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Fujitsu

Japan

全国146カ所の支社基盤サーバを仮想化で短期間にマイグレーション。さらに仮想化によるサーバ統合で年間約150トンのCO2抑制を実現

太陽生命保険株式会社様 サーバ写真

太陽生命保険株式会社様 導入事例


生命保険業界において、家庭市場で豊富な実績をもつ太陽生命保険株式会社(以下、太陽生命)。同社は、T&D情報システム株式会社のサポートのもと、全国146カ所の支社基盤サーバを刷新しました。PCサーバ「PRIMERGY」と仮想化ソフトウェア VMwareの導入により、既存業務アプリケーションはそのままに短期間移行を実現。スムーズな全国展開を可能にしたのは、プロトタイプによる検証、富士通のインフラ工業化(注1)の活用など綿密な準備にありました。また、営業支援サーバ、文書ファイルサーバも仮想化によって支社基盤サーバに統合。これにより年間約150トンのCO2抑制と約5億円のコスト削減効果を実現できました。

[ 2010年10月14日掲載 ]

【導入事例概要】
業種: 生命保険業
ハードウェア: PCサーバ PRIMERGY RX200
ソフトウェア: 仮想化ソフトウェア VMware
【課題と効果】
1 全国146カ所の支社基盤サーバを既存アプリケーションのまま短期間で移行したい PCサーバ「PRIMERGY」と仮想化技術を使って、既存アプリケーションに手を加えることなく休日を利用して短期間で移行を完了
2 支社業務への影響を最小限にするため移行作業を短時間で行いたい プロトタイプによる検証、富士通のインフラ工業化の活用など綿密な準備を行い、なおかつ移行展開中も作業の改善を繰り返し、1支社辺りの展開作業時間を、当初12時間から7時間まで短縮
3 グリーンICTへの貢献やコスト削減効果も高めたい 個別に導入予定の営業支援サーバ、文書ファイルサーバを支社基盤サーバに仮想化を活用して統合。これにより年間約150トンのCO2抑制と約5億円の削減効果を実現

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導入の背景

システム更改時期に合わせて全国146カ所の支社基盤サーバを刷新

万一に備える保険は安心して暮らしていくための支えとなります。1893年に創業された太陽生命は、117年の歴史をもつ生命保険会社です。2004年には同社と大同生命、T&Dフィナンシャル生命を中核とするT&D保険グループが誕生。同社の歴史に新たな1ページが開かれました。

お客様の生涯パートナーとして活動する同社の特長は、中高年・主婦層を中心とした家庭市場に豊富な実績をもつという点です。生命保険業界全体の保険契約が伸び悩む中、安定した新契約高を保持できている理由は「高品質の商品とサービスを通して、お客様に必要とされ、愛される会社を目指す」という経営ビジョンの実践にあります。

大好評の「保険組曲Best」は単体の保険を組み合わせることができる新しいタイプの保険です。また、死亡保障、医療介護保障など保障性商品を主力とする同社では、全国146カ所に支社を配置し、地域密着型のコンサルティング・セールスに力を注いでいます。2008年に「CRMベストプラクティス賞」を受賞した独自の営業支援システム「T-SMAP」などICTも積極的に活用しています。

太陽生命保険株式会社 渡邉 和典 氏の写真
渡邉 和典
太陽生命保険株式会社
IT企画部 IT企画課長

「当社のIT戦略の最大の目的は経営ビジョンのサポートです。また、システムに対する投資対効果や情報セキュリティの強化、グリーンICTは特に重視しています。近年のテーマとしては、21世紀初頭に基幹業務から支社業務、ワークフローなどの一大ICT改革プロジェクトで導入したシステム更改への対応があります。全体計画の中で最後に実施されたのが全国146カ所の支社基盤サーバの刷新でした」と、太陽生命保険 IT企画部 IT企画課長 渡邊和典氏は語ります。

導入の経緯

いかに業務システムに手を加えず短期間で簡単に移行するか

支社基盤サーバは、保険の基幹業務に関して本社の基幹システムとの中継の役割を果たしています。システム更改にあたっての課題について渡邊氏はこう振り返ります。「業務アプリケーションをすべて作り直すにはコストや手間、時間がかかり過ぎます。ユーザー部門からも新たな要望はでていませんでしたから、業務システムに手を加えず短期間で簡単に移行できること、また支社業務への影響を最小限にするため移行作業は休日の短時間で行うことが大きなテーマとなりました」。

また、グリーンICTへの貢献も重視されました。同社ではT&D保険グループの環境方針のもと日々の業務の中で環境保全に取り組み、森林育成活動「太陽生命の森林」なども行っています。

T&D情報システム株式会社 池田 睦 氏の写真
池田 睦
T&D情報システム株式会社
テクニカルサポート一部
IT基盤管理一課 マネージャー

T&D保険グループのIT戦略を担うT&D情報システムは、今回のテーマに対して仮想化によるマイグレーションを提案しました。「当社は5年前から仮想化に取り組んでおり実績もあります。しかし、全国の支社を対象にした大規模な案件は初めてだったので、事前にプロトタイプをつくり仮想化によるマイグレーションの手順の洗い出しなど展開計画をじっくりと練りました」と、T&D情報システム テクニカルサポート一部 IT基盤管理一課 マネージャー 池田睦氏は語ります。

支社基盤サーバの更新プロジェクトのスタートは2008年。全国の支社に短期間で展開していくという課題をクリアするために、同社は既存支社サーバを提供している富士通と、運用支援を行っている富士通エフサスをパートナーとして選択しました。「長年にわたって支社をサポートしてきた富士通エフサスは運用ノウハウを蓄積しており、全国の支社の実情を把握しています」(渡邊氏)。プロトタイプによる検討段階から富士通エフサスはプロジェクトに参加し、手順書の作成を行うなど基盤づくりを支援しました。

導入のポイント

移行作業のタイムスケジュールは富士通のインフラ工業化の活用が前提

新システムでは、性能やコストパフォーマンスの観点から富士通のPCサーバ「PRIMERGY RX200」、仮想化ソフトウェアには実績を重視しVMwareが採用されました。2009年9月、T&D情報システムの運用スタッフと富士通エフサスがチームを組み、先行6支社から移行がスタート。先行移行において手順書の見直しやチェック項目の再確認が行われました。

全国の支社への展開中も移行時間短縮の工夫が行われ、先行移行のときには12時間近くかかっていた作業も、後半では7時間程度で終了。移行作業の時間短縮には富士通のインフラ工業化の活用も貢献していました。インフラ工業化とは、富士通のハードウェア工場でソフトウェアのインストールや設定を済ませた上で出荷するサービスです。「支社で最初からすべてを行っていたら1日では終わりません。インフラ工業化が前提でタイムスケジュールを組みましたし、展開途中での設定変更などにも柔軟に対応していただきました」(池田氏)。

2010年3月、スケジュール通りに全国支社への展開は完了。また、6~7月には、今回、個別に更改する予定だった営業職員支援サーバと、新規に導入する予定の文書ファイルサーバも仮想化によって支社基盤サーバに統合されました。

太陽生命様 支社サーバ システム概要図

導入効果と今後の展開

年間約150トンのCO2抑制、約5億円のコスト削減効果を実現

「仮想化により既存の業務アプリケーションのままで移行が行え、初期導入コストを大幅に抑制できました。またサーバを統合することで各支社に3台ずつ導入した場合に比べ、年間約150トン(杉の木1万714本(注2))のCO2抑制、約5億円のコスト削減効果も実現できました。コスト削減面では、ハードウェアの購入や保守費用はもとより既存のラックに集約し電源工事などを不要にするなどの工夫も貢献しています」と、渡邊氏は今回の成果を話します。

仮想化による展開のスピード感も劇的でした。「パステルサーバと文書ファイルサーバに関しては現地にSEが行っていません。支社にDVDを送っておいて本社側から作業を行いました」(渡邊氏)。サーバの統合により支社オフィスの省スペース化や運用管理の負荷軽減も図れました。また文書ファイルサーバの導入により支社における個人情報保護もさらに強化。トラブル時の復旧時間もバックアップの工夫やハードウェア交換の迅速化により従来の1日から半日まで短縮できました。

今後の展開について「仮想化技術の活用では情報セキュリティ強化を目的にシンクライアントも検討しています。また、富士通には日々の営業活動を見える化する「T-SMAPナビ」の導入も協力してもらいましたが、今後も総合的な支援を期待しています。支社についてのサポートも変わらずしっかりとお願いしたい」と、渡邊氏は語ります。

日々の暮らしに安心をもたらす太陽生命。富士通はこれからもプラットフォームの提供はもとより総合力を駆使し同社のビジネスや社会的貢献を支援してまいります。

【太陽生命保険株式会社様 会社概要】
所在地 東京都港区海岸1-2-3
設立 昭和23年2月(創業 明治26年5月)
総資産 5兆8,423億円(平成22年3月末)
保有契約高 18兆1,190億円(平成22年3月末、個人・個人年金保険)
従業員数 内勤職員2,940名、営業職員9,014名、顧客サービス職員694名(平成22年3月末)
事業内容 個人・法人向け保険商品の引受け・販売・保全。有価証券投資等資産運用業務
ホームページ 太陽生命保険 ホームページOpen a new window

【導入事例(PDF版)】

用語解説

注1: インフラ工業化
あらかじめパターン化した最適なシステム構成をベースに富士通のハードウェア製造工場でソフトウェアのインストールや設定を行った上でお客様に出荷するサービス
注2: 年間約150トン(杉の木1万714本)
杉の木1本(杉の木は50年杉で高さが20~30m)当たり1年間に平均して約14kgの二酸化炭素を吸収するとして試算。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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