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製造業のEC~売上拡大以外の目的とは

EC市場が拡大しECに取り組んで成果を挙げる製造業(メーカー)が増えてきました。ただ、その目的は、ECという新たなチャネルで売上を拡大するだけではありません。

ECに取り組むメーカーが増えてきた

経済産業省の推計によると、2016年の日本のBtoC-EC市場規模は対前年比9.9%増の15兆1,358億円、BtoB-EC市場規模(インターネットを対象とした狭義の市場)は同1.2%増の204兆780億円と、巨大な市場となりました。

このEC市場の事業者で有名なのは、消費者向けのBtoCではアマゾンや楽天市場、BtoBではMonotaROといったEC専業や小売業で、メーカーは一部の企業を除いて存在感はありませんでした。

メーカーの多くは販売店や代理店経由で販売しているので、既存の販売チャネルの「中抜き」を配慮して、ECサイトでの本格的な販売を控えていました。しかし、近年ECに取り組んで成果を挙げるメーカーが増えています。

直接的な売上以外の目的でECに取り組む事例も

ガスコンロや風呂給湯器などのガス器具大手メーカーのリンナイは、消費者向けのECサイトを開設しています。その狙いは直接的な売上拡大ではなく、ダイレクトにコミュニケーションすることで、消費者との関係を継続的なものにすることです。消費者はコンロを日々使いますが、製品選定はハウジングメーカーやガス会社が行うことがほとんどです。このため、自分が使っているコンロのメーカー名を知らない人が多く、これではいい製品を提供しても再購入時にブランド指定は望めないので、ECサイトで継続的な関係を構築して、ブランド向上を目指しています。

リンナイのECサイト「R.STYLE」は、ガスコンロの本体ではなく交換部品を中心に販売しています。交換部品が必要になることは滅多になく、これだけでは継続的な利用は望めないので、掃除用品や調理用品も扱っています。リンナイではR.STYLEで消費者とコミュニケーションすることで、ブランドを向上させるだけでなく、消費者ニーズを収集して製品開発に活かしています。

足袋や靴下を製造している福助は、消費者向けのECサイトだけでなく、法人向けのBtoBのECサイトを開設しています。大手量販店などの大口顧客の注文はEDIなどで既に電子化されていましたが、小口取引はFAXや電話で行われていました。FAXや電話は受注入力の事務処理が必要です。特にFAXでの注文商品が欠品だった場合は、注文を変更してもらうなどの手間がかかりました。

福助では、この手間がかかる小口取引を効率化するためにECを導入しました。BtoBでは請求書払いが必要なので、外部サービスと連携して実現しています。ECにしたことで、福助にとって受注入力や債権回収が効率化され、さらに、利用企業にとっても在庫の有無が分かるという見える化のメリットもあります。

ECでビジネスを改革している会社もあります。金型用部品を製造販売するミスミは、生産財のECサイト「MISUMI-VONA」を開設し、同社製品だけでなく2,900メーカーの製品を扱い、1,750万点を販売しています。ワンストップショッピングを提供することで、設計者の日々の業務支援を目指しています。

ミスミでは、自社製品の少量多品種生産を短納期で提供するバックエンドの「製造革新」に取り組んでいましたが、これに加えて、オーダーを即座に製造・配送に結びつけるフロントエンドの「流通改革」を行い、この両者を連携することで、製造事業にECサイトの流通事業を加えた新たな事業形態へと革新しました。

製造業のEC活用タイプ

ECに取り組む目的は、直販という新規チャネルで売上拡大をイメージするかと思いますが、紹介した事例のように、顧客との継続的な関係構築、小口取引の事務効率化、ビジネス改革といった目的でも取り組まれます。

図:製造業におけるEC活用の主なタイプ

メーカーの取引では、大口顧客には専任の営業担当者が付いていますが、小口は兼務の担当者や販売代理店任せの場合が多いかもしれません。この小口取引をEC化することで、受注や与信の事務が効率化され、担当者に余力ができます。実際に、EC化したことで事務処理が減り、顧客への提案活動に力を入れたり新規顧客開拓をするようになったメーカーもあります。営業担当が本来行うべき業務に専念するために、ECは効果的な手段です。

メーカーは、バックエンドの製造現場の効率化やシステム化を積極的に行ってきました。これに加えて、営業などのフロントエンドの効率化に取り組み、フロントとバックを連携することで、より競争力のある会社にすることができます。

図:商材による閲覧コンテンツの違い

(株式会社富士通総研 田中 秀樹)
株式会社富士通総研(FRI)

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