株式会社さくらケーシーエス 様

PostgreSQLの信頼性を強化したデータベースを適用
より競争力の高いソリューションを構築

販売管理システム「B-Prosper」における「Symfoware Server(Postgres)」適用事例

「B-Prosper(ビープロスパー)」は、業務プロセスに合わせて柔軟にカスタマイズができ、より長くご利用いただけることをコンセプトに開発された、さくらケーシーエス様のWeb版販売管理システムです。OSS(オープンソースソフトウェア)のPostgreSQLをエンジンとするデータベース「FUJITSU Software Symfoware Server(以降、Symfoware Server(Postgres))」を適用したことで、性能や信頼性の面でお客様に提案しやすいソリューションを構築した事例をご紹介します。

課題
効果
課題「B-Prosper」の適用範囲を拡大するためにOSSの技術を取り入れたい
効果OSSの技術を取り入れながら、富士通データベースで安心安全も確保
課題既存のデータベースと同等の性能を維持しつつ、コストを削減したい
効果初期および、ランニングコストの削減と同時に、クラウド提案にも効果を発揮

背景

OSS導入を不安視するお客様にも提案しやすいデータベースを模索

さくらケーシーエス様の販売管理システム「B-Prosper」は、同社の産業向けSIのノウハウを活かし、パッケージのカスタマイズから、導入、監視、運用までを「ワンストップ・ソリューション」として提供することで、競合パッケージベンダーとの差別化を図っている。

今回同社は、B-Prosperで使用するデータベースに富士通のSymfoware Server(Postgres)を適用することとなったが、その理由の一つが、Symfoware Server(Postgres)がOSSのPostgreSQL(以下、PostgreSQL)ベースのデータベースであることだった。

PostgreSQLは、全世界の技術者有志によって開発・維持されているOSSのデータベースで、設立以来20年以上におよぶコミュニティー活動も活発だ。企業システムでのOSS活用の気運の高まりから、B-Prosperでも小規模なシステムのデータベースとして適用するケースがあった。しかし、OSSのデータベースを広くお客様に提供していく上ではサポートの充実が必要と考え、本格的に複数のサポートベンダーを調査する中、富士通のSymfoware Server(Postgres)に注目した。

産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部 部長 井上 清文 氏は、「OSSのデータベースではトラブル対応に不安をお持ちのお客様もいらっしゃいます。データベース技術で実績のある富士通ならば、様々なサポート事例を持っているだろうという期待もありました」と語る。

「富士通のSymfoware Server(Postgres)ならばOSSのオープン性をそのまま活かし、より多くのお客様に安心して活用していただけると考えました」(井上氏)

加えて、同社と富士通の間に長年培ってきた信頼関係があったことも、Symfoware Server(Postgres)適用の後押しとなった。

B-Prosperは、初版からアプリケーションサーバ「FUJITSU Software Interstage Application Server」、帳票設計・生成ツール「FUJITSU Software Interstage List Creator」、BIツール「FUJITSU Software Interstage Navigator」も適用している。井上氏は、「これまでの実績も評価できましたし、ミドルウェアを富士通ブランドに統一することで、我々も安心してお客様にソリューションをご提供できます」と期待する。

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産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部
部長 井上 清文 氏

ポイントと効果

PostgreSQLの長所と商用データベースの性能・信頼性を両方確保

同社では以前、B-Prosperを小規模の要件で提案した際に、他社の商用データベースからPostgreSQLへの移行を経験している。この時は双方のSQLの記述に相違が多く、移行にかなり苦労したという。

Symfoware Server(Postgres)適用にあたってのPostgreSQLからの移行は、検証を含め以前の約半分の作業期間で、スムーズに進行した。

産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部 マネージャ 富松 知裕 氏は、「Symfoware Server(Postgres)は性能・信頼性ともに高く、しかも、PostgreSQLの様々な技術もそのまま転用できたので、いいとこ取りをしているように思いますね」と、移行作業を振り返った。

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産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部
マネージャ 富松 知裕 氏

障害対応のスピードアップに加え、システム担当者の負荷も軽減

さらに、Symfoware Server(Postgres)適用により、「富士通のサポートが受けられる点も心強い」と富松氏。PostgreSQLの場合、たとえばトラブルの際は、コミュニティーのWebサイトなどを参照しながら技術者が個々に対策を講じることになるが、その対策が最善かどうかの判断が難しい場合もある。

Symfoware Server(Postgres)ならば富士通のサポートでトラブル原因の切り分けから修正パッチの提供までの一括対応が可能で、障害対応のスピードアップ、システム担当者の負荷も軽減できる。

クラウド環境におけるコスト削減にも効果

Symfoware Server(Postgres)適用は、仮想環境におけるコスト削減にも効果を発揮する。

B-Prosperは顧客要件に合わせてクラウド型とオンプレミス型を提供している。昨今はクラウド志向の顧客増加が顕著であり、同社でも、データセンターやアウトソーシングなどを含むワンストップ・ソリューションを前提に、IaaS環境の提案を数多く行っている。

これまでの商用データベースでは、顧客がIaaSで仮想サーバーを利用する際にも物理サーバー全てのCPUに対して課金されていた。しかし、Symfoware Server(Postgres)適用後は、サーバーに複数のCPUが積まれていても、仮想環境でデータベースに割り当てた分だけの課金となり、コストダウンが実現する。

今後は、他の商用データベースを使用中のお客様にも、Symfoware Server(Postgres)適用によるコストメリットを紹介しながら、リプレースのタイミングで切り替えを提案していく予定だ。

システムの概要

今後の展望

B-Prosperの今後の展開

「最近は、パッケージ導入の際にお客様からコスト削減を強く求められています。B-Prosperでも顧客毎のカスタマイズ工数を減らし、データベースを含めた初期コストを抑えてご提供していかなければならないと考えています」と井上氏は語る。

産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部 リーダ 繁澤 道子氏も、「商品開発における技術(ノウハウ)共有、開発効率向上のためにも、他のパッケージへのSymfoware Server(Postgres)採用も検討していきたい」とさらなる適用に意欲的だ。

また同社では、ターゲットを建築資材や機械器具の卸売業に絞り込んだ、「B-Prosper for 資材卸業」を販売している。標準プロセスに業務的な機能を追加することで、お客様がより導入しやすい業種細分化したパッケージとしても展開している。現在、債権管理や在庫管理等の機能面の強化も進めており、今後もB-Prosperを拡充していく予定だ。

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産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部
リーダ 繁澤 道子 氏

井上氏はさらに今後の事業展開においては、「B-Prosper以外の次世代アプリ、サービスの開発も必要です」と未来に思いを馳せた。

写真左より

  • 株式会社さくらケーシーエス 産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部 マネージャ 富松 知裕 氏
  • 株式会社さくらケーシーエス 産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部 部長 井上 清文 氏
  • 株式会社さくらケーシーエス 産業ソリューション事業部 産業ソリューション開発部 リーダ 繁澤 道子 氏

株式会社さくらケーシーエス 様

本社所在地 兵庫県神戸市中央区播磨町21-1
設立 1969年3月
資本金 20億5,460万円
代表取締役社長 藤原 邦晃
従業員数 1,151人(連結 2016年4月1日現在)
ホームページ https://www.kcs.co.jp/
事業概要 システム構築、システム運用管理、システム機器販売 他

[2016年10月掲載]

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