京福電気鉄道株式会社様
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四半期決算の公開、連結決算の早期開示など、上場企業は透明性の高いスピーディーな決算報告が求められている。また、企業の社会的責任や信用が得られるよう、会計業務の精度向上を追求している企業も多い。大証二部上場企業である京福電気鉄道株式会社も、連結決算などの課題を抱えていた。そこで、採用したのがGLOVIA-C会計パッケージである。主なグループ会社とGLOVIA-Cを共有し、効率的で正確な決算処理を実現している。
京福電気鉄道株式会社
設立 | 1942年(昭和17年)3月2日 |
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本社 | 〒604-8811
京都市中京区壬生賀陽御所町3番地の20 |
代表者 | 代表取締役社長 山村 勝保 氏 |
資本金 | 10億円 |
運輸開始 | 1910年(明治43年)3月25日(四条大宮?嵐山間) |
従業員数 | 106人(平成17年3月31日現在) |
事業概要 | 嵐山線(四条大宮?嵐山間)と鋼索線(比叡山ケーブルカー・ロープウェイ)の2線を経営。京都西地区の名所を結ぶ嵐山線は嵐電と呼ばれ、京都市民に親しまれている。事業の統廃合や子会社への業務委譲を積極的に進め、連結対象は13社に及ぶ。 |
URL | 京福電気鉄道株式会社(http://www.keifuku.co.jp/) |
京福電気鉄道株式会社
管理本部 部長
長尾 拡昭 氏
名所の多い京都でも、金閣寺や嵐山はそのトップクラスの知名度を誇るであろう。さらに、天龍寺、仁和寺、妙心寺、北野天満宮……。これら世界遺産にも選ばれている著名な寺院を結んでいるのが嵐山線だ。四条大宮と嵐山を結び、帷子ノ辻(かたびらのつじ)からは分岐して北野白梅町へと続いている。京都では親しみを込めて「嵐電(らんでん)」と呼ばれており、この嵐電を経営しているのが京福電気鉄道だ。
「運輸開始は1910年(明治43年)ですので、嵐電ができて100年になろうとしています。嵐電は、世界遺産にも選ばれている多くの名刹を巡ることができます。京都市等もこれらの地域の集客に力を入れており、弊社も一翼を担っています」と、京福電気鉄道株式会社 管理本部 部長 長尾 拡昭 氏は語る。
その沿線のイベントは、春の桜トンネル、夏の五山送り火、秋の嵐山もみじ祭、冬の除夜の鐘など、極めて豊富だ。特に、冬季の集客を目的にした嵐山のライトアップが、大きな反響を呼んでいる。また、嵐山では温泉も出ており、駅では足湯のサービスを開始。新たに全面改装した嵐山駅とともに、このサービスも観光客に喜ばれている。
京福電気鉄道がIT化を開始したのは1988年(昭和63年)のことである。富士通のオフコンKシリーズを導入し、それまで手作業だった経理業務等を電算化した。そして、CAPSELからSuperCAPSELへとバージョンアップしていくとともに、固定資産管理や未払い金管理などの、オリジナルのサブシステムも加えていった。
京福電気鉄道株式会社
管理本部 主任
松田 康弘 氏
同社では競争力の強化とスピード経営を目指し、事業の統廃合や子会社への業務委譲を積極的に進めていく。その一環で課題となったのが、四半期決算の公開やグループ会社との連結決算の早期化など、決算処理のスピードアップと精度の向上であった。2002年(平成14年)の頃のことである。「当時の潮流として四半期開示や連結決算の早期開示が求められていました。弊社は大証二部に上場していることもあり、システムの見直しに着手することになりました」と、長尾 氏は振り返る。
使い勝手も限界に達していた。「例えば欲しいデータがあっても、オフコンですから簡単に取り出すことができません。旧システムではデータの保存も長くはできず、過去のデータを分析する際も、出力帳票からExcelに再入力していました」と、旧システムの課題を、京福電気鉄道株式会社 管理本部 主任 松田 康弘 氏は語る。
2002年(平成14年)11月から新システムの検討が本格的に開始され、その条件は「データ活用の実現」と「連結決算への対応」の2点であった。ここで選ばれたのがGLOVIA-C会計パッケージであった。「経理業務の効率化やデータ活用はもちろん、前機種も富士通製品でしたので、GLOVIA-Cならデータ移行も問題ないだろうと判断しました」と、選定の理由を松田 氏は語る。
同時に、連結決算のために採用されたのがGLOVIA-Cのファミリー製品「CA-DRIVER」であった。
2003年(平成15年)9月には役員会で導入が決定され、11月から設計を開始する。「富士通のエンジニアの方に、毎週のように福井から京都まで足を運んでいただき、大変助かりました」と、松田 氏は当時を振り返る。そして、2004年(平成16年)4月からは稼働を開始。極めてスピーディーなシステム構築を実現している。
グループの中で最大規模の会社は京福電気鉄道と京福バスであり、この2社には共有ライセンスで、それぞれGLOVIA-Cを導入した。さらに京福電気鉄道側にCA-DRIVERを導入することで、スムーズな連結決算処理を実現している。「GLOVIA-Cの導入で点と点を結んで線にできました。それまで連結処理は全てExcelによる手作業でしたが、グループ会社の財務データを自動取り込みできるようになりました。もちろん、経理業務も効率化できました。月次処理は福井の事務所と京都本社でそれぞれに入力し、さらに本社側で合算していました。今では一元的に処理でき、大幅に短縮されています」と、システムの効果を長尾 氏は語る。
蓄積されたデータの活用も進んでいる。「予算と実績を対比するためのレポートであれば、GLOVIA関数を使って簡単に抽出できます。さらに、データビューワで確認したい点をドリルダウンでき、大変便利だと思います」と、松田 氏もGLOVIA-Cの高度な機能を認める。例えば、予実管理において、予算と実績で大きな乖離があると、ドリルダウン照会をするという。最終的にはデータビューワで伝票レベルまでドリルダウン照会をして、原因を探ることができる。
GLOVIA-Cに用意されている帳票の電子化機能で、紙出力も大幅に削減できた。「例えば、勘定科目ごとの元帳を毎月約500枚出力していましたが、これらがまったく不要になりました」と、松田 氏は語る。会計士による監査でも、GLOVIA-Cからデータを確認するだけで済むようになった。「FDWH(ファイナンシャル データウェアハウス)は3年蓄積できるようにしています。1年目でこれだけ使えるのですから、3年先はデータ活用が充実すると思います」と、松田 氏は楽しみにしている。
しかし、全員が同じレベルで使いこなしているとはいえず、これが課題となっているともいう。「使える人間が限られており、浸透していないのが現状です。できれば、役員も含め欲しい情報に自在にアクセスできるようにしたいと考えています」というのが、今後の松田 氏の抱負だ。 「連結の強化も課題として残っています。まだまだ手作業に頼っているところがあり、各社のレベルが統一できていません。また、現在固定資産管理などはオリジナルのシステムをGLOVIA-Cに連携させて使っていますが、GLOVIA-Cシリーズでこれらも統一していくことができたらと考えています」と、長尾 氏も語った。
業務の効率化とスピードアップ、さらにデータ活用や紙出力の削減。これらからわかるように、京福電気鉄道はGLOVIA-Cの持てる能力を十分に使いこなしている。GLOVIA-Cの鮮やかな導入成功事例ということができるだろう。
福井システムズ株式会社
第二ソリューション部 営業課
西田 寛 氏
京福電気鉄道様とのお付き合いは、初めて富士通のオフコンKシリーズを導入した1988年(昭和63年)からのことになります。その頃はOA化と呼ばれておりまして、以来一貫してお手伝いでき、大変感謝しております。また、今回導入したGLOVIA-Cを確実にご活用いただき、喜んでおります。関連会社も含め、今後もお役に立つご提案を重ねていきたいと思っております。