被災者支援 活動レポート: 被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)様の取り組み

【特集】

ボランティアが宮城県内の避難所で実態を把握しニーズを専門のNPOへとつなぐ

被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ) 様の取り組み

「被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)」様は、今回の東日本大震災を受け、多様な配慮を必要とする人たちの聞き取りを避難所で行うとともに、支援が必要な被災者を専門のNPOへとつなぐ活動を進めています。
富士通は、アセスメント(注1)により得た情報をデータベース化する仕組みとしてSaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」を提供し、つなプロ様の活動に協力しています

被災者をNPO とつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)とは…

2011年3月11日に発生した東日本大震災による被災地・被災者に対する支援を行うことを目的として発足した。特に広域的な支援では、軽度の要介護者、精神的要支援者、外国人、障がい者、アレルギー者や難病患者、高齢者などのマイノリティ(注2)の声が見落されがちになる。被災地において、こうした特別な配慮を必要とする方々のニーズを把握し、専門的支援へとつなげる活動を実施している。これまで地域社会において、困難を抱える人たちに様々な社会サービスを開発・提供し、阪神・淡路大震災でも活躍してきたNPOが、それぞれの専門性を活かした支援を行うことで、避難先での死亡や状況悪化の回避を進めている。

(注1)アセスメント : 起きた事象に対してどのような影響を与えるかを予測、調査し、評価すること

(注2)マイノリティ : 社会的に支援が必要な弱者

被災地では特別な配慮を必要とする人たちの声が見過ごされがちになる

今回の大震災は、被害が極めて甚大であり、救援活動の長期化が予想された。避難所では、健常者に交じって、妊産婦、軽度の要介護者、精神的要支援者、外国人、障がい者、アレルギー疾患や難病の患者等、様々な配慮を必要とする人たちも避難している。

避難生活においては、こうした人たちに配慮した支援が必要であり、各分野の専門性を持つNPOの連携が重要になる。そこで、東北地域のNPOネットワークの中核的存在である「せんだい・みやぎNPOセンター」と、全国のNPOが連携し、被災者をNPOとつないで支えようという目的で立ち上げられたのが、「つなプロ」である。

アセスメント項目は最終的に120項目にもわたった

3月17日から、先遣隊による事前のアセスメントや、避難所および地域での関係づくりが始まった。

実際に被災地に入ると、阪神・淡路大震災と比べて、高齢者率が非常に高いということがわかった。その違いに着目した結果、非常に細かな項目まで視野を広げていかないと、本当のニーズは拾えないことに気づき、本番の多数のボランティアが参加したアセスメントでは質問項目は最終的に120項目にもなった。

データベース化できたことで記録に残すという意識が生まれた

アセスメントは、食生活や衛生状況、避難所の設備、高齢者・要介護者、子ども、外国人の把握など、多くの項目に及んでいる。当初はExcelに入力し、集計するつもりでいたが、それでは手間がかかりすぎる。こうしたことから富士通で協力したのが、SaaS型アプリケーションサービス「CRMate(シーアールメイト)/お客様接点力」の提供だった。

アセスメントで得た情報をデータベース化したことで、ボランティア自身に、最終的な結果を活動レポートとして記録に残し、世の中に出すのだという意識が生まれた。

22の市町村を巡回し、505件のニーズの発見に結びつける

アセスメントでは、5週間にわたって22の市町村に設置された避難所を巡回し、505件のニーズの発見に結びつけた。そのうち、つなプロとして取り組むべきニーズは232件にのぼった。

ニーズを持つ避難者と専門のNPOを結びつけた、具体的なマッチングの例の一つとしては、ある精神障がいを持った方が、自分たちの車が流されてしまい、薬をもらいに病院に行けず不安を抱えているというケースがあった。そこで、移送ボランティアを派遣するとともに、精神障がい者支援を行うNPOを通してその後の継続的な支援の対策も行った。

クラウドの活用で物理的な距離を超え、同時入力が可能に

当初、つなプロでは気仙沼、登米(とめ)、仙台にチームを派遣し、情報を集めていた。マッチングを担当するチームは仙台に事務所を置き、各地から集まってきた情報を分析し、必要な支援については、その支援先を探すという作業を行っていた。

挙がってくる情報はそれぞれのボランティアによって、質の濃淡がある。あらかじめ統一したフォーマットを用意したことで、そうした質のバラつきをなくすことができた。また、クラウド(SaaS)のシステムを使うことで、多数の人間が物理的な距離を超えて、同時に入力することができた。

高速集計機能の導入で作業効率が飛躍的に高まる

特別なニーズを持つ避難者と専門のNPOとをつなぐマッチングで、富士通が提供した高速集計システム「Shunsaku」も大きな効果を発揮した。集計スピードが上がったことで、作業効率が高まり、深夜の作業負担が軽くなった。

緊急支援から復旧、そして復興という新たなフェーズに

今後は、今、困っている人を救う対処療法的な支援から、アセスメントの分析結果をもとに予測を立てながら復興を図っていく時期に入る。復興期には、今回のアセスメントでクラウドに集まった情報を活用・分析し、被災地で行政は何をすべきか、NPOは何をすべきか、そして、企業はどのような役割を担うべきかということを、個々の点ではなく、3者をつないだ面で捉えていくことが必要である。

緊急支援から復旧、そして復興へ。新たなフェーズを迎え、被災地での支援はこれからが正念場を迎える。

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写真提供 : 被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)
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