ISO20000(正確にはISO/IEC 20000といいます)は、ビジネスの要求に合わせて管理された ITサービスを効果的に提供するために実現すべき項目を規格化したものです。
ITIL®V2のプロセスがベースとなっており、英国の規格であるBS15000をその原型としています。 それまでこうしたITの運用に関わる国際標準というものがなかったため、富士通はこのISO化のためのアドホックな委員会に積極的に参画し、 例えばISO9000との整合性の観点など、多くの意見を反映させてきました。
その結果、 shallで書かれた守るべき「仕様」(Specification)を示した第一部と、shouldで書かれ、 それを補足する形の第二部「実践のための規範」(Code of Practice)が同時に2005年12月15日に制定されました(注1)。
JIS化と認証制度 | 最新動向 | 富士通の認証取得への取り組み |
日本では直後にISO/IEC 20000 JIS化原案作成委員会ならびに具体的な用語選択作業を行うJIS化原案作成WGが発足し、 その結果2007年4月にJIS Q 20000 Part1とPart2としてJIS制定がされました。 (ISO化同様、JIS化においても、富士通エキスパートが委員としてその吟味に加わっています。)
それに伴い、日本情報処理開発協会(JIPDEC)による認証制度が確立されました。
この組織認証のスキームは、海外では英国のitSMFが運営しており、2012年12月現在708の団体・企業が登録されています。 ベスト5は、日本95、アメリカ合衆国64、インド57、中国55、イギリス・韓国45であり、徐々にではありますが着実に増加しています。
とりわけ、日本がトップとなっており、JIPDEC認証でも、2012年11月現在174組織が登録されています。
ISO/IEC 20000シリーズのパート3が2012年8月14日に改版されました。
http://www.iso.org/iso/home/store/catalogue_tc/catalogue_detail.htm?csnumber=60031
このパート3は、サービスプロバイダが20000のパート1を適用する場合のスコープ定義のガイダンスを提供しています。
複雑なサプライチェーンのなかで、いくつかの例示をすることでサービスプロバイダがSMSの範囲を定義するためのガイドです。
旧版はTRでしたが改版でISになりました。今回はパート1、パート2が2011年4月、2012年2月にそれぞれ改版されたのを受けてこれらと整合させています。
旧版と同じく6章構成で以下のannexがついており、annex.Bでは旧版の8シナリオを書き直して大きく11つのシナリオで例示しています。(全24ページ)
Annex A: Main points on scope of the SMS, applicability and conformity to ISO/IEC 20000-1.
Annex B: Scenario based scope definitions
富士通グループでは、いち早く認証取得に取り組み、 お客様へのITサービス提供者として、ITサービスマネジメントの品質のさらなる向上に努めています。
その主たる目的は、サービス品質の維持・向上ならびに顧客満足度の向上ですが、 2006年以降すでに富士通社内で4部門、グループ会社で8社が取得しています。(2011年6月現在,五十音順)