経営戦略へ柔軟に対応するシステム連携基盤導入により、短期でシステム統合を実現し、競争力を強化したNKSJひまわり生命保険株式会社様の事例です。
[ 2012年4月20日掲載 ]
業種: | 保険会社 |
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製品: | ソフトウェア
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1 | サービス向上などの経営の要望に柔軟に対応したい | ![]() |
システム連携基盤により柔軟で拡張性のあるシステムを実現 |
2 | システム統合のコストを抑えたい | ![]() |
既存資産の活用でコストとリスクを最小化 |
3 | 短期間で高信頼なシステムを構築したい | ![]() |
メインフレーム間連携により短期で高信頼システムを実現 |
NKSJひまわり生命保険は2011年10月1日に損保ジャパンひまわり生命と日本興亜生命が合併して誕生。医療保険「健康のお守り」や収入保障保険「家族のお守り」などの保険商品を中心に事業を展開している。
奥居 裕明氏
NKSJひまわり生命保険株式会社
情報システム部長
NKSJひまわり生命保険 情報システム部長 奥居 裕明 氏は「生命保険の事業では、商品販売や保険料支払いなどの事務処理をいかに確実かつ効率よく行えるかが肝要です。そのため、業務を支えるシステムの重要性は自ずと高まります」と語る。
同社は合併に際して、富士通製メインフレーム使用の日本興亜生命のシステムと、他ベンダー製メインフレーム使用の損保ジャパンひまわり生命のシステムを統合した。
NKSJひまわり生命保険 情報システム部 部長 並河 健一郎 氏は新システムのポイントを「競争が激化する生命保険業界において、さらなる差別化を果たすために、商品やサービス、チャネルなどの新規追加・拡張・変更に対して、経営のスピードに合わせてより迅速かつ柔軟に対応可能なシステムが必要です」と挙げる。
並河 健一郎氏
NKSJひまわり生命保険株式会社
情報システム部 部長
藤本 泰成氏
NKSJひまわり生命保険株式会社
情報システム部 IT開発グループ
課長
システム統合に際しては、コスト削減も命題となった。
NKSJひまわり生命保険 情報システム部 IT開発グループ 課長 藤本 泰成 氏は「システムのコスト削減がますます求められるなか、システム統合に要するコストの最小化は必須でした」と話す。
同時に、短期間での統合が大前提とされていた。
NKSJひまわり生命保険 情報システム部 IT基盤グループ リーダー 丸井 亨 氏は「合併が発表された2010年3月31日から2011年10月1日までの短い期間で、システム統合を完了させなければなりません。無論、高い品質と信頼性を確保する必要がありました」と振り返る。
丸井 亨氏
NKSJひまわり生命保険株式会社
情報システム部 IT基盤グループ
リーダー
同社は合併のシステム対応にあたり、柔軟性やコスト、期間への要求、さらには新規構築や改修のリスクも考慮した結果、旧両社の既存メインフレームを継続利用し、両者を連携させる手法を採用した。
「既存システムへの影響を極力排除しつつ、タイムリーな連携を容易に実現できる手段として、システム連携基盤を構築することにしました。もともと合併発表以前からSOAに注力しており、SOAの考え方にもとづいたシステム統合が最適な手法と判断したのです」(奥居氏)
システム連携基盤は連携性と信頼性、統合作業における生産性の確保を条件に選定。そこで選ばれたのが富士通のエンタープライズ・サービスバス「Interstage Service Integrator」(以下、ISI)である。ISIはシステム間のインターフェースの違いを吸収して連携するため、既存の業務システムをそのまま活用できるのが特長だ。
2010年4月、ISI導入により、両メインフレームの双方向通信によるシステム連携基盤を整備し、リアルタイム連携を実現した。同基盤をベースに、両メインフレームにまたがって処理を行う業務を構築。合併前から契約しているお客様が新たに契約するケースに対応できるよう、旧両社の保険金額を合算して処理する「通算処理」もシステム連携基盤により実現したのである。「旧両社のメインフレームから保険金額のデータを取得・合算するなどの処理に、システム連携基盤を活用しています」(藤本氏)
2010年10月には構築を終え、テストのフェーズに移った。「約6カ月間をかけてテストを実施し、求められる品質を確保しました」と丸井氏は語る。
NKSJひまわり生命保険はISIで構築したシステム連携基盤によって、短期間でシステム統合を実現した。「他ベンダー製メインフレームとのデータ連携を容易に実現できました。オープンシステムとも連携できるので、様々な環境のシステムを組み合わせることができ、商品やサービス、チャネルの新規追加・拡張・変更により素早く柔軟に対応可能となりました」と並河氏。丸井氏も「今まではシステム連携の度に基盤システムを個別に開発していましたが、今後はシステム連携基盤に接続するだけで新会社の基幹システムを利用することができるため、拡張性における効果が期待できます」と語る。藤本氏は「システム構築する際に、メインフレームでの構築を前提に考えていました。今後は容易にシステム連携が可能になるため、システム構築を行うプラットフォームの選択の幅が広がるようになると考えています」と続ける。
コスト面でも、満足いく結果が得られた。「既存のメインフレーム資産をそのまま活用でき、なおかつ、システムの改修を極力抑えられたことなどにより、リスク低減とともに必要最小限のコストで統合できました」と並河氏は評価する。
そして、システム連携基盤によって生産性が向上し、期日までにシステム統合を完了できた。「システム連携基盤を使わない場合に比べ、高い生産性で構築ができ、安定したレスポンスなど、品質も確保できました。また、改修リスクの最小化などにより、信頼性も確保できましたね」と丸井氏は目を細める。
今後はよりコンパクトに、システムの効率化を図るとともに、現状を活かしながら基幹システムの最適化を段階的に進めていく。「たとえば、コールセンターや代理店向けなどフロントのシステムを拡充することで、顧客満足度をより高めるなど、さらなる競争力強化のためのICT活用を推進していきます」と奥居氏は展望を語る。
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿六丁目13番1号 新宿セントラルパークビル |
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設立 | 1981年7月7日 |
資本金 | 172億5千万円 |
取締役社長 | 松崎 敏夫 |
従業員数 | 2,524名(2010年度末) |
事業内容 | NKSJグループにおいて成長分野と位置付けられている生命保険事業を担い「お客さま視点で全ての価値判断を行い、お客さまに最高品質の安心とサービスをご提供し、社会に貢献すること」を経営ビジョンの中心に据え、お客さまからこれまで以上に選ばれる会社となることを目指す。
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本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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