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Fujitsu

Japan

増大する本社経理部門の作業負荷軽減を目指し、会計システムを一新するとともに、ワークフローを導入業務効率の飛躍的向上を実現

日華化学株式会社様


ホストコンピュータ上の手組み会計システムから、オープン化への移行を進める企業において、新システムの定着、安定運用に手間取るケースは少なくない。2008年3月、GLOVIA smart 会計の導入に踏み切った日華化学株式会社様は、経理担当者一人一人が積極的に導入作業に関わることでスムーズな定着、安定運用を実現。業務効率の向上のみならず、新システムをフルに活用していこうとする各担当者の意欲を引き出すに至った。

[ 2010年9月28日掲載 ]

導入事例概要
業種: 化学品、医薬・化粧品の製造・販売
ソリューション: 会計システム
製品: GLOVIA smart 会計、ExchangeUSE ワークフロー

本社・総合研究所・工場のほか、東京、大阪、名古屋に支店、札幌、福岡、富士に営業所を展開する同社経理財務部は、各拠点から寄せられる精算業務の処理に追われていた。また、経理業務を処理する各システムは分散し、会計システムへの入力がほとんど手作業で行なわれていたため、経理部門の処理能力は限界に近い状況だった。業務効率の大幅向上を実現するため、パッケージシステムの導入、オープン化への移行が行われた。

課題と効果
1 社員精算データ入力の全てが手入力。支店経理業務の本社集中で作業量が増大し、処理能力が限界に近づき、ミスの発生リスクが高まっていた。 GLOVIA smart 会計、ExchangeUSE ワークフローの導入により、ほぼ全ての入力作業が自動化された。
2 基幹、購買、人事給与などは個別のサブシステムで処理され、会計システムと非連携だったため、会計データの作成に手間と時間を要していた。 GLOVIA smart 会計の導入で各システムを連携させ、データを一元管理したことで、会計データを容易に作成できるようになった。
3 各経理業務の処理が属人化し、担当者不在時の業務代行が困難で、重要な作業がストップしかねない状況だった。 経理業務の平準化によりローテーションが可能になり、担当者不在による作業ストップのリスクが低減した。

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導入の背景

作業負荷の軽減とJ-SOX法に対応するシステムへの刷新を目指して


日華化学株式会社 経営管理本部経理財務部 部次長 山田 浩士 氏

日華化学株式会社様は界面活性剤メーカーとして、繊維加工をはじめ、金属加工、紙・パルプ、クリーニング、医薬品、化粧品など様々の分野に製品を提供。「製品を売るにあらず、技術を売る」という信条のもと、アジアを中心に世界7カ国に10拠点のグローバルネットワークを展開している。

同社が会計システムの見直しを検討したのは2006年末。その背景には、会計制度、税制度の改定ごとに、ホストコンピュータ上の手組会計システム改修を迫られ、多大なコストと手間を求められていた状況があった。また、基幹、購買、人事給与、固定資産管理等がそれぞれ別のサブシステムで処理され、データが散在していたために、会計データの加工に手間と時間がかかるという問題を抱えていた。同社経営管理本部経理財務部 部次長の山田浩士氏はこう語る。「なにより大きな問題は、ほとんど全てのデータを手作業で入力していたことです。4人の経理財務部員が、熟練した手入力でカバーしていたのです。しかし、支店経理業務が本社に集約されたことで社員精算の処理業務が急増し、ミスの発生リスクは高まる一方でした。結局、J-SOX対応を視野に入れるとパッケージシステムに切り替えるべきだろうとの理由で、システム刷新を決断しました」。

システム導入のポイント

できること、できないことを見きわめ、実現したいことは貫く姿勢で臨んだ

新しい会計システムの選定にあたり重視したのは、自社の企業規模にあった使いやすさを備えていること、経理業務の自動化を高いレベルで実現する機能を備えていること、の2点だったという。検討対象となったシステムは7製品。何度か見直しを行った結果、2008年3月、同社はGLOVIA smart 会計の導入を決定した。選定の理由について山田氏はこう語る。「まずは、信頼できる中堅企業向けITアプリケーションの調査・評価会社のリサーチでトップにランキングされている点を重視しましたが、最終的にはSEの知識の深さ、対応力で決定しました。ある事柄について質問すると、その答えはもちろん、3つ4つと参考案を示していただいたのは7社のベンダー中、富士通ただ1社。『間違いなく良いシステムになる。こういう人たちと仕事をしたい』と思わせてくれました」。

システム導入スタートに際しては、次の3つのことを取り決めた。

  • システム部門ではなく経理財務部が前面に立つ
  • 山田氏がトップに立ち、マスタ、科目の設定など根幹部分は担当するが、細部は各経理担当者が直接、富士通SEと打ち合わせを行い、導入作業を進める
  • 同社と富士通SEが、常に「できること」、「できないこと」、「必ず実現したいこと」を確認しながら作業を進める

山田氏は「導入作業は、直接のユーザーである経理財務部が行うべきと考えました。また富士通SEのアドバイスにより、それぞれの経理担当者が直接導入作業に関わることにしました。『自分が導入に関わるのだからしっかり考え、少しでも使いやすくしよう』との意識、意欲につながるだろうと考えたのです」。


日華化学株式会社 経営管理本部経理財務部 チームリーダー 友田 清美 氏

実際に導入に携わった同社経営管理本部経理財務部チームリーダーの友田清美氏は、こう振り返る。「私は債権の回収、債務の支払いのシステム部分を担当しました。債権・債務は業務を熟知した経験者でないと難しい業務だったので、誰でもこなせるよう、システム側に歩み寄ってもらう必要がありました。かなり手数がかかるだろうと思われましたが、どんなに時間がかかっても、富士通がなんと言おうと、実現させようと決めていました」。

2008年4月末にキックオフ後、「残業ゼロに限りなく近づくシステム環境の実現」「誰にでも操作ができ、担当者が不在時にも安心して代行できる経理業務環境の実現」の2つのスローガンを掲げ、導入は進んだ。そして2009年1月、ExchangeUSE ワークフローが、同2月、GLOVIA smart 会計が本格稼働した。ワークフローについては、本社、各支店において説明会を実施、また特定部署に1ヵ月間先行導入し、細部の課題を検証し、円滑な導入に成功した。

「経理財務部だけがどんなに頑張っても、各部署でデータを入力していただく社員一人一人の協力がなければ、システムの円滑導入は実現しないのだと、実感しました」(山田氏)。

導入の効果と運用上の工夫

作業負荷は5分の1に軽減し、管理会計業務の信頼性もアップ

大幅な業務効率化は、手入力作業が激減し自動化が進んだ点だ。導入前の作業負荷は、

  • 社員精算のデータを1日に100数十人分を手入力し、チェック、再チェックしていた
  • 旧会計システムへの入力は、各システムからデータを引き出し、手作業で入力

などのためにピークに達し、残業で対応していた。

「ExchangeUSE ワークフローの導入で精算処理業務は自動化され、また、GLOVIA smart 会計導入により、基幹、購買、人事給与など各システムからのデータとの自動連携が実現しました。導入前に比較し、経理財務部全体の入力作業負荷は5分の1ほどに軽減されました」(山田氏)。

新システム導入時、債権・債務部分のアドオン設計に積極的に関わった友田氏は、こう語る。「債権の消し込みについては、FB(ファームバンキング)の入金データを取り込めるようにしていただき、科目コードや取引コードの入力が自動化され、経験者でなくても取り扱えるようになりました。使い手が本気になって考えたことで、使いやすいシステムとなったと思います」。また、2~3日かかっていた債務支払い業務も、1~2日に短縮されたという。

導入効果は管理会計業務にも及んだ。「従来、管理会計資料は財務会計の数字を組み替えて作成していたのですが、手作業だったので常に精度面で不安がありました。それがGLOVIAにより自動化され、夜間処理で行われるようになり、作業負荷も軽減され、精度の心配も払拭されました。」(山田氏)。

さらに、グローバルネットワークを展開する上での導入メリットももたらされた。以前は、外貨支払いにおいて為替差損益を電卓で計算し、仕訳を作成してから入力していた。しかしGLOVIA smart 会計導入後は、その標準機能により、債務の外貨計上、支払仕訳の為替差損益の計上、などの作業が自動化されたのである。

目に見え、実感できる業務効率アップのみならず、経理業務そのものに対する姿勢にも確かな変化が現れているという。友田氏はこう述べる。「以前は業務に追われるまま、入力をはじめとする作業に没頭していました。しかし導入後、余裕が生まれたことで、みんなが経理業務についてどうあるべきか考え、改善を試みるようにもなりました」。各支店から送られてくるべき伝票の到着状況を調べるためのバーコード利用は、経理財務部担当者から生まれたアイデアを実現した例の一つ。Excelを使い、GLOVIAから送られてくるべき伝票の情報の一覧を作成し、実際に送られてきた伝票をバーコードで照合、未到着の伝票をチェックするという仕組みだ。山田氏は、「こうした経理財務部メンバーの経理業務に対する積極的な姿勢、常に業務効率を求めようとする意欲こそが、最大の導入効果だと考えています」と語る。

今後の課題は、さらにシステムに習熟し、経理財務部メンバーが各業務を完全にローテーションできる態勢を作り上げ、業務効率のさらなる向上とリスクの低減を図ることだという。富士通は今後も、同社の会計システムの進化を支援しつづける。

担当営業メッセージ

富士通株式会社
福井支店
濱端 博行

日華化学株式会社様の経理業務の課題・問題点をGLOVIA smart 会計、ExchangeUSE ワークフローの導入によって課題解決をご支援出来た事について、大変嬉しく思っています。

また、プロジェクトメンバーの皆様はもとより、現場の皆様方の新システム導入に対しての多大なご協力・ご理解の賜物により、計画通りに稼働出来た事につきまして改めて御礼申し上げます。

今後も、日華化学株式会社様のお役に立てるような情報提供を行い、今回のプロジェクト目標の1つで有りました「残業の無い職場の実現」に向かい、富士通グループ総力をあげてご支援させていただきたいと思います。

担当SEメッセージ

株式会社富士通北陸システムズ
産業・流通ソリューション部
塩原 有記

本システム導入が日華化学株式会社様の作業負荷軽減・業務効率化に繋がり、大変喜ばしく、光栄に思っております。

プロジェクトメンバーの皆様からは、業務・運用に必要なこと、実現されたいことを的確にご意見いただき、かつ、新しいシステムへの切替えに向けて建設的な打合せ・導入作業を実施させて頂き、我々もシステムイメージをより具体化しシステム導入を進めることができました。導入期間中は通常業務と伴に新しいシステムの検討・導入にご協力をいただき大変ありがとうございます、今後も良きパートナーとして歩めるよう誠心誠意ご支援させていただきます。

【日華化学株式会社様 会社概要】

所在地 〒910-8670 福井市文京4丁目23-1
代表者 代表取締役社長 江守 康昌 氏
創立 1941年9月15日
資本金 28億9854万5,000円
従業員数 1,119名(連結正社員数 平成22年3月31日現在)
事業内容 各種工業用界面活性剤および化粧品の製造・販売
ホームページ http://www.nicca.co.jp

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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