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ERPパッケージ「glovia.com」をベースに、生・販一体の製品別連結原価管理システムを世界的に導入

このページの情報は、2005年に掲載されたものです。
最新情報は、GLOVIAトップページよりご覧ください。

各種トランス・電源関連などの電子部品大手、株式会社タムラ製作所。同社は、顧客ニーズの多様化、グローバル化による価格競争の激化など経営環境の変化にスピーディーに対応し、収益の向上とさらなる成長を図るべく経営基盤の強化に取り組んでいる。その柱として、2004年にバランス・スコアカード経営手法を導入するとともに、生産、販売を一体とし各製品別連結原価管理を実現する基幹業務システムMAPS (注)を、2005年7月までに海外主要生産・販売拠点を含む計11拠点で稼動させた。オンリーワン・カンパニーとして真のグローバル企業への新たな一歩を踏み出した株式会社タムラ製作所。同社の現在と未来を支えるMAPSのベースとして採用されたのが「glovia.com」である。

(注)MAPS:Management, Accounting, Production, Sales System for Tamura G

株式会社タムラ製作所 様
設立 1924年
本社 〒178-8511 東京都練馬区東大泉1-19-43
資本金 118億2,900万円
代表者 代表取締役社長 田村 直樹
売上 759億7,100万円(海外売上高411億8,800万円)
社員数 6,758名(2005年7月1日、現在)
事業内容 各種トランス・電源関連などの電子部品大手として、素材の仕入れから製造、販売サービスまでをトータルに行うビジネスをグローバルに展開。
URL 株式会社タムラ製作所新規ウィンドウが開きます
(http://www.tamura-ss.co.jp/)

オンリーワン・カンパニーとして真のグローバル企業を目指す

株式会社タムラ製作所様
執行役員 経営管理本部長

飯田 博幸 氏

「トランス(変圧器)といえばタムラ」と世界のエレクトロニクス業界で著名なタムラ製作所。同社は、各種トランス・電源関連などの電子部品大手として、素材から製品、販売サービスまで一気通貫で行っている。また、いち早く海外進出を行い、その歴史は40年以上に及び、現在、中国、ASEAN地域、ヨーロッパなどに工場や販社のグループ企業をもち、取引の50%以上を海外で展開するグローバル企業である。

製品は多品種に渡り、大量生産でありながらも、その一方ではトランスの中でも宇宙開発事業等に使われる特殊トランスにも対応するなど受注生産的であることも同社の特長の一つである。その先進性と高品質により世界のエレクトロニクス業界発展の一翼を担ってきたタムラ製作所。優れた製品を通して社会に貢献するという同社の基本理念は1924年創業から現在も全く変わることはない。そして、あくなきチャレンジ精神もまた変わらない。

経営基盤の二本柱、バランス・スコアカードと基幹業務システムMAPS

グローバルにビジネスを展開し、順調に成長してきたタムラ製作所だが、バブル期を境に起きた製造業をめぐる激しい変化は同社にも大きな影響をもたらした。同社では収益の向上とさらなる成長を図るために経営基盤の強化に取り組み、まず、すべての基本となる、企業として目指すべき姿を定めた。それがオンリーワン・カンパニーである。オンリーワン・カンパニーとは、同社の特長を活かし、いままでにない発想から生まれたオンリーワン製品の比率を高めながら、他社の追随を許さないユニークな企業として成長していくことを表している。また、製品別事業体から顧客志向を重視した市場別事業体へと組織変更も行われた。

こうした新たなチャレンジを支える経営基盤に欠かせない二本柱、それがバランス・スコアカード経営手法と基幹業務システムMAPSである。「財務、顧客、業務プロセス、人材という4つの視点からなるバランス・スコアカード経営手法により業務プロセス革新を図っていく。バランス・スコアカードが経営基盤強化のための二本柱の一つであれば、もう一つの柱はERPであり、ERP導入は必然的であったと私は思います」(飯田氏)


[4つの視点からなるバランス・スコアカードの図]
富士通プレスリリースより参考)

日本発であり、日本企業に適しているところが「glovia.com」採用のポイント

株式会社タムラ製作所様
経営管理本部 IT推進G/MAPS推進G
マネージャー

石田 和好 氏

顧客ニーズの多様化、経営のグローバル化による価格競争の激化など経営環境の変化へのスピーディーな対応とともに、もう一つERPの導入目的には重要なポイントがあった。

「今回のERP導入ではグローバルな連結経営が最も重要なポイントとなっています。これまでは、各国の拠点にはそれぞれの経営のやり方があり、独立したシステムを採用していました。しかし製造業のグローバル化が進む中、一層の効率化を図るには連結ベースで考え、選択と集中を行うことが不可欠です。ERP導入による本社主導の社内風土への変革も今回は大切なテーマでした。」(飯田氏)

MAPS導入プロジェクトは社長が最高責任者となり、専任プロジェクト体制がとられた。「glovia.com」採用の理由について飯田氏は「主要なERP製品の比較検討を重ねました。その結果、日本発であり、日本企業に適しているだけでなくグローバルなシステム対応もすぐれているという点が大きなポイントとなり「glovia.com」の採用が決まりました。また、データベース設計のわかりやすさや、自由に工程管理が設定できる点も魅力的でした」と説明する。さらに経営管理本部 IT推進G/MAPS推進G マネージャー 石田 和好氏も「MAPS導入の成功は、日本企業である富士通との協力体制があればこそ、と思っています」と語る。

製品毎の原価や利益をグローバルに連結ベースで把握可能に

MAPSは、2004年1月より日本で稼動開始。2005年7月までに中国やマレーシア、シンガポールなど海外主要生産・販売拠点を含む計11拠点で稼動された。その構成は本社集中システムであり、本社にグループモニタリング機能、グループ統一マスター管理機能、グループ明細データウェアハウスを置き、日本や中国、マレーシア、シンガポールの各拠点システムと、XMLによるシステム間データ交換機能を通じてデータ交換を行っている。国内外の各拠点システムからの受注、売上、コスト、調達、製造に関するすべての情報は日本の本社にあるデータベースで一元管理される。

「MAPSの大きな特長の一つが「つなぎ利益(製品別積上げ原価)」の把握です。当社は仕入れから製造、販売までを行っています。MAPSの導入により、製品毎の原価や利益が、各グループ企業の損益としてだけでなく、国を越えて連結ベースで把握できるため、工場や販社のどこでコストがかかっているのか、その製品は本当に利益がでているのか、すべてわかるようになり集中と選択を一層進めることができます。また、前日までの受注、売上実績、在庫情報等が翌日には検索可能となり経営管理もしやすくなります」(飯田氏)

電子部品事業はカスタムで多品種、かつ材料の仕入れや製造、販売をそれぞれ最適な国で行っていることから特に製造システムの統合は困難であり、また少額製品が多いことから各製品別原価管理も無駄であると考えられてきた。「これまでは、当社も製品毎のコストは追いきれず勘に頼っていました。しかしいままでと同じことをしていたら厳しい競争を勝ち抜いていけません。日本でMAPSが稼動した当初はいままでにない文化を導入するわけですから混乱もありましたが、社長の強いリーダーシップとオンリーワン・カンパニーを目指すという明確なコンセプトのもとで乗り越えることができました」(飯田氏)


[MAPS機能配置図](富士通プレスリリースより参考)

調達コスト年5%(年間20億円)削減の実現へ

MAPSの導入に合わせ、部品の標準化や手配方式の改善を進め、調達コスト年5%(年間20億円)削減や、在庫の削減を実現することにより、収益・キャッシュフローの増大が期待されている。また、グローバルデータ連携による生産に関わるリードタイムの短縮など業務の効率化も期待されている。

集中と選択においてはすでに効果もでてきている。「どの製品や工場が本当に利益を出しているのか。問題点はどこか。いままでわからなかったことが、わかるようになってきたと社長もおっしゃっています。分析手法についてはこれからですが、しっかりとした手応えを感じています」(飯田氏)

社内の風土も大きく変わりつつある。「MAPSが主要拠点に導入されたことにより、業務の標準化も進みます。また、ガラス張り化を実現できたことにより、経営サイドからの指導も的確かつタイムリーに行えることはもとより、みんなの仕事のやり方が見えるので各自が無駄なことをしなくなり、着実に成果も上がり、また適切な評価により充実感も得られ、モラルも向上する。これこそが風土改革だと私は思います」(飯田氏)

しっかりとした基盤を確立、今後に大いに期待

今後の展開について飯田氏は「MAPSには質の高い情報提供とスピード、この2つが要求されています。これにさらに磨きをかけていく。また、誰もが自分の必要な情報を必要なかたちで、誰の手も煩わすことなく自分で迅速に活用できるように、データベースの設計も一層、洗練させていく。情報管理面では売上利益のみならず予定営業利益のレベルまで各デリバリー単位で正確に把握できるようにしていきたいと考えています。そしてなによりも活用していくことがこれからの最大の課題です。今回、当社のコンセプトや思想のもと、将来を見据えた基盤が確立できたので、今後に大いに期待しています」と飯田氏は力強く語った。

いままでとは異なる発想「非連続発想」で、世界を舞台にオンリーワン・カンパニーとしてのチャレンジを続けるタムラ製作所。そのたゆまざる歩みをglovia.comはこれからもしっかりと支えていく。

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