Reimagine Your Business
DX CASE FILE:導入事例
学校法人 城西医療学園 日本医療科学大学様

富士通の「CoursePower」でパンデミックを乗り切る──

LMSの再構築と全授業リモート化の実践 LMSの再構築と全授業リモート化の実践

日本医療科学大学では新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)への対策として、2020年度の前期授業(5月13日)から遠隔授業を始動させました。その当初、アクセス負荷にLMSが耐え切れず、アクセス障害が発生するなどのトラブルが発生しましたが、富士通の「CoursePower」にLMSを切り替えたことで、リモートによる学びの環境を良質化させ学生による学びの活性化につなげています。本稿では、その遠隔授業のお取り組みについて日本医療科学大学教務課の川﨑 慧氏にお話しいただきます。なお、本稿に示す川﨑氏のお話しは、2020年11月に富士通が主催したWebセミナー「ニューノーマルにおけるLMS活用事例セミナー」でのご講演内容に基づくものです。

  1. 導入前の課題
    • コロナ禍対策による全授業のリモート化によって従来の学修支援システム(Learning Management System:以下LMS)への負荷が高まり、アクセス障害が発生するなどのトラブルが発生した
    • 全授業を対象にした遠隔授業の始動により、教員と学生との双方向のコミュニケーションが減ってしまう懸念があった
  2. 導入後の効果
    • CoursePowerの導入で教員と学生とのコミュニケーションが円滑化。学生による講義資料の反復閲覧も活性化し、成績が向上
    • 全授業でのLMSの共通化により、学生の利便性が向上。学生による学修状況の把握も容易に

導入の背景
全授業のリモート化でアクセス障害が発生
CoursePowerの採用へ

日本医療科学大学は、医療の高度化・専門化に対応した人材の育成を主眼として2007年4月に設立されました。保健医療学部の下、診療放射線学科、リハビリテーション学科 理学療法学専攻・作業療法学専攻、看護学科、臨床工学科の4学科2専攻を有し、2021年からは臨床検査学科も開設します。

本学がコロナ禍対策として遠隔授業を始動させたのは2020年5月11日のことです。ただし、その3日後の5月13日にLMSにアクセス障害が発生し、学生がシステムにログインができないという事態に見舞われました。

障害の根本原因は、それまで使っていたLMSがアクセスの急激な負荷に耐えられなかったことです。具体的には、全授業のリモート化によってLMSに対する同時アクセス数が通常時(2019年5月時点)と比べて5倍に跳ね上がり、そのワークロードをLMSのサーバがさばき切れず、ダウンしてしまったということです。

この障害自体はLMSに対するログイン制限をかけるなどの応急措置によって何とか解決することができました。ただし、現行のシステムを使い続けていては今後の授業に支障をきたすとの結論に至り、新たなLMSの選定・導入に踏み切りました。結果として採用したのが、富士通のLMS「CoursePower」です。

導入のポイント
クラウドへの対応、コミュニケーション機能が
CoursePower選定のポイントに

CoursePowerを選んだ大きなポイントの一つは、このシステムがクラウドプラットフォーム上での運用を可能にしている点です。
言うまでもなく、私たちが新しいLMSに最も強く求めたのはアクセス数が増大してもシステムダウンなどの障害を発生させないスケーラビリティです。ゆえに、システムの選定に際しては、そのシステムが、サーバのキャパシティの拡縮が柔軟に行えるクラウドプラットフォーム上で使えるかどうかが重要でした。

また、CoursePowerが教員と学生とのスムーズな情報共有やコミュニケーションをサポートする機能を備えている点も評価しました。

リアルな授業では教員と学生との間でさまざまなコミュニケーションが自然発生的に行われ、教員が学生たちの学びの状況をとらえるのも簡単です。ところが、遠隔授業になると教員と学生たちのやり取りが資料・レポートの提示・提出だけとなり、教員からは学生の学びの状況が見えづらくなります。その点、CoursePowerでは掲示板やグループワーク機能など、教員が学生の学びのプロセスや状況を知るためのコミュニケーション機能が備わっています。それもCoursePowerを採用する決め手になりました。

加えて、CoursePowerの操作が簡単であることや、本学がすでに導入を決めていた富士通の大学教務事務パッケージ「Campusmate-J」との連携が容易であることなどもCoursePowerを採用した理由といえます。

さらにもう一つ、CoursePowerに対する富士通のサポート品質の高さにも、結果的に大いに助けられました。CoursePowerによる遠隔授業を始動させたのは、このシステムの採用決定からわずか2週間後です。このような短期間で新たなLMSが立ち上げられたのは、富士通の手厚いサポートと支援があったためです。

日本医療科学大学 教務課 川﨑 慧 氏

導入の効果
CoursePower導入で講義資料の閲覧が活発化
学生の成績がアップ

本学では、実験・実習の事前・事後学修やグループワークにCoursePowerを有効活用しています。また、CoursePowerのテスト機能も積極的に活用しており、遠隔授業後の学生の理解度をチェックする用途や国家試験対策としての演習用途に活かしています(図)。

このうち国家試験対策における実活用の例としては、国家試験の練習問題100問をCoursePowerに登録して、その中からランダムに10問が出題されるように設定し、学生たちが自分の空き時間を使ってスマートフォンなどから“クイズ形式”で練習問題に取り組めるような環境を構築したケースがあります。

このようにCoursePowerは学修支援システムとしての機能が豊富で使いやすく、すでにさまざまな効果を本学にもたらしてくれています。
例えば、教員の間からはCoursePowerの導入後、学生が講義資料を反復して閲覧するようになり、成績の向上が見られているとの声が挙がっています。また、CoursePowerの導入でグループワーク機能やテスト機能などが使えるようになったことは、教員たちが自身の遠隔授業のあり方を見直し、より効果的な学びつなげるきっかけにもなっています。

全授業で使うLMSをCoursePowerで共通化できたことで、学生にとっての利便性も向上しています。例えば、学生たちはCoursePowerを通じて、自身のレポート提出状況を授業単位で簡単にとらえられるようになりましたが、これによって自分の学修状況に対する教員のコメントを含めて「他者と比べた自分の状況」を正確に把握できるようになったといえます。

図:日本医療科学大学におけるCoursePowerのテスト機能の使用例

今後の展望
CoursePowerのさらなる活用に向け
教員・学生のサポートに注力

本学では今後もCoursePowerの有効活用を図る計画です。計画の一つは、国家試験対策を強化するためのツールとしてより広範に使っていくことです。先に述べたとおり、CoursePowerのテスト機能はすでに国家試験対策の演習に使用していますが、それを行っているのは特定の学科に限られています。ゆえにこれからは、より広範な学科での利用を促進していくつもりです。さらに、今後も全授業のリモート化が必要とされる事態が起こりうることを想定し、学生による授業の事前・事後学修をより活発にする仕組みづくりにも力を注ぎます。併せて、CoursePowerの活用レベルの教員ごと・学生ごとの格差是正に向けて利用者のサポートにも注力していきます。

学校法人 城西医療学園 日本医療科学大学様

所在地 〒350-0435 埼玉県入間郡毛呂山町下川原1276
代表者 学長 新藤 博明
教員数 80名(2020年5月1日現在)
学生数 1,434名(2020年5月1日現在)
ホームページ https://www.nims.ac.jp/wp/新しいウィンドウで表示
概要 日本医療科学大学は1984年設立の城西医療技術専門学校を前身として2007年4月に設立された。医療の高度化・専門化に対応した人材の育成を主眼に1学部(保健医療学部)・4学科2専攻(診療放射線学科、リハビリテーション学科 理学療法学専攻・作業療法学専攻、看護学科、臨床工学科)を擁する。2020年に診療放射線学科・理学療法学専攻における国家試験合格率100%を達成、また2021年には臨床検査学科を開設する。

大学ソリューションに関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ

  • お問い合わせ

    当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

  • 0120-835-554
    (通話無料)

    富士通Japan株式会社(お客様総合センター)
    受付時間 9時~12時、13時~17時30分(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)

ページの先頭へ