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仮想化スペシャリストBlog
土村忠生の「仮想化の風に言の葉をよせて」
第13回 PPEとVMware vEXPERT視点で見たVMworld訪問記

[ 2018年9月21日掲載 ]

おまたせ致しました。今回はVMworldの情報をお届けします。
9月10日に社内で開催されたHCI&VCFクラウドサービス研修会の中で、VMworldの報告を行いました。発表内容や戦略の変化が私たちにどんなインパクトを与えるのか、これからどうなっていくのかを語りました。多くの参加があり、社内でもこの分野は注目があるようです。富士通のVMwareベースのハイブリッドクラウドについては、機会があればブログでもお伝えしたいと思います。ヴイエムウェア創立20周年を迎えた今回のVMworld USは、ラスベガスのマンダレイベイ・カンファレンスセンターで開催されました。21,000人を越える参加者で、日本からも360名ほどが参加されています。相変わらず熱気にあふれていました。

VMworld 2018 パス

この写真は、VMware User Group(VMUG)のPartyでの一枚です。

[VMUG Partyにて]

VMUG日本代表の五十嵐さんに連れられてVMUGのLeaderの方々をたくさん紹介していただきました。隣で聞いていると、彼は7年もvEXPERTをやっていて、まぁ凄いんだとかなんとか言って、売り込んでいました。なんか気恥ずかしいですね。このPartyにはヴイエムウェア社の親会社であるDell CEOのMichael Dellも参加されていました。ここには国境を越えたネットワークとVMwareを自分たちで動かしていく熱量がしっかりとあります。
ヴイエムウェア社の創立20周年ということもあると思いますが、Party会場では1980~90年代の懐かしい洋楽が流れていて、中学生の頃にお気に入りのラジカセの前でFM放送のエアチェックに励んでいたことを思い出しながら口ずさんでいました。

さて、ここからVMworldの中身に入っていきます。既に、Webでは記者の方々により、わかりやすく概要が報告されていますので、このブログでは、個人的に気になった発表やテクノロジーを私の視点でじっくりご紹介していきたいと思います。

VMworld 2018 USの抑えておきたい発表

クラウド=ハイブリッド&その他クラウド

唐突ですが、今回のヴイエムウェア社のビジョンから、プライベートクラウドという言葉が消えました。

[基調講演より]

もうオンプレミスのプライベートクラウドもパブリッククラウドも意識しないハイブリッドクラウド運用が当たり前という強いメッセージですね。
ここではヴイエムウェア社が定義するハイブリッドは、オンプレミスもパブリッククラウドもどちらもVMware Cloud Foundation(VCF)を基盤に採用したものを指すということを理解しておく必要があります。

[基調講演より]

そのビジョンを推し進めるために、彼らはIoT/Edgeコンピューティング分野でもVCFの基盤を提供してきます。それがこの後に紹介するARM64版ESXiの提供です。

ちなみにハイブリッドと繋がる(VMwareの技術で橋渡しする)クラウドは、IoT/Edge分野と、Telco(通信インフラ)分野(通信分野はまだ仮想化率が10%程度しかないらしく、VMware NSXによるネットワーク仮想化含めて積極的に仮想化適用をアプローチしていくそうです)。
そして、VMware Cloud Foundationを採用したサービスを行っているパブリッククラウドです。富士通でもVCFを採用したクラウドをFUJITSU Cloud Service for VMware NCのなかで、特に日本のお客様の運用の文化に合わせた方法でサービス展開していきますので、お楽しみにしてください。

ご参考

ARM64版ESXi

基調講演のデモでは、風力発電の監視システム用のWatchdogサーバをvSphere FTで運用していて、それを無停止でメンテナンスするというシーンから始まりました。Patから目新しくもないという突っ込みが入ると、いやいや、これはARM CPUで動いている仮想マシンですよと言って、vCenter 画面でCPUの詳細がアップされ「わーお」と驚くという演出で、vSphereのARM64対応が発表されました。私も、思わず「おおっ」と呟いてしまいました。なぜなら、その少し前に富士通はこんな発表をしたばかりだったからです。

[PRESS RELEASE] ポスト「京」のCPUの仕様を公表Open a new window
ピーク性能は2.7TFLOPS以上で、HPCやAI分野で高い性能を発揮

スパコン京の100倍のアプリケーション実行性能を目指すCPU「A64FX」に採用したのはARMアーキティクチャなのです。思わずポスト京でVMwareが動いたら凄いだろうなぁと夢想してしまいました。たぶん、今のところそんな計画はないと思いますが。

さて、このARM64ベースのvSphere の使い道ですが、Edge/IoT分野でのデータ収集・監視基盤用途以外にも面白いことを考えている人がいます。
海外のvEXPERTの間では、ラズベリーパイ(ラズパイ)をvSANのWitnessサーバとして安く使えるのでは? との話題が出ていました。SmithさんがESXipiと呼んでいましたが、私はESXpiのほうが呼びやすそうでいいのにと思っています。2ノードvSAN構成やvSANストレッチクラスタ構成では、外部にWitness用のサーバが必要ですが、ラズパイでWitness仮想マシンが動くのであれば、4,000円程度の投資で済みそうだというのが彼らの着眼点でした。面白いことを考えるものですよね。クリティカルな業務ではない用途にはそれでもいいかもしれませんね。 このEdge/IoTコンピューティング向けのデータセンター基盤はVMware Cloud Foundation with NSX SD-WAN by VeloCloudで構成され、運用サービスと組み合わせる「Project Dimension」という取り組みも発表されています。ここでもVCFありきなんです。
これは、世界に点在する工場のEdgeコンピューティングの情報を、リアルタイムに世界地図上から可視化させる試みのようです。この地図インターフェースを転用して、支社や支店のサーバ情報を可視化させることも考えているそうです。

[基調講演より Project Dimension]

AWSとの連携関連

まず、昨年に引き続きVMware Cloud on AWS(VMC on AWS)のエンハンス発表がありました。
VMC on AWSに踏み切れないお客様の背中を後押しするようなエンハンスが目白押しです。詳細は本家のサイトにゆずり、少しだけ書きます。 HCIの技術支援をしている関係から気になったのが、Amazon EBSをVCFのvSANデータストアの拡張用として利用出来るというものです。これによって、VCF構成1ノードあたり、15TB~35TBに増強できるそうです。vSANでは容量拡張するには、ホスト増設が付いて回ります。このサービスはそれを打開するアプローチですね。この仕様に関して知りたい方は、「VMware Cloud on AWS | よくある質問」に記載されていますのでご確認ください。

ちなみに、富士通のPRIMEFLEX for VMware vSANのAll Flash構成では、1ノードあたり最大161TBと約5倍の容量を搭載出来ますので、容量不足になることはあまりないと思われます。ただ、SSDをそこまで積むと、ものすごくお金がかかります。予算に余裕はあるかたは是非トライしていただきたいと切に願っております。

そして、Amazon Relational Database Service(Amazon RDS)です。
AWSで人気のデータベースマネージドサービスが、ついにオンプレミスのVMware環境にもサービス対象を広げるという発表です。
クラウドもオンプレも同じサービスでデータベースの展開ができるようになりますので、うれしい方々は多いと思います。クラウド連携といえば、バックアップやDRのようなオンプレからクラウドへというイメージが強かったのですが、これはクラウドからオンプレへという逆方向でのサービスなので、余計に印象が強いのだと思います。

この発表で気になったのは、DBライセンスの管理をどうやっているのか?です。
みなさんご存知のように、VMware基盤でDBを利用する場合、vMotionで移動するサーバにもCPUライセンスが必要になると言われています。Amazon RDSが、オンプレミスのVMware基盤にDBをデプロイした時に、オンプレ側のvSphereの構成をどうやって把握し、適切なライセンスであることを保証する仕組みがあるのかどうかというところは導入を検討するに際して最も気になる点だと思います。情報が出てくるのが待ち遠しいですね。

AWS関連の最後に選んだのは、データベースなどCPU(コア)ライセンスの抑制に関する発表です。この分野はVMUGの中でも関心が非常に高いです。抑制に向けた要旨は2つ。

  1. BIOSレベルで物理コアの使用をON/OFFする機能
  2. 仮想マシンが移動可能なノードを絞る機能

1の物理コアのON/OFF機能は、OSやアプリケーションにサーバの物理コア数よりも少ないコアに見せることができるので、物理コア課金のアプリケーションのライセンスを絞ることができるメリットがあります。性能的には2コアで十分なのだけれど、クラウドのサーバハードウェアはスペック固定で物理コア数を選べないというような課題の解決に繋がるエンハンスですね。富士通でもUNIXサーバでは SPARC M10の時代から実装されている、CPUコアアクティベーションOpen a new windowという同様の機能があります。特にORACLEユーザーの方々には、IAサーバに比べて、コア課金が0.5で済み、同じコア数でもライセンスが半額で済むので、SPARC M12に乗り換えていただいています。
2番目の仮想マシンの移動制限は、対象仮想マシンにアフィニティルールを指定して、仮想マシンの移動を抑止する機能です。移動先にアプリがインストールされて実行できる場合は、そちらの分のライセンスも必要という、いわゆるvMotion課金を抑止する目的での実装ですね。vSphereではDRSアフィニティルールを用いたソフトウェアパーティションによる制限でお馴染みだと思います。
あれ?ORACLEのライセンス抑止はハードウェアパーティションが前提だよねと思われた方が多いと思います。私もまだその解釈でいます。
ただ、彼らの意思は、こちらのホワイトペーパーに記載されています。英語ですがお時間がある方はご覧いただき、判断いただければと思います。

ご参考

GPUの仮想化

いよいよ、GPUをVDIからAI/機械学習(ML/DL)分野に本格的に展開してきたエンハンス内容でした。
まず、GPU仮想マシンのサスペンド/レジューム対応とvSphere 6.7U1でのvMotion対応です。
ユースケースは、VDI環境でMLの学習を併用するというものでした。朝業務時間にGPUをVDIで使い、夕方から帰宅が始まると、使わなくなったGPUを解放し、ML用のVMで利用します。
たくさん使うには、夜使用中のVDIのVMをvMotionで片寄せすると良いかもしれません。また、朝が来てVDIの利用が始まると、MLのVMをサスペンドしてGPUをVDIに割り当てなおします。
再び夕方になってVDI利用が減ったら、サスペンドしたML用VMをレジュームして学習途中から再度継続して学習を続けるという使い方です。Scriptなどを使って自動化できると、GPUを無駄なく使えて面白いですね。このブログでは触れませんでしたが、ヴイエムウェアは、SDDCをSoftware Defined Self-Driving DataCenterと自動運転データセンターと再定義しています。自動運転車のように、データセンターの運用も、AIに学習させて完全な自律運用を目指しているそうです。このVDIとML運用の切り替えも自動化してほしいですね。

Elastic GPUについてもご紹介します。この機能は下図のように、GPUを積んでいないサーバで動いている仮想マシンから、物理GPUサーバ(もちろん仮想でも可)のGPUをネットワーク越しに利用するという技術です。
Bitfusionの技術を使っているそうです。

Elastic GPUの概念図

VMware側は、素の環境なので、GPUを利用することへの機能制約は生じません。また、物理GPUサーバでGPUが遊んでいたら、仮想マシンから手軽に使えるというところも面白いですね。性能のボトルネックはネットワーク帯域です。10Gできれば25Gあると良いです。ちなみに受講したセッションでは、オーバーヘッドは0~9%(英語の聞き間違いでなければ)と言っていました。この技術はGPU以外に、Intel FPGAにも対応しているそうです。

vSAN関連

最後にvSANのエンハンスについても少し触れておきます。
大きな話題は、いよいよvSAN ネイティブなバックアップ機能が実装されることです。もともと、vSANに実装されているSnapshotは、vSphere Snapshotとは異なり、NetAppのSnapshotのようにほとんど性能劣化がないものです。このSnapshotが仮想マシンポリシー指定で手軽にスケジュール化でき、しかもvSANデータストアの外に出せるようになります。例えば、外部のNASに出力できるので、FUJITSU Storage ETERNUS CS800 S7 デデュープアプライアンスで重複排除・圧縮されたバックアップができるようになります。レプリケーションも同様に仮想マシンポリシーからスケジュールできるようになるようです。要望が強かった、vSANだけでもある程度安心できるバックアップが実装されてきましたね。まだTech Previewですが、ベータ版が公開されていますので、気になる方はぜひその実力を検証いただければと思います。

今年のVMworldもここに書いていない盛りだくさんの発表があり、展示会場で気になったものなどもいろいろ書きたかったのですが、このあたりで終わりにします。


システムプラットフォーム技術本部
土村 忠生

著者紹介

企画のプロの視点と仮想化の知見で、毎月情報発信します。

  • シニアプロダクトプランナー(仮想化ソリューション企画のプロフェッショナル)
  • 10年以上VMware技術支援に従事しVMware Loveな日々を過ごす
  • 米国ヴイエムウェアより7年連続 VMware vEXPERT AWARDを個人受賞
PROFESSIONAL PRODUCT ENGINEER
vmware vEXPERT ロゴ

本文中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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