株式会社不二屋様
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食の安全と安心、健康ブーム、食育など、『食』への関心が一段と高まる中、消費者に、より新鮮で上質な食品を、どうしたら安価に安定して提供できるか、小売業界の競争はますます激化している。愛知県で創業から50年あまり、地域の人々に多くのファンを持つ食品スーパー『ナフコ不二屋』を営む株式会社不二屋様も、この業界で奮闘する企業のひとつ。基幹システムの見直しを契機にどのような構想を描き、店舗経営にITをどのように活用していくのか。その概要を伺った。
[ 2008年5月29日掲載 ]
導入事例概要 | |
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業種: | 食品スーパー |
ソリューション: | 量販店向け販売管理システム |
製品: | 「GLOVIA smart 量販店」
WebEDIシステム「ChainFlow(チェーンフロー)」(GLOVIA Smart連携商品) |
愛知県名古屋市、春日井市を中心にスーパー20店舗、酒販店1店舗を展開している株式会社不二屋様。地域の店舗と共同して設立したボランタリーチェーンに加盟し、その共同仕入れによってコスト低減に取り組んだり、物流の合理化のために小牧市に独自に物流センターを確保するなど、さまざまな取り組みを行っている。今回、オフコンベースの基幹システムがメンテナンス終了を迎えるのを契機に「GLOVIA smart」の導入を進めた。
課題と効果 | ||||
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1 | 自動発注や棚割分析など、より効率的な業務を可能にする、確固たる基盤を築きたい | ![]() |
量販店向け販売管理パッケージ
「GLOVIA smart 量販店」導入により解決 |
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2 | システムをオープン化することで、データの連携や活用を推進したい | |||
3 | メンテナンス終了となる、オフコンベースの基幹システムをリプレイスしたい | |||
1 | 紙ベースのチェーンストア伝票の入力作業を効率化したい | ![]() |
GLOVIA smart連携商品
「ChainFlow」導入により解決 |
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2 | 取引先での伝票発行のためのコストや手間を削減したい | |||
3 | これら労力やコストを下げ、価格競争力を高めたかった |
清田 啓嗣 氏
株式会社不二屋 総務次長
「実は、従来の基幹システムとは私が入社以来の、長い付き合いなのです。調子が悪くなったら、どう対応すればいいかなど、このシステムに関してはすみずみまで把握していました。その一方で、オフコンだからこその不都合も感じていました。今後、さらに店舗運営の合理化を推進するには、もっと柔軟性があり、データの活用や分析がしやすいシステムにするべき、との思いでリプレイスを決断しました」と、システム担当の清田氏は導入の背景を語る。
当初、オリジナルのシステムを開発することも検討したが、導入までの時間やコストがかかり、二の足を踏んでいた。そんな折、富士通から量販店向け販売管理パッケージ「GLOVIA smart 量販店」の発売アナウンスがあった。機能や規模が最適だったこと、既存の基幹システムと同じメーカーであり、サービスやメンテナンスなどの面でも信頼感があったことなどにより、その導入が決定された。
新システムの導入が決まり、準備が進むにつれて、問屋など取引先との非効率的な受発注のやり取りが大きな問題として浮かび上がってきた。問屋から届いた伝票内容を手入力したり、発注データをモデムと電話回線で各取引先へ送信するのに、多くの労力や時間を費やしていたのだ。
そこで、WebEDIシステム「ChainFlow」もあわせて導入されることとなった。
2007年4月にまず「ChainFlow」の利用が始まり、11月に「GLOVIA smart 量販店」が稼動した。これらのシステムを含めた不二屋様のシステムの全体は下図のようになっている。
「ChainFlow」によって不二屋様と問屋などの取引先との間で、発注から受注、出荷から入荷までペーパーレスで可能となった。取引先もこの合理化を歓迎する声が多く、このシステムへの切替えに協力的だ。2008年にはほぼすべての取引先の対応が完了する予定となっている。
「GLOVIA smart 量販店」によって、商品単品ごとの販売数量、利益が把握できるようになるなど、従来システムよりも管理の精度が高まった。Excelを利用したデータの連携や活用、分析がより手軽に行えるようになり、また、棚割分析など他のアプリケーションと連携する環境ができたため、単に販売データを管理するだけでなく、そのデータを積極的に活用してさらなる合理化やサービス向上のための施策を実現する基盤が整えられた。
清田 啓嗣 氏
これまで取引き先からの月間15万枚におよぶ伝票入力に7、8人がかりで延べ1週間から10日の労力を費やしていたが、その手間が大幅に軽減された。約2人分の作業が効率化された。取引先にとっても、伝票発行の手間や伝票用紙の経費削減になっている。さらに、発注データのやり取りにこれまでは電話回線とモデムにより、取引先ごとに通信していたが、これもインターネット回線に置き換えることで、長い時で一件あたり20分程度通信していた通信コストの節約、電話回線の有効活用が図れた。
これまで各店舗から本部への発注はHHT(ハンドヘルドターミナル)とオフコン専用の2400bps公衆回線を3回線利用していた。それを店舗PCと光回線に変更したことで、店舗PCによるHHT発注データの確認や退避を可能とし、各店舗から本部、そして取引先へ、より迅速で正確な発注が可能となった。「これまでは各店舗からのHHT発注がどうしても集中し、話中となることもしばしば。発注の時間は朝9時までと限られていますので、再送信などで忙しい店舗にとっては大きなストレスにもなっていました。それが解消されました」と清田氏はその効果を説明してくれた。
「GLOVIA smart 量販店」のExcel連携機能により、商品マスタの更新作業が大幅に効率化された。これまで手書きとファクスで取引先とやり取りして得た情報を基幹システムに一件ごと入力していた。それが、取引先からメールで送られてきたExcelのデータを取り込むだけに変わった。
さらにこの機能を活用して、特売時の各店舗、取引先との発注業務の効率化が計画されている。「特売の企画をGLOVIA smartで作成し、その内容をExcelに抽出すれば、あとは各店舗と発注の調整や取引き先様への発注も、すべてExcelベースで行えるようになります。発注の結果はChainFlowで戻ってきます。格段に合理化されます。」(清田氏)
「今後は、自動発注の仕組みを」と清田氏は今後の抱負を語る。現在、不二屋様の納品サイクルは当日が原則。朝、各店舗からの注文を本部で集計して発注、それを受けた各問屋では不二屋様の物流センターに配送、届いた商品を午後3時前後までに各店舗に配送するサイクルになっている。ただ各店舗にとって、朝は忙しい時間帯。発注業務のほか、商品の品出しや改訂された価格のPOSレジへの入力など、さまざまな業務を開店する10時までにこなさなくてはならない。店舗スタッフの負荷軽減のために、発注業務を自動化できないだろうかというのが発想の原点だ。しかも自動化によって正確な発注ができるようになれば、欠品によるチャンスロスが防げる。さらに、現在は発注する時間帯で入荷のタイミングが決められているが、自動化で常時発注がかけられるようになれば、顧客の買い物の時間帯に合わせて納品のタイミングをシフトできるようになる。
「GLOVIA smart 量販店の単品管理機能やChainFlowの活用で、自動発注は実現可能です。ただ、季節によって大きく売れ行きが変わるものなど、商品によって売れ方の特性がバラバラです。どんな商品はどのような発注をかければいいか、いま見きわめているところです。スタッフにとって働きやすく、地域のお客さまに対して便利な店づくりを推進するためにも、ぜひこの機能は実現したいですね」と清田氏は意欲を燃やしている。
「GLOVIA smart 量販店」と「ChainFlow」を基盤に、地域の人々に親しまれ、愛用される店として不二屋様はこれからも発展を続けていくことだろう。
所在地 | 〒461-0021 名古屋市東区東大曽根25-9 |
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従業員数 | 約1200名(パート含む) |
代表者 | 代表取締役社長 成瀬 敏典 |
設立 | 1955年12月 |
売上高 | 254億円 |
事業内容 | 食品スーパー/酒専門店 |
ホームページ | 株式会社不二屋(ナフコチェーン)ホームページ |
株式会社富士通中部システムズ 山田身成
この度は、ナフコ不二屋様の新基幹システム構築にお役に立つことができ光栄に思っております。本部システム再構築として6ヵ月という期間でオフコン業務から新規PKGに切り替えができ、大きな障害も無く安定稼働できたことは不二屋様のご協力なくしては実現できなかったと、大変感謝しております。今後とも不二屋様の成長と共にシステム面はもちろん幅広くご支援させていただきたいと考えております。
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