日本ハム株式会社様
代表商品
ニッポンハムグループは、ファーム事業から製造・加工・販売を一貫して行う食品のインテグレーション企業。お客様と最前線で向き合う日本ハムお客様サービス室で、よりスムーズで的確なお客様対応のために、富士通のクラウド型地図情報ソリューション「FUJITSU Enterprise Application GIFOCUS(ジーアイフォーカス)」を導入。これまでお客様からの商品取扱店の問い合わせの回答に最大1.5日かかっていたが、1件あたりわずか30秒に短縮。お客様満足度の向上に大きく貢献している。
[ 2016年4月6日掲載 ]
1 | 土地勘がない地域の販売店の案内に時間がかかっていた | ![]() |
店舗の所在地が視覚的にわかるため、対応時間が大幅に短縮 |
2 | 販売店への納品状況が把握しづらかった | ![]() |
基幹データとの連携で、店舗ごとの納品状況を週次で把握 |
3 | 照会に時間をとられ付加価値の高い情報提供ができなかった | ![]() |
迅速な問い合わせ対応で、お客様との深いコミュニケーションも可能に |
食肉をはじめ、加工食品や乳製品、健康食品など、さまざまな商品で食卓を支えているニッポンハムグループ。企業価値を向上させる上で欠かせない役割を果たしているのが、お客様からの問い合わせに対応する日本ハム大阪本社のお客様サービス室だ。「私たちは、お客様に最も近い場所にいます。『聴く』『知る』『活かす』のコミュニケーションサイクルを回し、事業へ貢献すること、お客様満足度を向上させることが私たちのミッションです」と、お客様サービス部 次長 兼お客様サービス室長 斎木 茂人氏は語る。
ICTの時代とはいえ、問い合わせの9割を電話が占めている。その数は年間約2万6000件。1日あたり約90件。これに12人のメンバーが対応する。問い合わせの中で最も多いのが、商品がどの販売店で売っているかを知りたいというものだ。
従来は、ご質問をいただくたびに営業担当者に確認したり、納品実績のある販売店一覧表から探して案内していた。だがこれには時間がかかり、折り返しの電話回答が翌日に持ち越される場合もあったという。
この販売店一覧表は、営業担当者がスーパーマーケットなどからいただいた1カ月分の注文をデータ化したもの。「お客様から電話のあったその週に、当該商品が納品されているのかという実態に沿ったデータはつかみにくいというのが実情でした。せっかく販売店を案内しても、万一売り切れなど欠品になっていた場合には、かえってご迷惑をおかけする恐れもありました」と斎木氏は語る。さらに、お客様のご希望の地域で最寄りと思われる店舗を紹介しても、実際は経路的に遠い場所であったりすることもあり、その地域に土地勘がなければなかなか適切な回答ができなかったという。
販売店情報を地図で管理するという発想は以前からあり、複数社のシステムを調査・検討したこともあった。「ただ費用がかなりかかる。もっと安価に、かつ簡単に構築できるシステムはないか」と模索していたところ、富士通から提案を受けたのがクラウド型 地図(GIS)ソリューション「GIFOCUS」だった。
GIFOCUSは一般にもよく使われるGoogleマップを活用。地図更新料など追加料金の発生がなく、最新の航空写真やストリートビューなど、多彩な角度からの地図表示ができるという利点がある。
店舗管理などの基幹系データをCSV形式で簡単に取り込める機能は、GIFOCUSの最大の利点だ。住所や店舗名が含まれていれば、それらがすぐに地図上に表示される。ピンをクリックすれば、データの細かい内容がポップアップして表示されるのだ。
「富士通に実データを使ってデモをしてもらったところ、全国数十万件に及ぶ販売店データを取り込んだシステムをわずか半日で構築できました。検索結果の表示も速く、十分電話対応の現場に使えると思いました。安価な導入コストの魅力も大きかったです」と斎木氏は振り返る。
GIFOCUSは基本的にプログラムレスのクラウド型ソリューションだが、基幹データと連携し地図上に表示できるプラグインが充実している。そのプラグインによる効果を確認できたことが、導入の決定打になった。「このプラグインを使うことで、納品データを夜間バッチで取り込めます。データ更新に私たちが頭を悩ませる必要がありません」(斎木氏)という、運用のしやすさが、最終的に導入を後押しした。
基幹データから得意先情報や売上などの情報を抽出し、地図上にマッピングして可視化することで、営業活動の活性化やお客様サポートの向上が期待できる。つまり、数字や文字だけでは見落としがちなビジネスチャンスを「見える化」することができるのだ。「ユーザー自身で簡単にデータの登録ができる操作の簡便性、項目数や項目名、データ型、桁数などをユーザーが自由に設定できるカスタマイズ性もGIFOCUS導入のポイントになりました」と斎木氏は語る。
GIFOCUSの導入と連動するように、スーパーマーケットなどの納品先のお客様管理データが精緻になってきたことで、システムはより使いやすくなった。かつては月次だった店舗ごとの納品実績が、今では週次でデータに取り込まれるようになり、内容が更新されるたびにGIFOCUSの地図上にも反映されるようになった。
電話で問い合わせをしてくるお客様に店舗を紹介する際に、当該商品がその店にどれだけ納品されているかが週単位でわかるので、案内はより的確になる。もしお客様の最寄りの店では売り切れている可能性が大きい場合は、「お客様からは少し遠いですが、別の店にはその商品の在庫があります」と、店舗を知りたいのではなく、その商品を購入したいというお客様の真のニーズを理解した上での案内ができるようになった。
「駅名やランドマーク、住所を入力して検索するだけで、最寄りの店舗がどこなのかが視覚的にわかります。土地勘のない担当者でも、自信をもってご案内ができるようになりました」とお客様サービス部 お客様サービス室 主任 関川 直子氏は語る。
営業担当者に確認するまでもなく、実態に近い納品状況が得られるようになり、回答に要する時間が大幅に短縮されたのも効果のポイントだ。これまで最大1.5日かかっていたものが、システム導入後は一挙に1件あたり「30秒」に短縮され、「迅速」なお客様対応ができるようになったという。
また、その成果は「親身」なサービス実現にもつながっている。対応スピードが秒単位に短縮され、「今晩のおかずの相談を受けたりするなど、一人ひとりのお客様と深く関わり合いを持てるようになりました」と、電話のやりとりの変化について関川氏は語る。
GIFOCUSはお客様へのサービスとしてダイレクトに活用されるだけではない。「お客様の求める商品が今うちにはないのだけれど、どこか他の店でもいいから置いてあるところを紹介してほしい」という販売店からの問い合わせにもすぐに回答できるようになった。また、社内営業担当者からも反響を呼び、お客様から寄せられた声から売れ筋商品を把握し営業活動に活かすことで 、担当するスーパーでの自社商品の取扱高を4倍に増やした担当者も現れたという。販売店の満足度向上や営業活動の活性化にも、GIFOCUS導入の効果が表れているのだ。
同室では毎年、お客様満足度調査を行っているが、結果は4年連続で、5段階評価のうち「とても満足した」と「満足した」との割合が90%以上と高い数値をキープしている。
「食品への安心・安全意識の高まりなど、お客様からのお問い合わせ内容のハードルが上がっている中で、こうした数字を維持できているのはGIFOCUSのおかげ」と、斎木氏は導入効果を高く評価している。
GIFOCUSには、ピンを店舗特性ごとに色分ける、地図上に任意の半径の同心円を表示する、一定エリア内のピンデータを集計するなど、様々な機能が盛り込まれている。日本ハムでは、そうした機能をお客様サービスやマーケティングに活用しながら、お客様満足度のさらなる向上に取り組んでいくという。
所在地 | 大阪市北区梅田二丁目4番9号 ブリーゼタワー |
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代表者 | 代表取締役社長 末澤 壽一 |
設立 | 1949年5月30日 |
資本金 | 24,166百万円(2015年3月31日現在) |
従業員数 | 単体:2,442人
グループ合計:28,245人(2015年3月/平均臨時雇用者数含む) |
事業概要 | ハム・ソーセージなどの食品加工メーカー。 |
ホームページ | ![]() 日本ハム株式会社 ![]() |