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AR(Augmented Reality: 拡張現実) :デジタルマーケティング コラム

「AR(Augmented Reality: 拡張現実)」とは、目の前にある現実空間に、デジタル情報を重ね合わせて表示する技術のことです。「AR」について、「Zoff Mirror」や「IKEAカタログ」などのAR活用事例を交えながら、富士通総研 田中 秀樹が解説します。

その場に合った有効な情報を提供するAR(拡張現実)とは

ARを使ったサービスが徐々に広まりつつあります。AR(Augmented Reality: 拡張現実)とは、目の前にある現実空間に、デジタル情報を重ね合わせて表示する技術のことです。似た言葉としてVR(Virtual Reality: 仮想現実)がありますが、これは現実空間に存在しないものをCGで作って表示する技術です。ニュースで取り上げられるような商品紹介やキャンペーンでの活用だけでなく、銀行のATM案内や点検・保守作業など日々の業務の中でも使われ始めました。

スマートフォン・タブレットと共に利用が進んだAR

ARの概念は1960年代からありました。当初はヘッドマウントディスプレイという専用の表示装置が必要で、研究者の限定的な利用に留まっていましたが、スマートフォンやタブレットの普及と共に、「セカイカメラ」などのアプリケーションが登場し、様々な分野で使われ始めました。

このようなデバイスを必要としない身近なところでもARは活用されています。テレビのサッカー中継で、フリーキックを蹴る時にゴールまでの距離が芝生に書かれているのを見たことがある人も多いと思います。当然のことながら、実際の芝生には距離は書かれているわけではなく、試合映像にリアルタイムでCGを重ね合わせたものです。

それでは企業における活用方法を見ていきましょう。

企業におけるAR活用事例

WebサイトでARを使った事例として有名なものとして、現在サービスは終了してしまいましたが、オンライン上でメガネ試着ができる「Zoff Mirror」がありました。これは、パソコンとWebカメラを使い、画面上に表示された輪郭に自分の顔の映像を合わせると、メガネが3Dで重ね合わせて表示されるようになっていました。

顔を左右に向ければ横のデザインも確認でき、まるで鏡に向かってメガネを試着しているような体験ができました。さらに、試着結果の画像をTwitterやFacebookで共有して友人の感想を聞ける工夫もありました。

世界で2億部以上が発行される「IKEAカタログ」では、2013年版からARを使っています。専用アプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレットをカタログにかざすと、カタログに掲載しきれなかったカラーバリエーションや、拡張式テーブルの広げ方を示した動画などが表示されるようになっています。

2014年版ではARを活用した家具の配置シミュレーション機能が追加されました。家具を置きたい場所にカタログを置き、その場所にタブレットをかざすと、タブレット上に実際の部屋に置かれた商品の映像が映し出され、大まかなサイズ感や周囲にある家具とのバランスを確認することができます。カタログには掲載できなかった情報、紙媒体では実現できないサービスを提供することで、顧客の商品理解を手助けしています。

ARは消費者向けのサービスだけでなく、企業内でも活用が進んでいます。富士通では、冷却装置やボイラーなど工場設備の点検・保守作業にARを活用しています。専用マーカーが付いた配管などにタブレットかざすと、整備マニュアルや過去の修理履歴が表示され、情報を照合できるようになっており、このシステムを導入した結果、作業の効率化や復旧時間を6分の1に削減することができました。

タブレット端末でARを利用している写真

AR活用でその場にあった最適な情報提供が可能に

活用事例から分かるように、ARを使うと個別の状況に合わせて、適切な情報を重ね合わせることができます。商品は良さそうだけど自分の顔や部屋にマッチするのか、この装置は以前どんなトラブルがあったのか、などといった疑問に答える情報を提供し、スムーズにネットに誘導することで、商品購入や業務効率化に繋げることができます。

今後、メガネや時計などのかたちで身に付けるウェアラブルコンピュータが普及すれば、ARの活用シーンは更に広がる可能性があります。新しい技術を活用して、顧客体験を豊かにしたり業務を効率化する取り組みが、今後ますます増えていくでしょう。

(株式会社富士通総研 田中 秀樹)
株式会社富士通総研(FRI)

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