デジタルビジネスを支えるデータベースFUJITSU Software Enterprise Postgres
機能

Enterprise Postgresは、オープンソースソフトウェア(OSS)のPostgreSQLをベースに富士通が培ってきたデータベース技術で「セキュリティ」「性能」「信頼性」を強化しています。よく使われる周辺ツールを一括で提供しているため、PostgreSQLをスピーディーに導入できます。

機能説明

セキュリティ

アプリケーションを修正することなく暗号化が可能 - 透過的データ暗号化 -

格納データ、バックアップデータを、アプリケーションを修正することなく透過的に暗号化できます。暗号化レベルはクレジットカード業界のセキュリティ標準であるPCI DSSに対応し、情報漏えいを防ぐ強固なセキュリティを実現しています。また、暗号化をCPUで処理させるAES-NIに対応することで、オーバーヘッドを極小化しています。

専用のファイルに監査ログを出力、不正アクセスをすばやく検出 - 監査ログ -

Enterprise Postgresの監査ログ機能は、OSSツールのpgauditをベースに機能を強化し、データベースアクセスに関する詳細な情報を監査ログとして取得します。管理者や利用者のデータベースに対する処理操作を監査ログに出力することにより、管理者の権限乱用や利用者の不正アクセスなどを検出できます。

性能

性能に関する機能はEnterprise Postgres Advanced Editionのみ提供しています。

大量データもリアルタイムに集計 - インメモリ機能 -

カラム型のインデックスとデータのメモリレジデント機能によるインメモリ機能を提供しています。これにより、ディスクI/Oを削減して集計処理を高速化できます。

  • カラム型のインデックス(VCI)
    従来のロー(行)型データに加え、大量データの集計・分析処理に有用なカラム(列)型データを追加しています。カラム型データはインデックスとして提供し、ロー型データとカラム型データのどちらにアクセスするかは自動で判別するため、アプリケーション側で意識する必要はありません。
  • データのメモリレジデント機能
    カラム型データはカラム型データ専用の共用バッファに配置し、他の表やインデックスへのアクセスへの影響を防ぎ、メモリに常駐させることでディスクI/Oを削減しています。また、インスタンス再起動時など、アプリケーションが検索する前にVCIのデータをディスクからメモリにロードすることで、安定したレスポンスを保証します。

バッチ処理に要する時間を大幅短縮 - 並列検索 -

Enterprise Postgresの並列検索は、処理件数の多い検索処理を、CPU負荷に応じて複数のCPUコアに分散させて並列に処理することで検索処理の性能向上を実現します。従来のアプリケーションをそのまま実行するだけで空きのサーバリソースを最大限に活用でき、定期集計などの夜間バッチ処理を効率化します。

並列検索では、まず処理を細分化し、CPU負荷に応じて並列化したバックグラウンドワーカプロセスに割り当てます。次にバックグラウンドワーカプロセスごとに検索結果を用いて集計処理を行い、バックエンドプロセスで取りまとめ、アプリケーションに結果を返却します。CPU負荷が低い場合にはより多くのプロセスで処理しますが、CPU負荷が高い場合には、冗長な並列化を行いません。このような自動的な判断によって、CPUの効率的な使用と検索処理の性能向上を実現しています。

データロードの処理時間を短縮して処理を高速化 - 高速ローダー -

Enterprise Postgresではデータのロード処理を並列に処理します。これにより、CPUコア数に応じて、ロード時間を短縮でき、大量データを高速にロードすることができます。

信頼性

最新データまで復旧するメディアリカバリー - WAL二重化 -

Enterprise Postgresでは、バックアップ実行後の更新ログをデータ格納先のディスクとバックアップ格納先のディスクに二重化して保持しています。このため、一方のディスクに障害が発生した場合、もう一方のデータを使用してデータベースを最新状態に復旧することができます。

万一のトラブル時も確実に業務を継続 - データベース二重化 -

PostgreSQLのストリーミングレプリケーション機能に基づいてデータベースを二重化するだけでなく、プライマリーサーバとスタンバイサーバが相互監視することで、プロセスダウン、ディスクなどの障害を検知し、プライマリーサーバで異常が発生した場合は自動的にスタンバイサーバに切り替えて業務を継続できます。また、ネットワーク異常などにより相互監視が出来ない場合も、裁定サーバ(注1)経由で死活監視を行うことで確実に業務を継続します。

  • 注1
    裁定サーバにはデータベースサーバを支援するサーバアシスタントプログラムのインストールが必要です。

アプリケーションの透過的接続による業務継続 - Connection Manager -

クライアントとサーバの間で相互に生死監視することにより、長時間無応答になるようなネットワーク不通や、サーバダウンを素早く検知し、適切な接続先を即時に特定します。このため、プライマリーサーバに障害が発生してスタンバイがプライマリーに替わった場合にも、アプリケーションの再接続先を瞬時に特定し、一定時間内に接続、業務を再開できます。Connection Manager機能の監視プロセスは異常を検知すると、データベース側でトランザクションを強制回収すると共に、クライアント側ではアプリケーションにエラーを通知するため、アプリケーションからのリトライにより業務を確実に再開できます。また、SQLを中継しないため、Pgpool-IIやPgBouncerなどと比較してSQLの性能劣化が小さいです。

広域災害時の業務継続性を強化 - 災害対策 -

二重化されたデータベースを遠隔地に複製することにより、広域災害に備えた信頼性の高いシステムを実現、被災により運用センターを切り替えた後も、被災前と同等の構成で業務を継続できます。

ログ適用の順序保証

運用センターのスタンバイサーバと災対センターのプライマリー候補サーバへのログ適用の順序性を保証するため、フェイルオーバ発生時に起こりうる災対センターのログ先行を抑止します。このため災対センターで運用開始する際のログ補正をすることなく、すぐに業務を再開できます。

災対センターのデータベース二重化運用

運用センターと同様に災対センターでもデータベースを二重化できます。災対センターのプライマリー候補サーバの障害発生時は、運用センターのプライマリーサーバの接続先を災対センターのスタンバイサーバに自動で切り替えます。運用センターの被災により業務が停止した場合も、短時間で業務が再開できるだけでなく、災対センターの二重化により業務継続性の高い運用が可能です。

運用性

WebAdmin

データベースの導入から運用管理を行うためのGUIツールとして、WebAdminを提供しています。これにより、データベースを簡単、かつ直感的に利用することができます。WebAdminでは、Enterprise Postgresのセットアップ、ストリーミングレプリケーションクラスタの作成と監視、データベースのバックアップおよびリカバリーを行うことができます。

定義情報の共有化によりシステムリソースを有効活用 - Global Meta Cache -

PostgreSQLはコネクションのプロセスごとにシステムカタログの情報(メタキャッシュ(注2))をメモリに展開するため、コネクション数やアクセスするテーブル、カラムの数の増加とともにメモリ使用量が増大します。Enterprise Postgres は共有メモリ上のGMC領域にメタキャッシュを展開し各プロセスには管理情報のみ保持するため、システム全体のメモリ使用量が削減できます。

  • 注2
    システムカタログには、テーブルや列の情報などのスキーマメタデータが格納されています。

各国語言語のサポート(NCHAR)

メインフレームや他社製データベースからの移行性を確保するため、各国語文字列をサポートするデータ型(NCHAR)を提供しています。各国語文字列は、クライアントアプリケーションの各言語から利用できます。

アプリケーションインターフェース

PostgreSQLは、libpqとECPGの2つが基本配布物として提供されます。Enterprise Postgresはこの2つに加え、よく使われるインターフェースを一括で提供しています。また検証済みの状態で提供するため、導入時の作業を低減できます。

名称 言語 説明 提供形態(注3
libpq C Cライブラリ PostgreSQLに付属
ECPG C 埋め込みSQL用Cプリプロセッサ PostgreSQLに付属
ECOBPG COBOL 埋め込みSQL用COBOLプリプロセッサ 提供なし(Enterprise Postgresで提供)
psqlODBC ODBC ODBCドライバ 外部プロジェクトで提供
Npgsql .NET .NETデータプロバイダ 外部プロジェクトで提供
JDBC JDBC タイプ4 JDBCドライバ 外部プロジェクトで提供
  • 注3
    コミュニティ版PostgreSQLの提供形態になります。

運用性を向上させるOSSの周辺ツール

PostgreSQLを業務システムで利用する際には、要件や業務に応じて機能を強化・補足するOSSの周辺ツールを組み合わせて利用します。Enterprise Postgresでは、よく使われる周辺OSS一括で提供しています。検証済みの状態で提供するため、PostgreSQLをスピーディーに導入できます。

分類 OSS名 機能概要
性能 pg_hint_plan クエリにヒント句を指定することで、SQL文やGUCパラメーターを変えずに実行計画を制御
pg_dbms_stats PostgreSQLの統計情報を管理し、間接的に実行計画を制御
拡張性 pg_bigm 日本語に対応しているPostgreSQLの全文検索機能。2-gram(バイグラム)と呼ばれる方法で全文検索用のインデックスを作成でき、高速に文字列を検索
oracle_fdw Oracleデータベース用の外部データラッパー。OracleデータベースのテーブルやビューにPostgreSQLからアクセス可能
運用 pg_rman バックアップ・リカバリーの簡易化、バックアップの世代管理など、バックアップ運用を補助
pg_repack 肥大化したテーブルやインデックスを再編成することで、不要領域の削除や行の並び替えが可能
pg_repack データベース・オブジェクトの作成、保守、使用を単純化するグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を提供
監視 pgBadger PostgreSQLのログファイルを解析して、SQL実行状況などの統計レポートを生成
pg_statsinfo PostgreSQLの稼働統計情報を定期的に収集・蓄積して、データベースの運用を監視。蓄積した情報をテキスト形式のレポートを生成
可用性 Pgpool-II PostgreSQLのサーバ・クライアント間で動作するソフトウェア。コネクションプーリング、負荷分散、レプリケーション、自動フェイルオーバなどの機能を提供
移行性 orafce Oracleデータベースと互換性のある関数やデータ型などの互換機能を提供

機能一覧表

表中記号の意味は以下のとおりです。
レ:機能有り、N/A:機能無し

機能分類 機能 Advanced Edition Standard Edition Community Edition
導入・運用 WebAdmin N/A
スマートセットアップ™ N/A
Global Meta Cache N/A N/A
セキュリティ 透過的データ暗号化 N/A
監査ログ N/A N/A
秘匿化 N/A
高性能 並列検索
注4

注4
インメモリ機能 N/A N/A
高速ローダー N/A N/A
高信頼 データ保護 バックアップ&リストア(スマートリカバリー™) N/A
高速バックアップ(注5 N/A N/A
WAL二重化 N/A
業務継続 データベース二重化 N/A
Connection Manager(注5 N/A N/A
災害対策
注4
アプリケーションインターフェース Java連携
ODBC連携
.NET Framework連携
埋め込みSQL連携(C言語)
埋め込みSQL連携(COBOL言語) N/A
周辺OSS SQL機能拡張 orafce N/A
高可用 Pgpool-II(注5 N/A
データ連携 oracle_fdw N/A
運用管理 pg_statsinfo(注5 N/A
pgBadger(注5 N/A
pg_dbms_stats / pg_hint_plan N/A
pg_repack(注5 N/A
pg_rman(注5 N/A
pgAdmin(注6 N/A
全文検索 pg_bigm N/A
  • 注4
    Enterprise Postgresによる強化機能を含みます。
  • 注5
    動作OSはLinuxのみです。
  • 注6
    動作OSはWindowsのみです。

製品体系

Enterprise Postgres Advanced Edition Standard Editionの機能に加え、大量データの高速化機能を強化した、エンタープライズ向けのエディション
Enterprise Postgres Standard Edition OSSのPostgreSQLをベースに、セキュリティ、運用の簡易化、長期サポートといった安心してすぐに使える機能を装備した標準的なエディション
Enterprise Postgres Community Edition OSSのPostgreSQLに富士通のサポートを提供する最小構成のエディション

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