極東製薬工業株式会社様
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2005年4月から施行された改正薬事法のため、既存の生産システムに課題を抱えている医薬関連メーカーは多い。この改正薬事法に完全対応しているのがGLOVIA-C生産情報システムPRONESの製薬テンプレートである。極東製薬工業株式会社も1999年から使い続けていたシステムをPRONESにリプレースし、改正薬事法への対応はもちろん、生産管理/販売管理の統合を実現した。PRONES採用の決め手は、圧倒的な使いやすさと卓越したコストパフォーマンスであった。
極東製薬工業株式会社
創業 | 1933年 |
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設立 | 1952年(昭和27年)7月12日 |
本社 | 〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町7番8号 |
代表者 | 代表取締役社長 菊地 博 氏 |
資本金 | 7億8,300万円 |
従業員数 | 250名 |
事業概要 | 臨床検査薬関連の総合メーカーとして、臨床検査薬(体外診断用医薬品)、細菌検査用培地・試薬、医療機器、バイオ関連製品の製造・販売に従事。主な製品は細菌検査用生培地「バイタルメディアシリーズ」、自動分析装置用生化学・免疫血清試薬「ランピアシリーズ」、結核菌などの遺伝子同定試薬「DDHシリーズ」、医療用具真空採血管「インセパックシリーズ」など。 |
URL | 極東製薬工業株式会社
(www.kyokutoseiyaku.co.jp) |
極東製薬工業株式会社
取締役財務部長
石井 望 氏
極東製薬工業株式会社
営業本部営業管理グループ
グループマネージャー
中山 淳一 氏
極東製薬工業は、創業1933年(昭和8年)にさかのぼる診断検査薬の老舗である。代表的な製品には、検査用に細菌を培養する「バイタルメディアシリーズ」や血液採取の際に使用する真空採血管「インセパックシリーズ」などがある。
このほか多彩な試薬を、病院や保健所、検査センター、研究所等に納めているが、一般の方にはなじみが薄いかもしれない。わかりやすい例でいうと、1990年代後半にO-157騒動があったが、その細菌の有無を確認するための培地は、同社が以前から製品化しておりほぼ独占的に全国の保健所に出荷していた。
「細菌培養のために調整しシャーレに入れて使う薬品を培地と呼びますが、あの頃はO-157の検査用培地は弊社以外では手がけておらず、製造が出荷に追いつかない状況でした。」と、同社営業本部営業管理グループのグループマネージャーの中山淳一氏は振り返る。
やはり90年代後半のことであるが、IT業界では2000年問題が叫ばれるようになった。これに対応し、同社でもオフコンで稼働していたシステムを刷新して、新たな生産管理システムを構築した。「ところが、2000年問題に間に合わせるために時間的な余裕も少なく、生産現場の声を引き出すのが後手にまわりました。そのため、使いづらいシステムになってしまいました。」と取締役財務部長 石井 望氏は旧生産管理システムの課題を語る。
例えば、処理途中のデータの検証ができない。欲しいデータがあるときは、開発ベンダーに依頼して、特別に抜き出してもらう必要があり、ひどく面倒であった。確認したいデータを帳票に出力したくても、開発ベンダーに依頼して、システムのカスタマイズが必要になる。開発ベンダーの対応も早いとはいえず、時間もかかるし、それなりの費用もかかった。
また、「生産管理と販売管理は独立したシステムであり、連携がうまく取れなかったし、生産と原価のデータベースが連携していなかった。自由度が極めて低いシステムでした。更にはレスポンスが極めて悪く、生産管理現場のストレスが溜まっていました。」と、石井氏は当時の様子を語る。
やがて、2003年になってシステム再構築が検討されるようになる。おりしも、改正薬事法への対応も業界では話題となっていた。現状システムをカスタマイズして改正薬事法に対応するか、まったく刷新するか。ここで、同社の出した結論が刷新であり、それだけシステムの再構築についての期待や要望が大きかったと言える。
システム刷新の決定後、さっそく複数のベンダーに新たな生産管理システムの提案を求めた。まもなく、導入実績の多いベンダーの製品に、採用が決まりかける。その最終的な決定のために、最終選考に残ったベンダー各社のデモンストレーションを、工場で実施した。
ここで驚くべきことが起こった。デモンストレーションに参加した社員全員が、富士通のPRONESを支持したのである。「優れた操作性が評価されました。やはり現場では、旧システムのストレスが溜まっていたのだと思います。実際に、PRONESの使い易さは抜きんでていました。ここにPRONESの12年の実績があるのだなと実感しました。」と、中山氏もその日の模様を思い出す。
「富士通のPRONESは製薬向けの実績がなく、経営層として他社よりも安価だけども本命視していませんでした。しかしながら、その操作性に現場の強い支持が集まり、富士通の開発力にかけてみようということになった訳です。」と、石井氏も語る。
そう語られるとおり、この時点でGLOVIA-C生産情報システムPRONESの製薬テンプレートが完成していたわけではない。この決定を受けて極東製薬工業からのニーズを確認しつつシステム構築は急ピッチで進み、同時に汎用的な製薬テンプレートも開発されていった。極東製薬工業はGLOVIA-C生産情報システムPRONESの製薬テンプレートのモデルであり、第1号ユーザでもある。
「工場に常駐頂いたシステム・エンジニアの方々は本当に頑張ってくれました。その理解力の速さとシステム構築力には感服しましたが、何よりも嬉しかったのは、彼らが謂わば当社の社員になりきり社員と一緒になって開発を進めてくれたことですね。」という石井氏の言葉には、ユーザとSEが一体となって開発された本システムの幸せな誕生を物語るものと言えよう。
GLOVIA-C生産情報システムPRONES製薬テンプレートは、改正薬事法に対応している。例えば、製造業者にはこれまでの医薬品の製造管理及び品質管理基準(GMP)に加え極東製薬工業で取り扱っている医療機器や体外診断医薬品においても品質マネジメントシステム(QMS)が求められるようになった。更には元売業者である製造販売業者にも品質管理基準(GQP)が求められるようになった。これらQMSとGQPに必要な製造管理及び品質管理の機能が、PRONES製薬テンプレートには用意されている。
また、新システムは製造/品質管理/在庫管理/受注・出荷管理/販売管理の各システムが統合され、緻密で矛盾のないデータを提供する。新システムにはDWH(データウェアハウス)も用意されており、活動の可視化と豊富な経営資料を提供する。「DWHには期待しています。まだまだ使いこなしているとはいえませんが、経営に役立つデータを抽出し、意思決定に役立てたいと思います。」と、今後の抱負を石井氏は語った。GLOVIA-C生産情報システムPRONESは、極東製薬工業の生産現場から経営分野に至るまでを革新し、新たな成長を可能にしている。
新システムはワークフロー機能も用意されており、自席にいなくても必要な書類を確認したり、決裁出来るようになった。「工場では、現場の責任者が本社に出張に来ていても、業務上の承認行為を電子的に行えるようになりました。また、従来紙ベースで行っていた製薬業特有の多数ある品目及び、処方の新規マスタ登録や変更に関する情報を電子的に登録/審査/承認/通知/記録/履歴管理することで、管理部門のシステムの入力縲恚L録のトレースまでの業務がスピードアップされました。同時に文書や記録の管理数が飛躍的に削減されました。さらにサーバがパワーアップされ、生産管理計画の立案が短時間で出来るようになり、素晴らしいパフォーマンスです。」と中山氏は語る。
富士通株式会社
今回は極東製薬工業様のシステム刷新のお役に立つことができ、光栄でした。また、極東製薬工業様のご協力もあり、GLOVIA-C生産情報システムPRONESの製薬テンプレートが完成し、大変感謝しております。PRONESの優れた操作性と極東製薬工業様のノウハウが凝縮されており、わずか半年ほどで導入できる、すばらしいパッケージになったと確信しております。今後とも、幅広い方面でお手伝いできればと考えております。