仮想化スペシャリストBlog
土村忠生の「仮想化の風に言の葉をよせて」

第7回 VMworldで見てきたこと、聞いてきたことを徒然なるままに語ってみる

2016年9月23日掲載

仮想化ソリューション企画のプロフェッショナル土村 忠生
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8月29日から9月1日まで米国ネバダ州ラスベガスで開催されたVMworldに参加してきました。主にHCI関連のセッションを中心に日々聴講三昧でしたので、ご紹介したいことはたくさんありますが、今回はヴイエムウェアが描く今後の姿を中心にお伝えしたいと思います。
なお、講演スライドの利用に関しては、ヴイエムウェアからご遠慮くださいと釘を刺されてしまいましたので、文章での表現になってしまいました。申し訳ありませんがご容赦ください。

ヴイエムウェアのSDDC戦略の強化

基調講演より

初日の基調講演では、ヴイエムウェアが描く戦略のビジョン、二日目の基調講演では、ビジョンを実現する技術解説がありました。
今回はvSphereのバージョンアップの発表もなく、個人的に長く付き合ってきた製品であるため、少し寂しい感じが否めませんでしたが、SDDC分野で大きな発表がありました。
それが、「Cross-Cloud Architecture」です。

VMware vSphere基盤のオンプレミスのプライベートクラウド環境も、非VMwareの世界のパブリッククラウド環境をも含めて、ワークロードやアプリケーション、セキュリティなどを管理する思想体系です。具体的に言えば、AWSの仮想マシンにNSXのマイクロセグメンテーションが適用できたり、AWSからAzureへ仮想マシンのデプロイ(クローン)ができたりするようになります。クラウドやハイパーバイザーの違いを意識することなく、運用できる世界を目指していました。この技術はデモンストレーションがありました。2日目の基調講演のビデオが公開されていますので、興味がある方は、最後の方(1:26:30過ぎあたり)をご覧ください。vSphere Web Clientの画面から、オンプレミスにあるVSAN上のSQLサーバの稼働状況を分析し、性能が出ていないことを確認したら、vRealize Automationの画面に切り換えて、VSANのポリシーをHigh Performance & Low Latencyに選択し直すだけで、SQLの仮想マシンが、パブリッククラウド上のALL FLASH VSAN上に移動し、パフォーマンスが改善するというデモを見ることができます。
わずか、2つのステップ(分析とポリシー変更)だけで、仮想マシンがオンプレからクラウドへと移動してしまう。そういう世界が簡単に実現してしまうのですね。
この世界を実現するために、二つの製品/サービスが発表されています。

  1. VMware Cloud Foundation(以降VCFと表記)
    旧EVO:SDDCをベースにリブランド化した次世代ハイパーコンバージドインフラストラクチャーを構成する、vSphere、VSAN、NSXと、それらを管理するVMware SDDC Managerから構成されるソフトウェアスタックです。SDDC Managerは、vRealize OperationsやLog Insightなどその他のVMware製品のライフサイクル管理も出来るように作られています。この製品はオンプレミス用のソフトウェア提供だけではなく、クラウドサービス(VCF as a Service)でも提供されます。
    先程書いたデモの環境も、オンプレ、クラウド側両方にVCFで構成された環境で実行されています。
    富士通の展示ブースでも、PRIMEFLEX でのVMware Cloud Foundation環境を参考出展していました。国内で展開するかは未定ですが、興味がありましたらご相談ください。

    PRIMEFLEX Powerd by VMware Cloud Foundation(日本販売未定)

    PRIMEFLEX for VMware VSANご紹介

  2. Cross-Cloud Services(テクノロジープレビュー)

    オンプレミスとクラウド(AWS/Google/Azureなど)を跨いだポリシー管理とセキュリティ管理が出来る仕組みをSaaS提供するものです。インスタンスやアプリ、通信などを見える化したり、トラフィックの暗号化を行ったりもできるようです。まだ、テクノロジープレビューなので、誰がどのようにSaaS提供するのかなど提供形態については情報がありません。

vSphere HAの進化について

第6回のブログでvSphere HAの留意点について記載しました。それが改善されるのかどうか。Tech Previewで説明されたのは以下の通りです。

  1. フェイルオーバ時の優先度設定が3段階から5段階に拡張

    HighestとLowestが追加されています。

  2. vSphere HA Orchestrated Restart

    フェイルオーバ時の仮想マシンの起動順を制御する待望の機能です。仮想マシン同士の依存関係マップを元に起動をコントロールしてくれます。依存関係を無視してフェイルオーバするので、手動でリカバリする必要があったシステムでもようやくHAで自動リカバリできるようになりますね。

  3. Simplified Admission Control

    新しいUIやポリシー設定が増えたりするようですが、画面の説明がないのでどう変わるのかはまだ謎です。

  4. Proactive HA

    ハードウェアのアラートを受けてダウンする前にvMotionで事前に退避させる機能のようです。既にFUJITSU Software ServerView Resource Orchestratorでこの機能は提供していますが、本家のvSphereでも実装されてきました。
    どの程度細かくハードウェアのアラームを拾えるのか、そのあたりは今後チェックしていきたいと思います。

vSphere HAの話は、Cross-Cloud Architectureのような派手なメッセージ性はありませんが、運用の現場で役に立つエンハンスです。 今後もこのような地に足がついた機能強化情報をみなさまにお伝えできればと思います。

その他

なんと、ヴイエムウェアがIoT(Internet of Things)の分野にも進出してきました。写真のようにIoTの展示を行っていたのです。

仮想化とIoTって関係なさそうなのですが、IoT Gateway(Edge)部分に最近のヴイエムウェアが得意とするデバイス管理とセキュリティのテクノロジーを展開してきたのです。

IoT Control Centerという新しいソフトウェアが出てくる予定です(Tech Preview)。これは、vRealize Operationsによる見える化をサポートしたり、AirWatchによるセキュリティ強化をサポートしたりするようです。そして、AirWatchの強力なデバイス管理機能を応用してスマートバイスやEnd to Endの管理を行ったり、アプリケーションファイルの配信を行ったり、デバイスからのセンサーデータやログを収集して、分析基盤に受け渡したりと、IoT基盤としても活躍するようです。

コカコーラFreeStyle自動販売機

IoTデバイスとしては、コカコーラFreeStyle自動販売機が展示されていました。複数の飲み物を自分好みにブレンドして購入できるコンセプトなのですが、インターネットに繋がり、インテジェントに処理も出来る自動販売機なので、人気のある組み合わせをリアルタイムに集計して、他の自動販売機に展開したりもできるし、店舗に応じたUIを提供したり、キャンペーン商品もリモート制御できそうだし、新しいことを常に興せる可能性を秘めた自販機なんですね。

ヴイエムウェアのマーケティング本部長の篠原さんが、懇親会の時に、vForumへもがんばって持ってきたいとおっしゃっていたので、期待して待ちたいと思います。 ただ、世界に1台しかないらしく、壁は高そうです。

VSANの進化についてなどまだまだ書きたいことはあるのですが、長くなりましたので、ここらで筆を置きたいと思います。

来年も機会がありましたら、みなさまにVMworld 2017のご報告をしたいと思います。

企画のプロの視点と仮想化の知見で、毎月情報発信します。

  • シニアプロダクトプランナー(仮想化ソリューション企画のプロフェッショナル)
  • 10年以上VMware技術支援に従事しVMware Loveな日々を過ごす
  • 米国ヴイエムウェアより9年連続 VMware vEXPERT AWARDを個人受賞
 
 

著者紹介

Tadao,Tsuchimura

土村 忠生

本文中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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