Skip to main content

Fujitsu

Japan

Hyper-Vによる仮想化で最新サーバへ移行。コストをかけずに現行の資産や運用の継承を実現

ミドリ安全株式会社様 導入事例


安全・衛生業界のリーディングカンパニー、ミドリ安全株式会社(以下、ミドリ安全)。同社では、全国の販売拠点に展開する販売管理システムにおいて、OSとサーバの保守期間終了に伴う対応が急務となっていました。コストをいかに抑制しつつ最新サーバへ移行するか。同社の選択は、Hyper-Vによるプラットフォームの仮想化でした。仮想化のパートナーにはこれまで築いてきた信頼関係から富士通を選択。データ移行などの手間やコストをかけずに、現行の資産と運用の継承を実現し、現在、全国120余カ所の拠点に順次、リプレースを展開中です。

[ 2009年10月27日掲載 ]

導入事例概要
業種: 安全・衛生保護具の製造・販売
ハードウェア: PCサーバ PRIMERGY TX150 S6
ソフトウェア: Windows Server 2008 (Hyper-V)
課題と効果
1 サーバの老朽化に伴うシステムリプレースへの投資抑制。 Hyper-V による仮想化で、現行システムに影響を与えずハードウェアのリプレースを実現することで、システム改修の費用を抑制。
2 運用方式の継承による各拠点運用担当者の作業負荷の抑制。 仮想化環境のもと、新規OS上で現行アプリケーションを動かすことで、システム運用を継承。
3 データ量増大による処理性能不足。 仮想環境上で、運用を継承しつつ、最新ハードウェアの高いパフォーマンスを享受。

導入の背景

Windows 2000 ServerのOSとハードウェアの保守期間終了への対応

黒木 靖生
ミドリ安全株式会社 取締役 情報システム部長

社会のあらゆる場面で「安心・安全」への関心が高まっています。企業経営においても、消費者への責任はもとより、働く人の安全と健康を守る側面からも、「安心・安全」は重要な経営課題となっています。

安全対策のレベルが品質や生産性に直結し、その取り組みが企業としての評価に結びつく時代。1952年創立、ミドリ安全は「安全・健康・快適職場への奉仕」を企業理念に、日本の産業の成長とともに発展し続けています。安全靴の製造販売からスタートした同社の事業は、ヘルメットや防塵マスクなど多種多様な安全衛生保護具から、ユニフォームやクリーンルーム用防塵衣、空気清浄・電気集塵機器、医療用具などさまざまな分野に拡大しています。

安全・衛生業界のリーディングカンパニーとして躍進を続ける同社の原動力となっているのが直販体制です。全国180余カ所に販売拠点を展開し、お客様の声を商品の開発や改善に反映させています。たとえば安全靴も、製造業のみならず、外食産業の調理場での転倒防止用や、宅配ドライバーが荷物を上げ下ろしする際の足先の保護用、病院内で静電気を床に逃がす看護師用など、ユーザーの視点を大切にすることで製品を進化させ続けています。また、安全靴からユニフォームまでワンストップで対応できる点も、同社のアドバンテージです。

この直販体制に加え、新たな顧客開拓を目指し、Eコマースもスタート。拡大する同社のビジネスを支えるITへの取り組みについて、情報システム部長の黒木靖生氏はこう語ります。「これまでITで一連の販売活動を支援することに注力してきました。今は、蓄積したデータを活用して経営体質の向上に役立てていく、経営や業務の見える化を積極的に進めています」。

日々のビジネス活動を支え、見える化を実現するインフラでもある販売管理システムは10年前に構築し改良を重ねてきました。しかし、2008年の秋、ハードウェアの老朽化による、システム刷新への対応が急務でした。

導入の経緯

Hyper-Vによりサーバを仮想化し現行の資産と運用を継承

「ハードウェアの老朽化に対応するために、最新のサーバへ入れ替えて、オペレーティングシステムも最新のWindows Server 2008にリプレースすることを検討しましたが、既存のデータベースシステムはWindows Server 2008では運用できません。新しいデータベースシステムへの移行は、データ変換など膨大な作業とコストを要します。今回は、ハードウェアの老朽化対策が最優先課題である一方、システムへの機能追加は不要でしたから、目的以外への投資を極力抑える必要がありました」と、黒木氏は振り返ります。

もう1つ、各販売拠点への対応もポイントになりました。「当社では、リスク分散という観点と、拠点における運用の柔軟性を考慮して、販売管理システムは拠点分散構成にしています。各拠点にはシステムの専任オペレータは置いていませんので、慣れ親しんでいる現行システムの形を継承するということも、大きな留意点でした」と、情報システム部担当部長の田村泰司氏は説明します。

またハードウェアに関しても、EDI(電子商取引)を開始したことにより、データ量が10倍以上になった拠点もあり、パフォーマンス面にも課題がありました。

同社の課題はコスト重視を前提に、大きく2つにまとめることができます。

  • いかに現行の資産や運用を継承したまま、新しいハードウェア上へシステムを移行するか
  • コストを抑えつつ、パフォーマンスを改善するにはどうすべきか

この課題に対する答えがWindows Server 2008の仮想化機能Hyper-Vでした。「現時点ではHyper-Vを活用するのが最善であると判断しました。Hyper-Vの仮想環境上で現行OSを動作させ、その上で既存のアプリケーションを動かせば、最新サーバの高いパフォーマンスも利用できます。しかも、アプリケーション自体はほとんどそのまま使えるので、データ変換などの手間やコストもまったくかかりません」(田村氏)。

【ミドリ安全株式会社様 Hyper-V 仮想環境システム概要図】

導入のポイント

既存アプリケーションの動作やパフォーマンスの検証がポイント

田村 泰司
ミドリ安全株式会社 情報システム部 担当部長

同社は全国各拠点に展開する販売管理システムの新しいサーバに、富士通のPCサーバ「PRIMERGY TX150 S6」を選択。その理由について黒木氏はこう話します。「10年以上、富士通のサーバを使っています。今回は、とくに既存資産の継承を目的としていますから、これまでの相互の信頼関係を重視し、富士通のサーバを選択しました。10年来のおつきあいであることはもちろんですが、豊富なノウハウをベースとしたHyper-V検証アセスメントサービス等を活用し、先進技術を積極的に提案した富士通ビジネスシステムならびに富士通に大きな信頼と期待を感じました」。また、「PRIMERGY TX150 S6」は省エネルギー・静音性に優れており、サーバルームのない拠点に設置する際に最適であること、24時間365日運用に最適な高速・高信頼のSASディスクの搭載が可能であることなども採用理由となりました。

2009年2月よりテストを開始。「富士通ビジネスシステムの協力を得て動作環境をつくり、現状のアプリケーションが正常に動くかどうか確認しました。動作確認については短期間で完了しました」と、田村氏は話します。

しかし、パフォーマンスの検証でトラブルが見つかりました。「大量のデータを読み書きする処理を実行してみたところ、サーバの性能は向上しているはずなのに、パフォーマンスが出ませんでした。富士通にはマイクロソフトへの問い合わせも含めて迅速かつ手厚くサポートしていただき、少し時間はかかりましたが、最終的には富士通ビジネスシステムの担当SEと富士通のHyper-V仮想化センターに全面的にバックアップしてもらうことで問題を解決できました」(田村氏)。

運用面では、Windows 2000 Serverで使っていたファイルのバックアップ機能が、Windows Server 2008で利用できず、Hyper-V上でもDATドライブを制御できないという問題がありました。バックアップに関しては、仮想化によって抑制できたコストを活用してバックアップソフトウェアを導入し、合わせて各拠点において簡単な手順で利用できるように同社・情報システム部のスタッフが工夫を施したことで、運用のさらなる改善も実現できました。「実際に現状で行っている処理を、動作環境を作って検証してみることは、Hyper-Vをスムーズに導入する上で重要なポイントです」と、田村氏は強調します。

今後の展望

コストの抑制は情報システム部にとっても重要なミッション

現在、全国120余カ所の販売拠点へのリプレースが順次、進められています。「土・日に導入作業を実施するため、すべての拠点へ展開が完了するまでに2年程度を見込んでいます。しかし、データ変換などの必要がなく、既存資産をそのまま継承できるため、展開作業自体は非常にシンプルに行えるという点も、Hyper-Vを活用したメリットですね」(田村氏)。

Hyper-Vの導入は1つのチャレンジだったと黒木氏は話します。「厳しい企業環境の中、コストの抑制は情報システム部にとっても重要なミッションです。今回は、富士通のサポートにも期待し、とにかくチャレンジしてみようと。また、時間の問題もありました。新しいデータベースシステムに移行するとなると、データ変換やテストなどですぐ一年くらいたってしまいます。最新ハードウェアへの移行をコストと時間をかけずに行いたいという目的は達成できました。これからも富士通には適切なサポートをお願いしたい。そして、私たちとともに歩んでいただきたいと思います」。

働く人の健康と安全をトータルにサポートするミドリ安全。「安心・安全」を追求する同社のさらなる躍進を、これからも富士通はHyper-Vに関するノウハウやプラットフォームなどの提供を通じ支援してまいります。

前列右から黒木 靖生氏、田村 泰司氏。
他、プロジェクトメンバーの皆様。

【ミドリ安全株式会社様 会社概要】

本社所在地 東京都渋谷区広尾 5-4-3
代表者 代表取締役会長  松村 元子
代表取締役社長  松村 不二夫
設立 1952年(昭和27年)6月
資本金 14億5,432万円
従業員数 約1,400名(販売会社含む)
事業内容 安全靴、ヘルメット等安全衛生保護具、オフィスおよびワーキングユニフォーム、空気清浄機等環境改善機器・装置、医療機器・装置、電気計測器および皮革製品の製造・販売
ミドリ安全株式会社
ホームページ ミドリ安全株式会社ホームページOpen a new window
ミドリ安全 公式通販サイトOpen a new window

【導入事例(PDF版)】

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

富士通の仮想化への取り組みに関するお問い合わせ

Webでのお問い合わせ

入力フォーム
当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。

お電話でのお問い合わせ

0120-933-200 富士通コンタクトライン(総合窓口)
受付時間 9時~17時30分
(土曜・日曜・祝日・当社指定の休業日を除く)