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Fujitsu

Japan

多品種少量・短納期と制約条件で複雑化する生産計画立案業務を、生産計画管理パッケージシステムで大幅効率化

あずみ野工場全景

ゴールドパック株式会社様 あずみ野工場 導入事例


ゴールドパック株式会社様 あずみ野工場は2004年、多品種少量生産、短納期化に余裕を持って対応するため、生産業務の改革に取り組んだ。その中で重要課題と位置づけられたのは生産計画立案業務の効率化。2006年、生産計画管理パッケージシステムを導入することで、同業務は大幅に効率化された。

[ 2011年8月5日掲載(2022年5月26日一部改版) ]

【導入事例概要】
業種: 飲料製造
ソリューション: 生産計画管理

【あらまし】

飲料製造では、型替えや着香など特有の制約条件を考慮し、いつ、どのタイミングで、どのくらいの量を生産するかの、効率的な生産計画を立案する必要がある。同社あずみ野工場においては近年、受託製造事業が拡大。それに伴い、生産数量の増減、急な注文、キャンセルにも対応可能な柔軟で精度の高い生産計画立案業務を求められるようになった。飲料製造に特化した各種機能を備えた計画管理システムの導入により、業務負荷は軽減し、属人化していた生産計画立案業務の標準化も実現した。

【課題と効果】
1 多品種少量、納期の変更などにより負荷が増していた、手作業による生産計画立案業務を効率化したい システムの導入により、数時間~半日かかっていた生産計画立案業務は1時間以内に短縮
2 生産計画立案がもっぱらベテラン担当者の業務になるなど属人化していた状況を標準化したい システム導入により業務の標準化が進み、引き継ぎもスムーズに運ぶようになった
3 生産計画立案業務への参画に多くの時間を費やしていたライン長の業務負荷を軽減したい 同参画の時間が大幅に短縮され、ライン長は本来の業務である品質管理や業務改善に専念できるようになった

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導入の背景

受託製造事業の拡大に伴いあずみ野工場を新設

桜井克治
ゴールドパック株式会社
取締役 兼 執行役員 工場長

清涼飲料メーカーのゴールドパック株式会社様は、長野県安曇野市と松本市にフルラインシステムの工場を持ち、国内産の新鮮な野菜、果物と、北アルプス山麓の清く澄んだ豊かな天然水で野菜・果汁ベースの各種飲料を製造・販売する。日本初の野菜ジュース、にんじんジュースを開発した歴史を持つことからも分かるように、高い製造技術と製品開発力を持っている。
同社の事業は大きく分けて2つ。自社ブランド製品を製造販売するメーカー事業、そして飲料メーカー(ブランド・オーナー)から指定された仕様に応じて飲料を生産する受託製造事業を展開する。1959年(昭和34年)の創業から1980年代までは松本工場におけるメーカー事業が主力をなしていたが、受託製造事業の拡大に伴い、1991年に最新鋭の製造ラインを備えたあずみ野工場を新設した。同社あずみ野工場長の桜井克治氏は「受託製造事業では、ブランドオーナーさんが商品の基本設計をしますが、我々の持つノウハウを使い、よりよい商品をオーナーさんと一緒に作り上げるつもりで生産に臨んでいます」と語る。

手作業による生産計画立案業務に多大な時間がかかる

小幡修一
ゴールドパック株式会社
生産管理部 計画課 課長代理

同社は2004年から、生産業務改革プロジェクトを発足させ、工場運営システムの構築を目指した。その背景には、消費者の嗜好がますます多様化するなかで、多品種少量生産と短納期化に対応する、効率を極めた生産体制が求められる状況があった。とりわけ業務の効率化を必要としたのは生産計画立案業務だった。「当あずみ野工場にはペットボトル、紙容器、缶の各ラインがあり、生産計画課が中心となり、各ライン長の経験とノウハウを参考に最適な月間生産計画を考え、Excelシートに手入力して週間タイムチャートに打ち出していました。最近では製品の入れ替えサイクルがどんどん短くなっているので、生産計画立案の時間が増大。システム化の必要性が高まっていました」(同社生産管理部計画課課長代理 小幡修一氏)。

導入のポイント

属人的な生産計画立案業務を標準化し、変化に柔軟なシステムが求められた

平林 浩
ゴールドパック株式会社
生産管理部 計画課 係長

とくにシステム化が求められたのは、数量の増減、急な注文やキャンセル、そしてミネラルウォーターを作るときは着香を考慮し、香りの強い飲料は別のラインであっても同じ時間帯に作らないなどの制約条件に正確に対応する生産計画態勢だった。同社生産管理部計画課係長の平林浩氏はこう語る。「制約条件を複雑に組み合わせざるを得ないため、生産計画立案業務は属人的になっていました。また、本来ライン長はラインに向かって品質向上に集中するべきなのですが、生産計画立案作業にもかかわらなければならないため、業務負荷が高まっていました」。

食品・飲料業界に特化した機能を高く評価

百瀬聡明
ゴールドパック株式会社
営業開発部 営業管理課 課長

2004年、富士通の計画管理システムの導入検討を始めた同社は、間もなく導入を決定、翌2005年4月から運用を開始した。同社営業開発部営業管理課課長の百瀬聡明氏は、採用の理由をこう説明する。「富士通の計画管理システムが充填計画を重視している点、飲料製造特有の型替えや着香などを考慮して計画をきめ細かく設定できる点が優れていました。また全国100サイト以上に導入実績があること、SEのスキルが高く、開発元による直接サポートを受けられる点も決め手となりました」。

システム概要と導入のプロセス

生産依頼から生産計画立案、運用までをシステム化

計画管理システムの主要機能は、スケジューラー機能の基準生産計画立案、製造順序計画立案、帳票作成など。生産量のバランス調整を行う基準生産計画機能は、営業部門が管理している受注情報から生産依頼量を取り込み、いつ、どのタイミングで、どのくらいの量を生産するか、週単位、ライン単位で「山積み」表を作成する。製造順序計画機能では、基準生産計画で求めた生産作業量から洗浄、型替などの生産データや制約条件を考慮し、製造の順番が立案される。こうして立てられた生産計画を受け、週間・月間生産予定表、連続タイムチャートなどの帳票がExcelで出力される。また2006年には、営業と製造の情報を共有するパッケージ「SCP IVY(エスシーピー・アイヴィー)」を導入。これにより工場の生産状況が「見える化」され、顧客の要求を即座にラインに反映させられるようになった。


同社が展開する、安曇野シリーズ「旬穫り野菜ジュース(無塩)」

導入の効果

半日を要した生産計画立案書作成が1時間で

太田秀樹
ゴールドパック株式会社
生産管理部 計画課 係長

生産計画管理システムの運用開始から6年。システム導入以前、計画数量が変更になったり、急な注文やキャンセルへの対応で半日かかっていた生産日程の設定は大幅に短縮された。同社生産本部生産管理部生産管理課係長の太田秀樹氏は「例えば生産量を追加する場合、納期を早める場合など、増加数量を入力する、納期のエンドを繰り上げる操作だけで、システムが推論し、瞬時に新しいタイムチャートが出力されるのです。またこの結果を『SCP IVY』で営業と共有できるようになったため、営業からも『生産現場の状況をリアルタイムで見ながら、受注をとりまとめられるようになった』との声が寄せられています」と語る。
また従来、生産計画立案業務がベテラン担当者に限られ、異動した場合、引き継ぎに時間がかかる属人的問題も解決。「システムのルールに従えば、だれが立案しても同じ結果になるので、引き継ぎもスムーズです。とくにライン長が生産計画立案業務から解放され、品質管理、業務改善、ISOやHACCP等のマネジメントシステム面のチェックに専念できるようになったことは、大きな効果です」(桜井氏)。
富士通は、各種の業種特化機能を備え、長年にわたり高い評価を得ている生産計画管理パッケージシステム「GLOVIA/SCP FK」を進化させた製造業向け統合計画管理システム「GLOVIA smart 製造 PROFOURS」を2011年5月にリリース。製造業務のコアとも言える計画業務を強力にサポートしていく。

製造業を知り尽くした富士通がご提供する次世代スケジューラー
「GLOVIA smart 製造 PROFOURS」

今、日本の製造業は、日々変化する市場ニーズへ対応するため、的確・確実・迅速な計画管理業務を求められています。統合計画管理システム「GLOVIA smart 製造 PROFOURS」は、幅広い製造業界の業務システム開発に携わってきた富士通がご提供する、次世代のスケジューラー。
その導入により、製造負荷の偏りを解消、納期遵守率の大幅向上、在庫の適正管理、情報の「見える化」による業務効率のアップを図ることができます。とくに、「GLOVIA smart 製造 PROFOURS」が優れているのは、「業種特化機能」すなわち製造製品、その工場や設備の生産形態や操業条件、制約条件に応じた各種機能を搭載している点です。装置業・加工業・組立業の25業種に100に上る特化機能を提供し、生産計画管理システムの早期導入・早期稼働を実現します。食料品・飲料業種向けには、賞味期限、着香の防止、型替、材料替え、CIP洗浄、製造ロット(バッチサイズ)、歩留まりの条件、季節変動などの操業条件・制約条件などが考慮されています。

担当SEメッセージ

富士通株式会社
Digital Solution事業本部 SCMソリューション事業部
シニアディレクター
伊藤 博隆

プロジェクト成功の鍵は、お客様をはじめ全関係者の想いが、ひとつになることです。
今回は、業務改革に対するお客様の強い信念により、大きな効果をあげるシステムが実現したものと、心より感謝申し上げます。
私どもは、計画専門組織として、新たな計画業務を取り入れた「GLOVIA smart 製造 PROFOURS」を用いて、お客様のさらなる成長に貢献し続けます。

【ゴールドパック株式会社 会社概要】
所在地 本社
〒140-0002
東京都品川区東品川4丁目13-14  グラスキューブ品川
松本工場 〒390-0833 長野県松本市双葉12-63
あずみ野工場 〒399-8211 長野県安曇野市堀金烏川1984-1
代表者 代表取締役社長 林 邦広 氏
設立 1959年(昭和34年)
資本金 3億300万円
事業内容 ゴールドパック株式会社 ロゴマーク
野菜・果実飲料の製造・販売、および受託製造
ホームページ ゴールドパック株式会社 ホームページ 新規ウィンドウが開きます

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