクトリーダーがAIについての基本的な知識を持っていると、チーム内での話し合いはスムーズに進みます。問題はその先で、上司や経営層への上申を含めて社内での理解をどう得るか。経営層がAIに関して過度の期待を抱いたり、理解が不足していたりいる場合、提案に対して「これしかできないの?」となり、検討から先に進めなくなるケースもあります。重要なのは、AIは決して万能ではなく、ICTと同じソリューションの一つであることを理解し、その上でスコープ(適用範囲)を見定めることです。

そのような課題を解決する際、効果的な方法はありますか?

ユースケースをつくるのが重要というお話しをしました。ユースケースを提示しながら、どんな成果につながり、どの程度のROIが見込めるのかをわかりやすくまとめるのは効果的です。また、具体的な計画を立てて地道に説得する一方、「黒船効果」を利用するのもいいかもしれません。有識者、経営者の講演を通じて経営層にAIのリアルを知ってもらうのです。第三者の話や他社の事例は上層部に響くようですね。

多くのお客さまと接するなかで気づいた共通の課題があれば教えてください。

多いのはやはりAIに学習させるデータに関してですね。
デジタルシフトが進み、データが蓄積されている会社は増えていますが、それを掘り起こすことができないケースが多いように思います。もう一つは、デジタル化されずにデータが紙のまま蓄積されているというケースもあります。富士通には手書き文字認識などのソリューションもあるので、デジタル化されていないものでもデータクレンジングを含めて対応できます。悩む前にまずはベンダーに相談してみる、というのは効率的だと思いますよ。

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