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Fujitsu

Japan

医事会計システム・介護支援システムと財務会計システムの連携により、手作業によるデータ入力、仕訳入力を解消し、入力作業に追われていた経理部を一新

財団法人 生活保健協会 湯河原中央温泉病院様 外観の写真

財団法人 生活保健協会 湯河原中央温泉病院様 導入事例


中核病院におけるシステムのICT化は各部門単位に導入が推進されている状況である。個別の業務をシステム化する医療機関は多いが、各システムを連携させ、一連の経理会計業務の全体最適化に取り組む医療機関はまだ少ない。湯河原中央温泉病院様は、多くの手入力が介在する財務会計システムの一新に取り組み、業務効率を飛躍的に向上させ、新たな病院経営のためのシステムについて考える出発点に立った。

[ 2012年12月21日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 長期療養型病院
製品: FUJITSU Enterprise Application GLOVIA smart きらら 会計(医療法人対応)

長年、医事会計システム・介護支援システム、入院費請求収納システム、そして財務会計システム間のデータのやり取りを手入力で行っていた湯河原中央温泉病院様。入院費収納システムのサーバ老朽化によるダウンを機に、連携性に優れ、初心者でも操作しやすい「GLOVIA smart きらら 会計(医療法人対応)<以下、きらら会計>」を導入。医事会計システム・介護支援システムと直接データ連携させ業務効率は飛躍的にアップ。

【課題と効果】
1 医事会計システム・介護支援システム、入院費収納システム、財務会計システム間のデータを手入力でリレーする手間のかかる経理業務を省力化したい 医事会計システム・介護支援システムとの連携性に優れたオンプレミスの財務会計システムを導入したことにより、手入力作業がなくなり事務作業が格段に軽減
2 初心者でも使える財務会計システムを導入し、経理業務の属人性を解消したい 医事会計システム・介護支援システムで入力された会計データを自動仕分して財務会計システムと連携可能なシステムを導入することで、財務会計の専門スキルを持たない若手を起用できる経理業務環境が整った
3 業務効率向上のためだけでなく、病院会計準則を視野に入れた仕訳体系を構築していきたい 新しい財務会計システムによる初回決算までは基本的な仕訳ルールで安定運用を目指し、その後、より完成度の高い仕訳ルールを求める方法で病院会計準則に近づいていくシナリオが見えてきた

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導入の背景

老朽化サーバのダウンを機に手入力に頼る経理業務を見直し

財団法人 湯河原中央温泉病院様は、「安心して長期に入院していただく」を理念に掲げる、345床の中規模長期療養型病院。患者さんの多くは慢性期疾患、とくに脳血管障害の後遺症などによりリハビリテーションを必要とする方々である。院内から広大な相模湾を見渡せる景観と、敷地内に豊富な湯量の温泉源を有することから、県内はもとより近隣県、東京から来院する患者さんも少なくない。

財団法人 生活保健協会 湯河原中央温泉病院 総務部長 梅原 薫氏の写真
梅原 薫
財団法人 生活保健協会 湯河原中央温泉病院 総務部長

同院は25年前から医事課に富士通の医療事務システム(HOPE80シリーズ、以下HOPE)を導入し、その後も経理課において入院費収納システムを手組みで構築運用、またパッケージ版財務会計システムを導入するなど院内業務のICT化を積極的に推し進めてきた。しかし2011年11月、入院費収納システムのサーバ老朽化によるダウンを機に、一連のシステムについて見直しを迫られることになった。同院総務部部長の梅原薫氏は次のように述べる。

「経理担当者と相談した結果、思い切って入院費収納システムをはずし、HOPEと財務会計システムを直接連携することにしました。理由は医事課のHOPEデータを手入力で入院費収納システムに入力。入金データを手作業で消し込み、その結果をやはり手入力で財務会計システムに打ち込むという手間のかかる経理業務を、何とかして効率化したかったからです」。

HOPEに連携させる財務会計システムをどうするか

同院の経理部スタッフは3名。リレー方式の手入力はスタッフに物理的負担をかけ、精神的にもストレス源となっていたという。同院経理課副主任の菅谷和大氏はこう述べる。「手入力で2度も転記をしますから、どうしてもミスが出ます。とくに患者さんの一部負担金処理で間違った入力をした場合など、修正に手間取り、長時間経理作業がストップしてしまいます。後の作業に余裕がなくなることもマイナスですが、業務ストップを招くミスをしてはいけない、というプレッシャーが何よりも大きな負担でした」。

財団法人 生活保健協会 湯河原中央温泉病院 経理課副主任 菅谷 和大氏の写真
菅谷 和大
財団法人 生活保健協会 湯河原中央温泉病院 経理課副主任

2度の手入力操作による極めて非効率的な作業をなくすための選択肢として浮かんだのは二つの案だった。一つは、運用中の財務会計システムのベンダーによる案で、HOPEと財務会計システムの間に、二つの連携用システムを加え、データ連携させて手作業を排するというもの。もう一つが「標準機能としてHOPEと連携できるきらら 会計(パッケージ版)」を導入し、HOPEと連携させる案だった。

システム導入のポイント

経理初心者にも容易に使えそうな操作性を評価し導入

検討の結果、「きらら 会計」の導入に踏み切った理由について、梅原氏はこう説明する。「実は経理部に着任した菅谷君は、経理業務は初めてでした。この人事には、手組みシステムの運用経験から、システムに精通した担当者でなければ操作できない作業環境を見直し、一般的な経理知識があれば業務を遂行できる経理部にしよう。そうすることで若手人材を迎えられ、育成もしやすいはずだとの考えがありました。それに照らし合わせると、HOPEとの連携性に優れ、仕訳入力を効率化する機能を備え、経理の初心者にもすぐに使えそうな「きらら 会計」を選択するべきとの結論に至ったのです」。

医事業務と会計業務の橋渡しによりスムーズに進んだ導入

2012年2月上旬にキックオフした導入作業は順調に進み、2カ月後の4月上旬に運用スタート。梅原氏によれば、「きらら 会計」を導入して良かったと、あらためて思ったのはキックオフ後、間もなく。経理業務の経験が浅い菅谷氏と富士通マーケティングのSEとの間で、仕訳パターンに関する打ち合わせが始まった時だったという。「とにかく私どものアイデアに対するSEさんの理解とフィードバックが速いのです。その理由は、ベンダーSEさんの後方で、医事業務に精通したHOPE側の担当者と、財務会計業務に詳しい「きらら 会計」の担当者がタッグを組んで、情報を交換し合っていたからです。その結果提案された仕訳パターンは、HOPEとしっかり連携できていました。もちろん、他ベンダーさんでも技術的にはHOPEと財務会計システムとを連携させるわけですが、その場合、ベンダーさんが医事業務、医療法人会計基準に精通していないと、私どもが一から説明する必要があります。医療保険制度改正は毎年行われるので、説明だけで大変苦労したと思います。これほど迅速には導入できなかったでしょう」(梅原氏)。

湯河原中央温泉病院様 医事課で利用している「HOPE/SX-J・HOPE/Wincare」の仕訳データを、経理課が利用している「GLOVIA smart きらら 会計」に取込、「きらら会計」で作成したFBデータをファームバンキングに連携しているシステム構成イメージ図

初年度のシステム稼働状況

1年後の決算を迎えた後、本格的な仕訳スタイル最適化が始まる

期首の4月から稼働を始めた「きらら 会計」は、2013年3月の決算で1サイクルを迎えることになる。梅原氏は、それまでの1年をHOPEと「きらら会計」連携の第1ステップと考えているという。「実は1年目の重要目標はHOPEと財務会計システムとの連携で、仕訳ルールについてはすべてを見直すつもりはありませんでした。理由は、過去の資産ともいえる手組み時代の業務の流れや仕訳ルールの全体像が、すべて明瞭にアウトプットできていないからです。ですから1年目は、手組みシステムの考え方がある程度残っていても、「きらら 会計」に乗せ換えることを第1ステップとする。そして1回目の決算を迎えたところで、あらためてアウトプットできなかった部分を明らかにしていく。そうすることで、手組み時代から求めてきた仕訳の考え方が明確になるはずで、そこからもっと分かりやすい仕訳のスタイルにしていく。これが第2ステップです」。
その上で梅原氏は、こうも語る。「おそらく第2ステップでは、病院会計準則に則った視点で仕訳体系を見直していくことになるでしょう。病院会計準則はなかなか分かりにくいところがあるようですが、やがて本格適用になるといわれていますから、視野に入れておくのが良いと思います」。

導入の効果

省力化で得られた余力を未収金対策に

HOPEと「きらら 会計」が連携することにより、HOPE内の請求データは、入金の消し込み処理後、自動的に仕訳され、財務会計処理されるようになった。その結果、手入力に頼っていた経理業務は劇的に効率化。生まれた余力は、ほかの重要な業務に振り向けられるようになった。「その一つが未収金管理業務です。これまでは手作業による仕訳伝票入力や支払データの作成に追われ、なかなか手を付けることができませんでした。しかし手入力がなくなり時間が生まれ、未収金対策に時間を割けるようになりました」(菅谷氏)。

また梅原氏は、今後の展開について次のように語っている。「第1ステップ、第2ステップと経て、さらに省力化が進んだ場合、給与業務との連携がテーマになってくると思います。病院として今後、患者さんにどのようなサービスを提供できるか検証するには、人事の配置や配分をシミュレーションする必要があります。そのためには、シミュレーション結果に対応する看護師、看護助手などの人件費データを基礎資料としてしっかり把握しておく必要があるからです」。
旧システムの刷新を機に、医事業務、会計業務両システムの連携を実現した同院は、財務会計業務の効率化だけでなく、病院経営の新時代への道筋を見出すことができた。

総務部長 梅原 薫 氏、事務長 青木 英和 氏、経理部長 本杉 諭 氏、経理課 副主任 菅谷 和大 氏の写真
(左から)総務部長 梅原 薫 氏
事務長 青木 英和 氏
経理部長 本杉 諭 氏
経理課 副主任 菅谷 和大 氏

担当SEメッセージ

富士通マーケティング ヘルスケア事業本部 ヘルスケアソリューション事業部 ソリューションサポートセンター 木藤 和夫氏の写真株式会社富士通マーケティング
ヘルスケア事業本部
ヘルスケアソリューション事業部
ソリューションサポートセンター
木藤 和夫
システム導入効果をご評価いただき、大変嬉しく思っております。
今回のGLOVIA smart きららの導入は、医事会計システム(HOPE/SX-J)および介護支援システム(HOPE/Wincare)と連携を行った病院様第一号の導入事例であり、プレッシャーもございましたが、湯河原中央温泉病院の皆様にご協力いただき無事稼働することができました。
今後も湯河原中央温泉病院様での導入をベースとして同じような課題を抱えている病院様に対し少しでもお役に立ちたいと考えております。

【導入事例(PDF版)】

【財団法人 湯河原中央温泉病院様 概要】
所在地 〒259-0301 神奈川県足柄下郡湯河原町中央4-11-2
理事長 青木 通泰 氏
設立 昭和39年
病床数 345床(8病棟62室)
医師数 常勤5名、非常勤21名
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本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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