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Fujitsu

Japan

中国製の会計システムと連携する生産管理システムの導入で、正確な原価管理がなされた効率的な生産体制を確立

佐竹機械(蘇州)有限公司(中国・蘇州)

株式会社サタケ様 導入事例


サタケ様は、川上から川下までをトータルにサポートする食品加工機総合メーカーとして、国内外の業界をリードしてきた。同社は、中国市場に合った製品供給強化のため、1997年に中国・蘇州に工場を設立。ビジネスの順調な拡大とともに、より正確な原価管理の実現を目指し、生産管理システム「GLOVIA smart 製造 PRONES」の導入をおこなった。

[ 2011年4月25日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 食品産業総合機械および食品の製造販売
ソリューション: 生産管理
製品: GLOVIA smart 製造 PRONES

サタケ様は、中国市場に合った製品開発を目指して中国・蘇州に工場を設立した。当初導入された旧バージョンの「GLOVIA smart 製造 PRONES」は活用が限定的であったが、中国の市場の拡大に伴い、より正確な生産管理を目指してバージョンアップに伴う新システムを構築。さらに、2011年6月の稼働に向けて導入が進む国内工場の食品部門に加えて、タイの工場にも同製品の導入を計画しており、PRONESの活用を軸としたグローバルな生産管理体制の強化を目指す。

【課題と効果】
1 会計システムと連携していなかったため、表計算ソフトによる原価計算が必要 中国製会計システムとの連携により、正確かつ迅速な原価管理を実現
2 中国以外のアジア諸国にも同様の生産管理システムを展開していきたい 多言語/多通貨対応により、カスタマイズ不要でグローバル展開が可能
3 グローバルスタンダードに準拠したシステムが必要 業務をグローバルスタンダードに合わせ、効率的な生産体制を確立

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導入の背景

川上から川下までトータルに提供する食品加工機総合メーカー

世界の三大穀物と言われる「米、麦、とうもろこし」の加工機を扱う総合メーカー、株式会社サタケ。創業以来、稲の生育診断システム、研がずに炊飯できる無洗米を製造する「ネオ・テイスティ・ホワイト・プロセス」、インスタントライス「マジックライス」、パックご飯「楽メシ」、キッチン用精米機「マジックミル」や、IH炊飯器など、川上から川下に至るまで網羅している幅広い製品群が顧客へのトータルな提案を可能にしており、同社の強みとなっている。さらに、今日の精米技術の礎を築いた同社の精米機器は、国内外でトップのシェアを誇っており、強いブランド力をもつ。
同社の中国の生産・販売拠点である佐竹機械(蘇州)有限公司は1997年に設立され、工場の建設・生産体制の準備・市場の開拓を行い、1998年に操業を開始した。ここでは精米・製粉機械設備および光選別機の製造・販売を主におこなっている。

バイオプラント施設

高精度フルカラー光選別機

木原 和由
株式会社サタケ 常務取締役

蘇州を拠点とした中国進出について、同社の常務取締役 木原 和由氏は、次のように語る。「当時は、他業界も含め多くの企業が中国に進出し始めていた時期でした。しかし、他の多くの企業がおこなっていた人件費削減を目的とした国内工場の中国移転ではなく、中国市場を対象に、サタケの知識と技術を通し、中国のお客様のお役に立つという目的で進出しました。つまり、サタケの中国拠点としてではなく、あくまでも“中国のサタケ”という位置づけです」。
中国では、扱う米の品種・処理数や稼働時間の違いから製品の改良が必要となるなど、日本とは違う製品が必要となる。そうした細かい部分に対応できる、中国という市場に合った製品作りの実現が進出の狙いだった。

ビジネスの拡大で求められた正確な原価管理

蘇州工場の設立に伴い、同社では原価管理を中心とした生産管理を行うため、富士通の「GLOVIA smart 製造 PRONES」を導入した。だが、当初PRONESは十分に活用されないことが多かった。これには大きく次のような理由が挙げられる。
PRONESは当時利用していた中国製の会計システムと連携できなかったため、別途表計算ソフトを利用して原価計算を行う必要があったこと。また、原価に対する日中の意識の違いから、2つの工程をまとめて1つの工程としてシステムに登録するダミー工程の作成が日常的に行われていたこと。このため、PRONESは基本的な機能しか利用されなかったことで、本来の導入目的であった正確な原価管理を行うことができなかった。
とはいえ、工場の設立当初はまだ生産点数も少なく、製造した製品の単品販売が主であったため、簡易な原価管理であっても大きな問題とはならなかった。
しかし、昨今の中国市場の活況に伴い、都市部を中心に日本と同レベルのおいしい米を食べたいという需要が中国で高まり、民間や中国政府も精米プラントの建設計画を打ち出した。その結果、同工場が扱う製品が、以前の単一製品の販売のような小規模なものから、設計から工事までも含めるような大規模なものに変わってきた。扱う製品の規模が大きくなってくると原価計算のブレが売り上げに大きな影響を与えるようになるため、正確な原価管理ができる新しい生産管理システムの必要性に迫られた。

導入のポイント

コストパフォーマンスとサポート体制を評価

今林 誠
株式会社サタケ 経営本部 情報システム部 部長

同社では、新しい生産管理システムの構築に際して、競合製品を含めてさまざまな検討を進めた。
結果、最終的にPRONESをアップグレードする形でシステムを再構築するという結論に落ち着いた。選定の経緯について、経営本部 情報システム部 部長 今林 誠氏は当時をこう振り返る。「新システムの構築に先だって、会計システムを用友軟件股フェン有限公司(UFIDA Software Co., Ltd.)の製品にリプレースすることが決まっていました。PRONESがこの製品と連携できるという点が選定において大きな要因となりました。さらに、機能を比較すると価格が低めでコストパフォーマンスが高い点も決め手となりました」。

また、システム導入を担当したFCH(Fujitsu China Holdings)のサポートの充実も後押しとなった。今林氏は「FCHのSEはPRONESについて熟知しているうえ、当社の従業員に中国語でヒアリングして細かい部分をくみ取ってくれ、当社の業務を理解してくれたうえで、さまざまな提案をしてくれ非常に助かりました」と語る。ドキュメントについても、中国語・日本語の両言語版を用意するなど、FCHのサポートはきめ細やかなものだった。

システムの概要

カスタマイズせずに導入し、必要な機能はアドオン作成

新システムは、2010年3月から導入を開始し、決算をはさんだためやや長くなったものの、2010年12月に稼働した。
導入にあたって、カスタマイズはほとんど行わなかった。その理由について、今林氏は次のように語る。「PRONESはグローバルスタンダードに準拠しているので、カスタマイズする必要がありませんでした。当社は、製品には独自のノウハウを数多く盛り込んでいますが、それ以外のところでは極力グローバルスタンダードを取り入れるようにしています。グローバルスタンダードに合わせていくことで業務の標準化を図り、効率的な生産体制を構築できるからです」。
ただし、多明細入力など、細かいところはアドオンを作成することで対応した。「PRONESは大がかりなカスタマイズを行わなくても、アドオンで目的の機能に近づけていける柔軟さが使い易いですね。また、FCHでは作成したアドオンについても日本語、中国語の両方に対応するように作成してくれたので非常に助かりました」(今林氏)。
また、原価管理の障害となっていたダミー工程についても、作らないようにルール作りをして運用を行い、正確な原価管理を行えるようにしている。
PRONESの使い勝手について今林氏はこう語る。「PRONESはデータベースのテーブル構造がシンプルでわかりやすいのでとても使い易くできています。資料作成のために臨時でデータが必要というときも、データベースソフトからアクセスしてデータを抽出するといったことが簡単に行えます」。

導入の効果と今後の展開

効率的な生産管理をグローバルに展開

導入効果について、今林氏は次のように語る。「稼働を開始して1ヵ月ほどなので、まだ効果についての十分なデータは蓄積されていません。が、会計システムと連携していなかった前システムとは異なり、会計システムから原価データを引き出せるようになるので、よりスピーディーで正確な原価管理ができることは大いに期待しています。今後は、現在手動で手配している700点ほどの購買品についても自動化することを考えています」。
現在は国内の食品部門へのPRONES導入もおこなっている。今林氏は「部品を集めて一気に組み立てる食品加工機械とは異なり、食品は連続した流れのなかで製品ができあがっていきます。これまでとは物作りのスタイルがまったく異なるので、PRONESを利用した効率的な生産管理が実現できるよう、2011年6月の稼動を目指して導入を進めています」と語る。
また、常務取締役の木原氏は、精米プラント製造における装置ごとの個別採算や売れ筋の単体生産品の利益率といった、経営判断の迅速化を実現する"収益管理の見える化"に期待を寄せている。「蘇州工場の生産管理におけるPRONESの導入効果をしっかり検証、分析し、経営指標を瞬時に見ながらのタイムリーな再投資、キャッシュフロー管理の実現を目指しています。今後市場として重要になっていくインドおよびASEAN諸国への製品供給のハブとなっているタイ工場へのPRONES導入を図るなど、グローバルな視野でより綿密な生産管理を実施していく考えです」と展望を語られた。

人口13億人、米の消費量は日本の10数倍という中国マーケットに向けて佐竹機械(蘇州)は1998年に操業を開始した

食品部門が手掛ける、マジックライスをはじめとする商品群

富士通はこれからもシステムを進化させ、ものづくりの効率アップに取り組む製造業を支えていく。

【株式会社サタケ様 概要】
所在地 〒739-8602 広島県東広島市西条西本町2番30号
代表者 代表取締役 佐竹利子
創業 1896年(明治29年)3月
会社設立 1939年(昭和14年)12月
事業内容 米、麦、とうもろこしを中心とした食品加工機械の製造および食品販売

広島本社 クリスタルビル
ホームページ 株式会社サタケ ホームページOpen a new window

担当営業メッセージ

富士通株式会社
中国支社 産業営業部
内藤 俊二

このたびは佐竹機械(蘇州)有限公司様の基幹システム再構築のお役に立つことができ光栄に思っております。
GLOVIA smart 製造 PRONESの導入により、さらなる生産性の向上や迅速な経営判断に向けた収益管理の見える化に寄与できたことを大変嬉しく思います。
今後もグローバルに事業展開をされているサタケグループ様のビジネスパートナーとして、日本はもとより各国の富士通グループ総力をあげてご支援させて頂きたいと思います。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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