人工知能への自然な信頼を構築する
富士通研究所が開発中の2つの新技術が、AIをより透明で堅牢にする

Nature Index AI特集号(Nature Vol.588 Issue 7837、2020年12月10日発刊誌掲載)にTrusted AIの取り組みが広告記事として掲載されました。

人工知能(AI)は私たちの日常生活の一部として進化してきており、ビデオストリーミングサービスの推奨からコールセンターでの自動応答まで、あらゆる分野で提供されてきています。ディープラーニングとして知られるニューラルネットワークは、この進歩を推進する最も強力な技術の1つです。それにもかかわらず、これらのネットワークがどのように意思決定を行うのかはほとんど不透明なままです。富士通研究所は、世界有数のICT企業として、人を中心とした信頼に基づくAIシステムを、透明でわかりやすい形で開発しています。

AIの透明化

富士通研究所は30年以上にわたりAIソリューションを開発してきました。その成果として、1985年には日本初の人工知能を搭載したコンピュータ「FACOM α」の商品化を実現し、2015年には人間中心のAIを基盤としたフレームワーク「FUJITSU AI Zinrai Platform Services」を立ち上げ、がんゲノム医療から船舶の航行安全まで多様な領域で活用されています。富士通研究所では、信頼されるAIという理念のもと、Wide Learning とHigh Durability Learningという、AIが人に力を与える新しい方法を生み出す技術を開発しました。

ディープラーニングは人間の脳をモデルにした複雑なニューラルネットワークを利用しており、人間には理解できないブラックボックスを作り出します。AIを説明可能にすることは、製造業のような業界だけでなく、生命が危険にさらされる可能性のある医療や運輸などの分野でも重要です。一方、ディープラーニングは正確な予測を行うために膨大な量の訓練データを必要とします。

これに対して、Wide Learningは単純な原則に基づいて動作します。つまり、システム内のデータ項目のすべての組み合わせを評価して、ナレッジチャンクと呼ばれる重要な組み合わせを見つけます。このアプローチは少量の訓練データでも正確な予測を生成できます。

1つの例では、Wide Learningをファクトリー・オートメーションに適用して、なぜ欠陥製品が時折現れるのかを理解しました。このような欠陥は稀なため、それらに関連するデータは従来のディープラーニングには少量すぎます。原材料を最終製品に混合する機械について、材料投入、混合速度、温度および電圧を測定するセンサデータを使ってWide Learningで解析を行いました。変数のすべての重要な組み合わせを調べることで、欠陥を発生させる可能性のある組み合わせを特定しましたが、そこには工場の技術者を驚かせる発見がありました。

「データマイニング技術を用いることにより、Wide Learningは1,000兆の組み合わせを処理し、数秒で1万から10万の重要な組み合わせを選択することができます。」と富士通研究所AIコアテクノロジプロジェクトのプロジェクトマネージャー、大堀耕太郎氏は語ります。「Wide Learningは透明性の提供に加えてデータ量による参入障壁を低くします。」

Wide Learningはマーケティング部門でも利用できます。潜在的な顧客を効果的にターゲットするために、マーケターは購入履歴、性別などのデータを使用しますが、それらの組み合わせの数は何兆にも及びます。一般的にマーケターはそのうちのごく一部しか使えませんが、Wide Learningは購入する可能性のある潜在顧客を最大化する最も重要な組み合わせを自動的に見つけ出します。

AIの耐久性向上

AIシステムのもう1つの問題は、時間の経過とともに精度が大幅に低下する可能性があることです。例えば、新しい市場環境のために古くなった訓練データに基づいて構築された金融システムは、正確な結果をもたらしません。High Durability Learningは、AIシステムの運用中の精度の変化を自動的に検知し、必要に応じて更新することで予測の有効性を保つ世界初の技術です。

High Durability Learningは、AIシステムの訓練時のデータ分布と実際の運用時のデータ分布の変化を比較します。これらのデータセットの違いを分析することで、システムの精度を定量的に見積もることができます。High Durability Learningはまた、AIシステムを新しい入力データに自動的に適応させ、負担の大きい運用中の再訓練なしに精度を維持することができます。

この技術は金融分野において3,800社のデータを用いて適用されました。その結果、High Durability Learningは、3%の誤差内で信用リスクモデルの精度の変化を推定することができました。また、そのままでは精度が69%まで下がってしまうところを、モデルの自動更新により89%に維持することに成功しました。

「High Durability Learningには3つの利点があります。手動ラベリングなしでリアルタイムにシステムの精度を推定すること、低下を最小限に抑え精度を回復することができること、再訓練コストを節約すること、です。」と富士通研究所トラステッドAIプロジェクトのプロジェクトマネージャー、中澤克仁氏は語ります。「AIのための品質管理技術の一形態として、金融業界だけでなく、小売や物流にもHigh Durability Learningを適用することを目指しています。」

人工学習ツールへの依存度は、AIが進化し続けるにつれて高まるでしょう。富士通はAIの安全・安心な開発に取り組んでいます。富士通研究所は、Wide LearningやHigh Durability Learningなどの技術を通じて、人を中心とした、誰もが恩恵を受けられる未来づくりに貢献しています。

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