仮想化スペシャリストBlog
土村忠生の「仮想化の風に言の葉をよせて」

第4回 ハイパーコンバージドインフラストラクチャーを語る

2016年7月7日掲載

仮想化ソリューション企画のプロフェッショナル土村 忠生
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梅雨の雨音に耳を傾け、目を閉じてみませんか?
パンの香ばしい香りと珈琲の心地よい香りに包まれながら、静かに雨音に耳を澄ませ、うだうだとルーチンワークのように愚痴めいた思考を繰り返す自分を解き放ちたいものです。梅雨の季節はそんなひとときを作って乗り切りたいですね。

ハイパーコンバージドインフラストラクチャーを語る

第4回目は、ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)を取り上げます。

ゲストに、VMware vEXPERT仲間のブロケードの中本さんをお呼びしました。HCIにおけるネットワークの知見を語って頂きながら、我々クラウドインフラセンターがFUJITSU Server PRIMERGYとVMware Hyper-Converged Software(以下HCS)、VMware Virtual SAN(以下VSAN)、ToRスイッチのBrocade VDXを組み合わせ開発・検証した「HCIソリューションデザイン」についてご紹介していきます。

中本さんは、ネットワークを専門としたVMware vEXPERTとして活躍されています。ブロケードはネットワーク機器の会社ですが、最近はソフトウェアベースのネットワーク製品にも力を入れています。中本さんが所属されるNewIP推進室では、ネットワーク技術とプリセールスを併せ持ったスペシャリストが在籍し、VMwareとのソリューション開発なども行っているそうです。

HCIに求められるネットワークとは

まず、中本さんにHCIに求められるネットワークについて語ってもらいました。留意すべきポイントを箇条書きにします。

  • ハードウェアの信頼性が求められる
  • ネットワーク機器の性能(遅延、帯域)がHCIの性能に直結する
  • 運用者がネットワーク専門家ではない可能性がある(vCenter管理者が行うケースが多い)

この3点を中本さんに解説して頂いた知見をベースに、富士通のVSANへの知見も加えて補足していきます。

1つ目と2つ目ですが、ほとんどのHCI構成では、1サーバノードあたり、10GbpsのNIC 2本を利用します。これをVSANストレージネットワーク、業務ネットワーク、管理ネットワークなどで共通に利用します。ストレージとネットワークをファブリックで構成するというのが今の主流となっています。一部ハードウェアのリモート監視用のLANは、1GbpsのNICを利用するケースもあります。ですから、HCIのL2ネットワークは高信頼、高性能が求められるわけです。ただし、帯域に関してはそれほど気にする必要はありません。従来の仮想化では、4/8GbpsのFCと1Gbps×6本くらいの構成が一般的でしたので、サーバ100VMくらいであれば、10Gbps×2の帯域を使い切ることはほとんどないと言えるでしょう。どうしても帯域が厳しい場合は、NICを増やすのが望ましいですが、10Gbpsのスイッチはまだまだ高価なので、VSANで使えるNetwork I/O Control機能による帯域制御を駆使して重要ではないトラフィックを制御するという次善の策を取ることもできます。

3つ目は、コマンドを叩いてネットワーク設定を行うネットワーク専門家ではなく、vCenterからGUIで設定を行うような仮想環境の管理者の方々で、仮想のネットワークも一人で管理することが求められていることを受けてのコメントですね。VMware NSXの導入理由においても、ネットワークも含めた統合管理をしたいというニーズが増えてきているようです。

HCIでパソコンのように扱える仮想化環境を目指す

我々がHCIで目指しているコンセプトは、パソコンのように「かんたん」に使える仮想化環境です。ですから、ネットワークの設定も手入力不要な情報は徹底的に自動化するように組み上げています。 我々が、HCIでBrocade VDXを選択した理由は、ストレージネットワークと管理/業務のネットワークをファブリックで構成できることと、ネットワーク設定を自動化できる点にあります。

VMware HCSを利用したHCIとBrocade VDXの親和性を探る

ここで中本さんに伺った、「なぜHCIにBrocade VDXが最適なのか」という点に触れたいと思います。

実は、Brocade VDXはHCIの特長に似ているところがあるのです。1つ目は、複数台のスイッチを1台から管理できる統合管理の仕組みです。HCIもvCenterから複数台かつ複数のレイヤーを統合管理しています。

2つ目はコンフィグ設定なしに、箱から出してBrocade VDXをネットワークに繋ぐだけで帯域が増える拡張性です。HCIも箱から出してネットワークに繋ぐだけで(現状は少し操作が必要ですが。)増設できる拡張性を持っています。

3つ目は、スモールスタートライセンスです。最低24ポート分で購入頂きますが、8ポート単位でライセンスを追加購入できるポート・オンデマンド(POD)なスケールアウトを実現しています。HCIも4ノードで始めて、リソースが不足したら1ノードずつ追加購入する柔軟性を持っています。

さらに、VMwareとの親和性とネットワーク仮想化ソフトウェアVMware NSXについても話を聞いてみました。Brocade VDXでは、仮想スイッチのポートグループ設定を自動的に参照して反映してくれるvCenter連携の機能があり、スイッチへの設定の手間を省いてくれます。vRealize Operationsで監視される際にはBrocade VDX用のAdapterを使ってスイッチも監視できますし、NSX環境ではハードウェアVTEPとして使うことも可能で、とてもVMwareとの親和性が高いスイッチであることがわかります。実際、Brocade VDXは、ヴイエムウェア社のVMware Briefing Centerで採用されていることからも裏付けられますね。さらにBrocade VDX6740の場合はわずか110Wの低消費電力仕様なので、例えば20Aの1つの電源系統あたり、より多くのサーバを接続できるメリットもあります。この点もデータセンター運営者にとってはうれしいポイントではないでしょうか。

ここまで話してきた内容から、VMware HCSを採用したHCIでVMwareと親和性の高いBrocade VDXを採用することのメリットはご理解頂けたのではないかと思います。

HCIの導入でvCenter管理者による仮想化環境の一元管理を目指す

VMware環境へのHCIの導入によってvCenter管理者とは別のネットワーク管理者がコマンドを叩いて運用するスタイルから、vCenter管理者視点ですべて運用できるスタイルへと改善できるようになります。まさに、HCIはvCenter管理者にとってパソコンのように扱える仮想環境を実現するのです。

クラウドインフラセンターがデザインしたHCIとは?

では、我々クラウドインフラセンターが構築・検証したHCIが、どんなデザインなのか、実際に仕様・検証をリードしてきた鄭さんに語って頂きました。鄭さんは、入社以来クラウドインフラセンターで垂直統合型システム「FUJITSU Integrated PRIMEFLEX for Cloud」の技術支援を担ってきました。まだCloud Ready Blocksと呼ばれていた頃から担当し、今回HCIデザインを手がける前は、仮想化環境専用ストレージETERNUS TRを組み込んだソリューションデザインの開発・検証を行っています。 今回のVMware HCSとBrocade VDXを採用したHCIソリューションデザインは、「かんたん」をコンセプトに、「導入」「運用」「拡張」を、"かんたん"に使えるデザインを目指しました。

導入では、煩雑なストレージの構築作業が2クリックの簡単操作で完了します。
運用では、VMwareをご利用中のお客様が慣れ親しんでいるvCenterサーバもしくは、vRealiza Suiteを使い、ストレージを意識しないシンプルな仮想インフラの運用が簡単にできます。
拡張では、VSANの特性を活かし、ストレージの増設も数クリックで簡単にでき、あとからネットワークセグメントを追加する際も、Brocade VDXへはvCenterのPort Profileの情報を自動反映し、拡張が簡単に出来るようになっています。
VMwareをお使いのお客様に、初めてのHCIを抵抗なくご利用頂けるデザインをご提供できるようにがんばっていきます。

最後に鄭さんにBrocade VDXへの期待を語って頂きました。

以前、FUJITSU Storage ETERNUS TRを用いた仮想化基盤のデザインを開発していた時にもBrocade VDXを利用しており、ストレージネットワーク(NAS)では自動QoSの設定を利用していました。
VSAN構成のHCIデザインでも同様に、VSANストレージネットワークを自動認識して、一発で自動QoS設定ができるところまで実装されることを期待したいです。中本さん、よろしくお願いします。

今回は、長年VMwareの技術支援を行ってきた我々が主導して、外部の専門家の知見も取り入れながら、VSAN構成でのHCIデザインに取り組んでいる状況をお伝えいたしました。今後は、VMware NSXも取り入れてさらなる統合化・自動化に取り組んでいきたいと思っています。ご期待ください。

企画のプロの視点と仮想化の知見で、毎月情報発信します。

  • シニアプロダクトプランナー(仮想化ソリューション企画のプロフェッショナル)
  • 15年以上VMware技術支援に従事しVMware Loveな日々を過ごす
  • 米国ヴイエムウェアより9年連続 VMware vEXPERT AWARDを個人受賞
 
 

著者紹介

Tadao,Tsuchimura

土村 忠生

本文中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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