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Fujitsu

Japan

原価の見える化で迅速・正確な経営判断が可能に。製造現場の意識改革にも寄与

アイジー工業株式会社様


アイジー工業株式会社様は2005年より製造過程の見直しに取り組み、周到な準備段階を経て、製造現場の担当者一人ひとりの原価低減、歩留まり向上に対する意識改革を推進。

2009年、富士通の「GLOVIA smart 製造 PRONES」の導入に踏みきり、徹底した原価管理、さまざまな指標の「見える化」により、生産効率と製品競争力の向上に成功している。

[ 2010年9月2日掲載 ]

導入事例概要
業種: 建築用資材製造
ソリューション: 生産管理
製品: GLOVIA smart 製造 PRONES コイルテンプレート

断熱サイディング「ガルバロックシリーズ」(イメージ)

アイジー工業は、1970年の会社設立以来、建築用金属製外装材(金属サイディング)生産を手がけ、金属サイディングの分野では国内シェアトップを誇る。その強みは高い技術力だ。金属サイディングは外側を覆う金属板と、外気温の遮断と室内の温度を逃がさない機能を果たす発泡樹脂材からなる。同社の生産ラインは、材料のロール状金属板(母材コイル)の成型加工、樹脂発泡、製品切断、梱包まで連続工程で生産が完了する。しかも豊富なバリエーションの製品は、国が定める防耐火認定を多数取得している。高性能と高品質が大きな強みになっており、こうした技術がシェアトップの競争力を支えている。

同社はGLOVIA smart 製造 PRONESを導入し原価管理を徹底、原材料高騰のなかコスト競争力をつけ、より高い技術力と製品力を実現した。

課題と効果
1 より速い経営判断のために、正確な経営指標をリアルタイムに把握したい。 製造直接費を製品ごとに素早く算出。より正確な経営指標の把握が可能に。
2 製造部門の担当者が行動の指標にできる原価情報を見える化したい。 ラインの稼働率や工数、製品毎の原価情報や指標を把握でき、原価、歩留まり向上の具体策追求の姿勢が現れてきた。
3 生産日報記録や伝票類の発行に手書き作業が介在、作業効率が悪く、転記ミスなどのリスクがあった。 日報や伝票の入力と帳票類の発行が連動したことで、転記ミスが解消。業務時間も大幅に短縮した。

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導入の背景

経営者と生産現場、それぞれの指標を求めて

アイジー工業株式会社 代表取締役社長 金田 直治 氏

システム導入に際して同社が力点を置いたのは、同社の強みをより強化することだった。つまり、高い技術力に磨きをかけることで、より高い生産性や収益性を実現しようと考えたのである。同社執行役員総務部長の山口隆氏は「それが最小のエネルギーで最大の競争力を得る方法であり当社の戦略。いわば生産管理について、“鳥の目”と“虫の目”を持つことでした」と語る。

鳥の目とは経営判断の目にほかならない。経営層がいち早く正しい経営判断を下すための指標を、迅速かつ正確に把握する方法である。代表取締役社長の金田直治氏は「従来は、変動費、固定費、直接費、間接費の明細が見えにくく、経営上の問題を漠然と認識している状態でした。経営指標の把握はつねに半月遅れ。現状をリアルタイムにとらえ、先を見わたす目が必要だった」と語る。また“虫の目”について、山口氏はこう説明する。「生産現場に求められるのは、その日の状況や変化を把握し、打つべき手が何であるかの判断です。それを支えるものとして、原価管理、購買管理、工程管理の3つのシステムが求められました」。

システム選定と導入効果

システム導入で生産現場の意識が大きく変わった

アイジー工業株式会社 執行役員 総務部長 山口 隆 氏

導入にあたって検討対象となったシステムは4種。GLOVIA smart 製造 PRONESを選定した理由は次の2点だったという。「第一に、製鉄所などで製造された母材コイルを購入し加工するような業態に対応できるテンプレートを持つ生産管理システムは、GLOVIA smart 製造 PRONESだけでした。また第二に、コイルを扱う業界の特殊性をいちばん良く理解していたのが富士通のシステムエンジニアだった点です。私どもの業態に近い導入事例を引き合いに提案していただき、『これならいけそうだ』と確信しました」。

システム導入後、見えてきた効果について金田社長は経営者の立場からこう語る。「経営判断に必要な指標が迅速に数値化され、見えるようになったことは大きな効果。しかしもっと大きな効果は、システムの原価管理機能により、生産性の向上具合が数値で確かめられることで、現場担当者の仕事への取り組み姿勢が変わったことです」。

アイジー工業株式会社 総務部 IT推進チーム リーダー 村上 豊 氏

山口氏が具体例を挙げて説明する。「製造現場の担当者が、それぞれの立場で、どうしたら原価を低減、歩留まり向上させられるか、金額、時間、工数など多様な単位で確認できるようになりました。たとえば検査工程の、まだ経験の浅い担当者が、梱包前の製品をチェックする段階で問題を見つけたとしましょう。システム導入前は不良品をはじくだけでしたが、導入後は、はじくことでどのくらい歩留まりが変わるか数値で確かめられます。前工程の担当者に連絡し、より根本的に問題解決しようとする行動が、ごく自然に現れています」。意識変革は、同社の強みである技術力のさらなる向上をもたらし始めている。

日々の業務においても、さまざまな効果が出ている。総務部IT推進チームのリーダー、村上豊氏は、「従来、生産ラインごとにしか算出できなかった製造コストが、製品ごとに算出できるようになりました。また、製造や購買部門では旧システムに日報を打ち込み、伝票作成では入力データを書き写すなど手書きで行っていましたが、新システム稼働後は日報作成、伝票発行が連動し、転記ミスが解消、作業時間も大幅に短縮されました」と語っている。

導入までの経緯と成功要因

徹底した生産工程の見直しプロセスを経てシステムを導入

2009年4月、GLOVIA smart 製造 PRONESの導入を決定してから2010年4月1日の本稼働までは1年。限られた時間のなかで構築された同システムだが、稼働の2ヵ月後には各担当者のシステム習熟度も一定水準に達し、その後、順調に稼働を続けている。山口氏は導入、稼働の経緯を振り返り、「GLOVIA smart 製造 PRONESの導入、稼働を実現させるまでに、生産プロセスを段階的に見直すアナログ的な取り組みの時代があったのです」と語る。

山口氏によれば、第一段階は2005年で、スローガンは主力工場の生産性の向上だった。実はこのとき、システム導入の声が上がった。しかし社長の「そもそも製造の体制がしっかりできていない状態で導入すれば、誤った体制にもとづいたシステムになってしまい、やがて回らなくなる。製造体制そのものの見直しから始めよう」との方針が打ち出され、地道な生産プロセスの見直しが始まった。

このプロジェクトはコンサルティング会社のサポートを受けつつ、段階を踏んで2010年まで続いた。その内容は、製造現場の行動管理から始まり、工場責任者が製造実績をさまざまな指標で振り返る工場損益検討会の実施、すべての改善効果を金額により定量的に把握する取り組みなどだった。

プロジェクトメンバーには生産現場のエース2人を加えることが決定。当然のことながら、現場は主力社員の引き抜きに戸惑ったが、コンサルタントから「2人がいなくなったものと思って協力するように」と説得されたというエピソードもある。

同社は6年にわたる製造部門の見直し作業などを経て、製造体制のどこをどのようにすれば、技術力や生産効率をアップできるかを見極めた。

そして自走的にシステムを導入、運用にあたる能力と人材を備え、2010年3月にはコンサルティング会社のサポートを終了した。

金田社長はこう語る。「システムの稼働までに長い時間がかかりましたが、その構築を通して社外の空気に触れることで、社員は大きく成長しました。予想外の副次的効果です」。

富士通はこれからも、よりすぐれた生産管理システムの開発に取り組み、製造業の発展、成長を支えていく。

パートナーメッセージ

富士通株式会社
東北支社 産業・情報営業部
竹谷 英之

金田社長や山口執行役員をはじめとした、お客様プロジェクトメンバーのみなさまの多大なご尽力により、予定通り本稼動を迎えることが出来ました。お客様の経営目標である「チャレンジ&スピード」、「ジャンプアップ活動」具現化の一助となれば、これに勝る喜びはございません。引き続き、お客様のビジネスパートナーとなるべく努力して参る所存です。

【アイジー工業株式会社様 会社概要】

所在地 〒999-3716 山形県東根市蟹沢上縄目1816-12
代表者 代表取締役社長 金田 直治 氏
設立 1970年4月
資本金 2億5,350万円(2010年3月末現在)
事業内容 主に建築用断熱外壁材(金属サイディング・金属サンドイッチパネル)及び金属屋根材の研究開発、製造、販売
ホームページ http://www.igkogyo.co.jp/

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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