シチズンファインテックミヨタ株式会社様
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高周波振動子片、光通信用コネクター部品、光ピックアップ部品、磁気ヘッドなどを製造し、日本の電子立国を支えてきたシチズンファインテックミヨタ株式会社(旧社名:シメオ精密株式会社)。同社ではリアルタイム経営や企業体質の強化などを目的に、全社的な統合システムの再構築に挑戦している。その中核となる財務会計として採用されたのが、GLOVIA-C V10会計情報システムだった。採用の決め手はFDWH(ファイナンシャル・データウェアハウス)による充実した管理会計機能。経理業務の大幅な効率化を実現するとともに、タイムリーで精度の高い会計データを提供している。
シチズンファインテックミヨタ株式会社 (旧社名:シメオ精密株式会社 以下文中では、旧社名にて表記しております。)
設立 | 昭和38年6月 |
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本社 | 〒389-0206
長野県北佐久郡御代田町御代田4107-5 |
代表者 | 代表取締役 今井 厚之助 氏 |
資本金 | 17億5850万円 |
従業員数 | 385名(2003年3月31日現在) |
事業概要 | 超精密加工技術や薄膜技術に強みを持ち、水晶デバイス部品、光学部品、光通信部品、情報機器部品、時計部品の製造・販売に従事。生産と販売の海外展開にも積極的に取り組んでいる。 |
URL | シチズンファインテックミヨタ株式会社
(http://cfm.citizen.co.jp/) |
日本は、1964年(昭和39年)の東京オリンピック前後から高度経済成長期に入り、高品質な工業製品を大量生産していく。シメオ精密が設立されたのはこのオリンピックの1年前、1963年(昭和38年)のことである。シチズン時計グループの一員として、腕時計の軸受石の国産化を目指し、長野県の北佐久郡に誕生。その後、時計部品製造で培った精密技術をいかし、電子部品や情報機器部品の製造を開始し、日本の電子立国を支えてきた。
主な製品は、高周波振動子片、光通信用コネクター部品、光ピックアップ部品、磁気ヘッド、時計部品など。高周波振動子片は携帯電話やパソコン、カラーテレビ、デジタルカメラなどで使用される部品であり、光ピックアップ部品はCDやDVD、MDプレーヤなどで使用される部品だ。
同社はグローバル展開にも積極的に取り組んでいる。磁気ヘッドは1994年から台湾での委託生産に着手し、96年には合弁会社を設立して本格的に生産を開始している。この販売のために香港にも会社を設立した。また、高周波振動子片は、2003年に中国蘇州に会社を設立し、2004年から操業する。これは中国での安価な労働力を得ると同時に、新市場の獲得という販売上の狙いもあってのことである。
シメオ精密株式会社
管理部 経理課 課長
飯塚 芳良 氏
順調に製品と売上を拡大し、同社は2000年9月には店頭公開を実現する。だが、2001年度にはIT不況の影響を受け、赤字決算を計上。これが今回のGLOVIA-C V10会計情報システムによる、経理システム刷新のきっかけになった。
代表取締役社長に今井厚之助 氏が就任したこともあり、2002年7月から全社的な「統合システムプロジェクト」が立ち上がる。その目標は、リアルタイム経営や企業体質の強化などであった。
「財務、生産、販売、購買、人事、給与など、全社的な業務とシステムを見直すものです。これにより、全社の動きをリアルタイムに把握し、スピーディで確実な経営判断を下すことを目指しました」と、同社 管理部 経理課 課長 飯塚芳良 氏は語る。
全社システムを構成する複数のシステムの中で、最優先されたのが中核となる財務管理であった。プロジェクト発足直後から、経理業務の課題を洗い直し、システム要件を整理。国内の主なパッケージの選定に入った。
シメオ精密株式会社
管理部 経理課 経理グループリーダー
依田 仁 氏
シメオ精密株式会社
管理部 経理課 電算グループ
関 晶子 氏
シメオ精密の経理業務のコンピュータ化は、1980年代初頭のオフコンの導入から始まっている。オフコンも世代交代を重ね、旧システムは、富士通のKシリーズとSuperCAPSEL会計情報システムとの組み合わせになっていた。
旧システムの最大の課題は、効率的な管理会計の実現であった。管理会計を実現するために、500種類におよぶ製品ごとに、原材料や人件費、福利厚生費などの直接・間接コストを、それぞれに伝票を起票し、システムに入力していた。起票する伝票の数と入力作業は膨大となり、これが経理業務の大きな負担となっていた。
「GLOVIA-Cがバージョン10になって、高精度なFDWH(ファイナンシャル・データウェアハウス)をベースとした管理会計機能が搭載されました。データの二重入力や手作業でのコストの配賦がなくすことが可能となります。これが採用決定の大きな要因でした」と、同社 管理部 経理課 経理グループリーダー 依田 仁 氏はV10の機能の高さを認める。このV10を導入することで、精度の高い前月実績データを、それぞれの部門長にタイムリーに提供することができるようになった。
バージョンアップで、さまざまな機能強化も行われている。「V10になって、データ保存期間の15ヵ月という制約がなくなりました」と、同社 管理部 経理課 電算グループ 関 晶子 氏は語る。
FDWHによる管理データのきめ細かさも魅力である。科目、細目、内訳というように階層化され、きめ細かく管理できる。また、上田にソレキアの支店があり、充実したサポートを受けることができるのも魅力であった。
シメオ精密株式会社
管理部 経理課 財務グループ グループリーダー
遠藤 武次 氏
2002年12月にGLOVIA-Cの採用を決定。翌年2~3月には旧システムと並行稼働し、テスト。4月からは単独で本格稼働するというように、極めて短期間で導入を成功させている。
「移行に関しては、科目コードが同じものもあり、スムーズに行うことができました。画面構成など従来使っていたSuperCAPSELと似ているために、利用者の抵抗も少なかったと思います」と、移行のしやすさを同社 管理部 経理課 財務グループ グループリーダー 遠藤武次 氏が語る。
新システムにより、利用者からのデータ抽出の要求にもスピーディに応えることができる。以前は、蓄積されているデータからの抽出は、その度にプログラミングするなど、時間と手間が必要だった。だが、新システムではデータビューワを利用することで、自在にデータ検索が可能となっている。これらデータをExcelに取り込んで、ピボットテーブルなどで集計や分析ができるようになった。売上予定のシミュレーションや、合理化のための経費分析などが可能となっている。
GLOVIA-Cを導入して、課題であった正確で効率的な管理会計を実現。それまでに必要だった伝票の起票と入力作業が不要となり、大幅な効率化を実現できた。それにより、人員の再配置と有効活用が可能となっている。
「管理会計の実現には試行錯誤もありました。新システムを使って、配賦機能の使い方などを理解しながら、新たな仕組みづくりを進めていきました」(依田 氏)。
FDWHの効果も大きい。例えば、経費が異常な値を示したときも、データもドリルダウンしてその原因を突き止めることができる。
経理システムの安定稼働を受けて、現在生産管理システムの再構築が進んでいる。やがて、販売や人事などの新システムにも着手することになる。「これら全社システムの中核として、GLOVIA-C会計パッケージの役割はますます大きくなろうとしています。さらに、海外グループ会社との連結決算も求められています」と、飯塚氏はGLOVIA-C会計パッケージへの期待の大きさを語る。
ソレキア株式会社
東日本支社 信越営業統括部 長野支店
瀧澤 仁 氏
GLOVIA-C V10会計情報システムへの移行にあたって、運用面での問題を非常に心配しておりましたが、シメオ精密様の刷新に対する目的意識がはっきりしており、スムーズに移行できました。また、経理課皆様の率先した行動により、導入準備期間も短縮できました。今後は、全システムをすべて会計システムに連携する等、将来的な構想も明確にもっております。シメオ精密様のご発展に、微力ながらより良いご提案を行っていきたいと思っております。