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グループ企業全体の最適化に貢献する新生産管理システムを「glovia.com」で構築

このページの情報は、2003年に掲載されたものです。
最新情報は、GLOVIAトップページよりご覧ください。

低コスト化、短納期化の要求が一段と高まるなど、製造業を取り巻く環境はますます厳しさを増している。多様化する顧客ニーズに迅速に応えていくためには、生産の最適化をさらに推進していくことが不可欠だ。グローリー・グループの製造業務を担うグローリー機器株式会社では、2002年7月から新たな生産管理システムの稼働を開始。この新たなITインフラを支えているのが、「glovia.com」である。

グローリー機器株式会社

設立 昭和26年10月16日
本社 姫路市御国野町国分寺67番地
資本金 8000万円
代表者 取締役社長 田冨 直樹氏
年商 110億9000万円(2002年度実績)
社員数 460名
事業内容 グローリー・グループの中核を支える製造会社。タバコ自動販売機、カード販売機、券売機、両替機、コインロッカー、アミューズメント施設向け各種機器などの製造を手がけている。
URL グローリー機器株式会社新規ウィンドウが開きます(http://www.glory-kiki.co.jp/)

長年培った技術力を活かし高品質な製品群を生み出す

グローリー機器株式会社
情報システム部
主査

森 博 氏

「GLORY」ブランドの金融機関向け貨幣処理機、自動販売機、両替機などで、広く知られるグローリー工業株式会社。その関連会社として、グループ各社製品の製造を担っているのがグローリー機器株式会社である。同社ではタバコ自動販売機、カード販売機・コインロッカーなどのサービス機器、アミューズメント施設向け機器の製造を担当。販社であるグローリー商事株式会社などの関連会社と共に、グローリー・グループのビジネスを支えている。

グローリー機器の最大の強みは、板金加工技術や塗装技術に代表される卓越した製造技術である。大型箱物の生産ラインでは、産業ロボットをはじめとする最新の生産設備によって自動販売機が整然と生産されている。また、セル方式による組み立ても行うなど、生産性を高めるための様々な取り組みも実施している。

グローリー機器 情報システム部 主査 森 博氏は「グローリー工業で開発した製品を製造するのが、当社の基本的な役割です。その中には当社が開発も含めて担当している製品もあるため、設計開発から板金塗装、組み立てまで一貫して行える体制を確立しています」と語る。

業界をリードするトップ・カンパニーだけに、製品品質などに対する顧客の要求レベルは高い。これに対して、高度なモノ作りの技術を十分に発揮することで、市場の信頼に確実に応えている。

市場環境変化に対応すべく生産管理システムの再構築に着手

同社では2000年中頃から、生産管理システム再構築の検討に取りかかった。市場環境が急激に変化する中で、短納期化・低コスト化のさらなる追求、多品種・小ロット化への対応など、新たな業務要件が次々に生まれている。しかし、約20年にもわたって使い続けてきた旧生産管理システムは、大量生産を前提としたものであり、こうした要求に応えることが難しくなっていたのである。

「たとえば、部品在庫を減らしたいと思っても、旧システムはMRP(所要量計画)発注をベースとしているため、どの機種、どのロットに使用する部品かというところまで管理できませんでした。仕方なく運用を工夫するなどして対処していましたが、やはりシステムが新しい取り組みの足かせとなるような状況は望ましくない。そこで、システムの抜本的な再構築に踏み切ることにしたのです」と森氏は経緯を語る。

今回のプロジェクトには、もう一つの大きな要因があった。親会社であるグローリー工業が開発・生産・物流・販売の最適化を目指し、SCMの構築を一部進めていたのである。森氏は「製造子会社である我々としても、当然この動きに即応していかなくてはなりません。製・販一体化によるグループ全体最適化を実現していく上でも、旧システムの再構築は不可欠でした」と続ける。

「glovia.com」で開発された「G☆STAR/M」を導入

生産管理システム再構築プロジェクトは、2001年4月に正式発足。目的として掲げられたのは、「仕掛かり在庫の削減」「管理レベルの向上」「間接作業の効率化」の3点である。森氏は「第1項については『実施計画に合わせた部品納入』と『日割り納入の実現』、第2項については『実施計画とEDP納期の精度アップ』、第3項については『製造/工程管理の自動化・簡素化』『調査・調整時間の簡素化』を、それぞれ具体的目標として設定しました」と説明する。

こうした要件を満たすべく、新システムの基盤として採用されたのがグローリー工業で先行稼働していた新生産管理システム「G☆STAR/M」である。グローリー工業では「G☆STAR/M」を構築するにあたり、ERPパッケージの良さと独自の生産管理ノウハウを組み合わせたシステムを実現できる製品として「glovia.com」を採用。姫路工場において2001年5月より本稼働を開始させていた。

グループで事業を展開する企業の中には、それぞれが個別に導入したシステム同士を連携させて業務を行っているところもある。だが、同社ではこうした手法をとらず、「G☆STAR/M」をベースに自社システムを構築する方法を選択した。森氏はその理由を「当社は製造子会社ですが、自社内で開発業務を行う場合もあります。このため、業務プロセスにグローリー工業と共通する部分が多く、既に実績を挙げている『G☆STAR/M』を導入するのが最適と考えました」と語る。

「G☆STAR/M」を利用すれば、新たな業務基盤を短期かつ低コストに実現することが可能になる。さらに、グローリー工業の製品開発情報システム「G☆STAR/D」とも容易に連携することができるため、グループ全体最適化を実現する上でも大きなメリットが期待できる。同社ではこうした点を評価して実際の構築作業に着手。2002年7月に、無事本稼働を迎えた。

独自の新機能も追加し業務の効率化を推進

いくら業務プロセスの似たグループ企業同士とはいえ、両社の要件が何から何まで全く同じというわけではない。そこで、導入にあたっては、グローリー機器独自の機能も追加された。

「グローリー工業から支給される部品の管理を行う『グローリー工業支給品管理機能』、板金のみ・塗装のみなど、部品単品での受注管理を行う『単品受注機能』、『作業指示・実績工数データの収集機能』、終息する部品の手配や管理を行う『ラストオーダ管理』、仕様変更が発生した場合の影響度を調べる『シミュレーション機能』などの機能を追加しています」と森氏は語る。

新生産管理システムが稼働したことで、これまで抱えていた問題点は一気に解消されつつある。森氏は「以前のようなMRP発注ではなく、部品の手配段階からロット紐付きで発注を行うことができています。その結果、モノのムダな滞留を大幅に削減することに成功しました。部品・仕掛在庫の圧縮、在庫スペース削減、計画変更への迅速な対応、物流の効率化、管理工数削減など、様々なメリットを生み出すことができたのです」と満足げに語る。

本稼働から半年しか経過していないため、導入効果を定量的なデータとして算出するまでには至っていない。同社では、仕掛在庫50%削減、在庫スペース20%削減、間接作業効率10%アップを見込んでいる。

グループ全体最適化の実現に向け今後もシステムをフル活用

汎用機からオープンシステムに移行したことで、情報をより有効に活用できるようになったメリットも大きいと森氏は語る。「以前は、現場からこういうデータが欲しいと依頼されても、それに応えるのが難しい面がありました。現在では、即座に必要なデータを抽出することが可能になっています。情報システム部門の負担が減ったのはもちろん、現場の改善をスピーディに進める上でも新システムが貢献しています」(森氏)

生産管理システムの再構築には全社的なBPR(ビジネスプロセス再構築)が伴うため、プロジェクトがなかなか進まず悩んでいる企業も多い。

グローリー機器では、グローリー工業の支援を受けると同時に、現場のキーマンもプロジェクトメンバーに招聘し、全社一丸となって再構築に取り組んだ。森氏は「『プロジェクトを成功させよう』という気運が自然に高まったおかげで、作業をスムーズに進めることができました。大型プロジェクトにおける体制作りの重要さを強く感じましたね」と振り返る。

「今後はグループ企業間の連携をさらに強化し、グループ全体最適化の実現に貢献していきたい。さらに、今回のシステムを核に、社内の製造業務を支援する仕組みも作っていこうと考えています」と森氏は意気込みを語った。

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