日本トランスシティ様は柔軟性とアプリケーション資産の長期継続利用にこだわり、安定性と耐障害性に勝るアプリケーション基盤をJavaで構築しました。
[ 2013年3月1日掲載 ]
業種: | 運輸・倉庫業 |
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製品: | ソフトウェア
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1 | 荷主様要望に的確に応えるシステム基盤にしたい | ![]() |
柔軟性に優れたアプリケーション基盤を整備 |
2 | アプリケーション資産を10年以上利用したい | ![]() |
Javaアプリケーションの互換性保証で長期継続利用 |
3 | オープン環境でも柔軟にバッチ制御を実現したい | ![]() |
メインフレームと同等のきめ細かなバッチ制御を実現 |
創業明治28年の日本トランスシティは業界4位を誇る中部地区最大規模の倉庫・物流会社である。情報システムの構築・運用は、グループ会社のトランスシティコンピュータサービスとの二人三脚で行っている。
同社は2010年、16年間稼働した物流管理システムの刷新を2段階に分けて開始した。1段階目となる今回は、メインフレームからオープン環境への移行を中心に実施し、2段階目は新機能追加を中心にこれから着手する。刷新の1段階目では、従来と同等の機能やオンライン / バッチ性能、端末の操作性をオープン環境で維持することはもちろん、変化への対応力強化も狙った。「単なる効率化・省力化のみならず、時代とともに変化するビジネス状況、荷物の出し入れパターンの多彩化など、顧客である荷主様の要望に対して、柔軟に追随できる業務アプリケーション基盤を必要としていました」と日本トランスシティは語る。
アプリケーション資産の継続利用性も重視した。10年以上の長きにわたり、業務アプリケーション資産を利用できる基盤を整備したいと考えたのだ。
あわせて、バッチ制御にもこだわった。従来、夜間に加え日中でも指定した時間間隔でのジョブ実行など、顧客要件や業務優先度などを考慮したバッチ制御を行っていたが、オープン環境でも、同様の制御を実現する必要を感じたという。
オープン環境への移行にあたって、COBOLで構築した従来の物流管理システムをバッチや帳票も含め、Javaで再構築することとなった。「ベンダー3社の提案を比較し、実績なども加味して総合的に評価した結果、富士通の提案を採用しました。基盤製品は親和性の観点ですべて富士通製を選びました」と同社は話す。
オンライン業務のJava実行環境を提供するアプリケーションサーバには、Java EE準拠の「Interstage Application Server」を採用。バッチシステム基盤に「Interstage Job Workload Server」、オープン環境でメインフレームと同等の帳票印刷を実現する「Interstage List Works」を選定した。操作画面の設計から開発、業務運用の効率化や標準化のためのフレームワークとしては「Interstage Application Server」と親和性の高い「INTARFRM」を導入した。
2012年5月、新国内物流管理システム「WALTZ」(注1)が稼働。トランザクション約100万件/月、日中のバッチ処理約16万本/月をにらみ、拠点 / 荷主別に展開中だ。
業務アプリケーションの基盤再構築では「Interstage Application Server」 によって安定レスポンスを保証するGC制御(注2)や多重制御機能を搭載したトラブルに強いシステム基盤とした。膨大なCOBOL資産はジョブ制御用のJCL(注3) をコンバータ機能によって効率よくオープン環境へ移行。荷主様とのEDI連携のみ、荷主様のシステム対応負担をなくすため、従来のCOBOL資産を残してJavaと連携させた。「Javaでの開発は初めてでしたが、画面テンプレートなど「INTARFRM」を活用して、開発を30%以上効率化できました。同時に標準化も達成できました」と同社は語る。
さらに、インフラのサイジングの難しさを解決するため、業務量、性能要件を加味し、ベンチマークテストにより、JavaとCOBOL共存のバッチ処理性能を実機検証した。富士通SEのサポートを「プロジェクトの各段階で手厚い支援があり、大変助かりましたね」と同社は評価する。
物流管理に欠かせない帳票出力を制御する配信の仕組みも踏襲した。約1300種類もの帳票が、一度設定するだけで指定したプリンタに自動で配信・印刷できる。「この仕組みが変わると、業務へ多大な影響を及ぼします。メインフレームと同等の配信をオープン環境で実現できるのは「Interstage List Works」だけでした」と同社は言う。
【日本トランスシティ株式会社様導入事例 システム概要図】
Java EE準拠のソフトウェアと柔軟に連携できるWALTZは、顧客要件に合わせてシステム連携や規模拡大に即応できる。「お客様の要望などの変化に応じて、Java EE準拠の業務アプリケーションを柔軟に変更できる基盤を整備できました」と日本トランスシティ。
端末の操作性については「ファンクションキーやTabキーを主体に使うなど、メインフレームと同じ操作性をWebで実現し、現場の運用性を維持できました」と話す。
アプリケーション資産の継続利用の点でも満足できる結果となった。「富士通JavaとJavaアプリケーションの互換性保証などによって、業務アプリケーション資産を長く使える基盤を整備できました。加えて、COBOLからJavaへ移行したことで、旧資産の保守への不安が解消されたのも大きいですね」と満足げだ。
バッチ制御も「メインフレームと同等のきめ細かな制御が実現できました」と語る同社。荷主様の優先要件にあわせて日中も大量のバッチ処理を実行し、オンライン業務と合わせてタイムリーにデータを反映できる。
刷新の2段階目を進める日本トランスシティ。「新機能を追加し、さらなる業務効率化や顧客満足度向上に取り組みます。今後、新たに発生するシステム開発への展開も図っていきます」と同社は意欲的だ。
社名 | 日本トランスシティ株式会社 |
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創業 | 1895年7月 |
本社所在地 | 三重県四日市市千歳町6番地の6 |
資本金 | 84億28百万円 |
取締役社長 | 小川 謙 |
従業員数 | 731名(2012年9月30日現在) |
事業概要 | 倉庫業、港湾運送業、陸上運送業を柱に、国際複合輸送業を担う、中部地区最大規模の倉庫・物流企業。日本全国への展開のほか、米国や中国、東南アジアなど、海外にも意欲的に進出している。「安定・信頼」を大切にし、物流品質の向上に取り組みながら、グローバルな視点からのシステマティックな物流と新たな活動分野を創造する。
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ホームページ | 日本トランスシティ株式会社 ホームページ![]() |
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