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仮想化スペシャリストBlog
土村忠生の「仮想化の風に言の葉をよせて」
第1回 富士通のVMwareへの取り組みを振り返る

土村忠生の「仮想化の風に言の葉をよせて」 第1回 富士通のVMwareへの取り組みを振り返る

記念すべき第一回の記事は、10年以上に渡りタメ口でのお付き合いをさせて頂いている、ヴイエムウェア株式会社 ストラデジックアライアンス本部 本部長の名倉丈雄さんと、VMware技術の最後の砦と密かに思っている同本部のプリンシパルテクニカルアライアンスマネージャの齋藤康成さんをゲストに迎えて、富士通と共に歩んだヴイエムウェアの歴史を振り返りながら、これからの仮想化の方向についてもお伝えいたします。

[ 2016年4月1日掲載 ]

富士通とヴイエムウェアの歴史を振り返る

私と名倉さんとのお付き合いは、富士通がVMwareを初めてOEM化するVMware Infrastructure 3(VI3)の頃に遡ります。2006年1月に富士通はVI3のOEM製品発表をしたので、2005年からのお付き合いになります。当時は製品化・拡販立ち上げを支援して頂くために、私が名倉さんを事務所のフロアに常駐できるように社内手続きをしたことを思い出します。
その後は恵比寿から私が在席する事務所の近くに本社移転をされてご近所さんになり、今からそっちに行っていい?と気軽に電話して押しかけるようなことをよくやっていました。

名倉さんは、米国のヴイエムウェア社が、アジア・パシフィック圏で初めてとなる日本法人を立ち上げる際に、米国から来た初代日本法人社長ジム・レノックス氏の片腕として活躍された唯一の日本人社員だったそうです。日本法人は当初2人しかいなかったんですね。彼は、VMwareの仮想化技術をWorkstation製品で知り、単なるエミュレータには留まらない技術の面白さに惹かれたそうです。
富士通でもAVMというメインフレームでの仮想化技術を保有していましたが、VMware製品の母体となった技術は、スタンフォードの研究所でこういうメインフレームの仮想化技術をx86に移植するところからスタートしたそうです。これが1998年頃ですね。

富士通との付き合いは、2004年に富士通のストレージを海外で利用されているお客様からVMware ESX2.5を使いたいという要望があり、ハードウェア認証を取得するというところからになるそうです。

齋藤さんは、2006年にヴイエムウェアに入社された、いわば富士通のOEM開始と同期のような感じですね。私とは2006年に品川で開催されたVMwareのセミナーで名刺交換した時が初めてだそうです。すみません覚えていなかったです。
私が印象に残っているのは、2007年にNASを利用した検証をストレージ事業部と一緒に行ったことですね。「マニアックなまでに細かいことを知っているなぁ」という印象で、この人なら技術者魂を満足させてくれそうだと心にメモしました。
齋藤さんも名倉さん同様にLinux上で仮想化環境を動かすWorkstationの技術は、他のエミュレータとは一線を画す性能だと惚れ込み、それをパソコンからサーバで動かそうとすることに心を動かされたそうです。二人とも根っからの技術者なんですね。

富士通はVMware ESX2.5の時代からお客様対応を行ってきましたが、富士通のお客様が弊社に期待されることは、総じてエンタープライズで安心して利用できる信頼性でした。海のものとも山のものともしれぬ新しいx86仮想化技術に、お客様の業務を支えるITインフラとして身を委ねても良いかという判断に富士通の知見を求められました。
私たちはそういう文化でお客様に育てて頂いた背景を持っているので、技術支援を担うものは、そういう意識が特に強いのです。ヴイエムウェアから提供されるカタログや紹介資料ベースの情報を鵜呑みにせず、自分たちで技術的に納得し腹落ちしないとお客様に勧めることが出来なかったのです。まさに石橋を叩きまくって歩むという感じのビジネススタイルでした。
よく覚えているのは、VI3が国内でブレイクするきっかけとなるvMotionとHAという2つの代表的な機能です。vMotionの動作原理を細かく伺って、こういうアルゴリズムだから仮想マシンが動的に移動したかのように見え、TCP/IP層の機能もあってセッションが切れずに業務継続できるということを理解し、さっそくわかりやすいように紹介資料を書き換え、デモ環境も見てわかるように構築し直したりしました。HAは特にフェイルオーバということもあり、どのハード故障ならフェイルオーバ対象なのか、単一障害点はどこでどう設計でカバーできるか、起動順に縛られるシステムは大丈夫かなど、信頼性観点で検証して社内資料を作り、デモンストレーションの際にもお客様に留意点をしっかりお伝えしました。

名倉さんにこういった富士通のVMwareへの取り組み姿勢についてどう感じていたのかお聞きすると、動作原理を相当細かいところまで気にするし、管理職になっても技術に対する意識が非常に高く、トラブル調査では16進ダンプを見ながら、「名倉さん、ここが悪いんじゃない?」と言ってくるので、偉くなってもすごいなぁと思っていたそうです。
齋藤さんは、特に富士通の技術者の皆様はコアテクノロジーに対する興味が強く、VCB(VI3時代のバックアップの仕組み)の動作原理を納得してもらうのに、説明に苦労しましたとのこと。でもそれが自分の勉強にもなりましたと前向きな言葉を頂きました。確かに富士通の技術者は、結構しつこく、細かく聞きまくりますからね。大変だったと思います。今でもそうだと思いますが。

仮想化インフラの変遷

仮想化に取り組まれているお客様も早いところでは、2世代、3世代の仮想化インフラの更新フェーズに入り、仮想化からパブリッククラウドへ全面移行できるのか、部分移行に留めるのか、あるいは仮想化インフラをプライベートクラウドインフラへ拡張するのか、などを検討されていらっしゃいます。
2006年当初は、システムの延命や仮想化集約などを目的に導入し、仮想化の対象も軽いシステムだけだったものが、基幹業務を担うものにまで拡大し、システムから部門、部門から全体へ、すべてを仮想化へと考えることが当たり前になってきました。
ヴイエムウェアもそれに応えるように、機能や製品をエンハンスし、最近では、vSphere 6で基幹業務を支えるSAP HANAの本番環境運用のインフラとして利用できるように認証を取得する動きがあったり、VSAN6.2の発表では、基幹DBとして採用されることも多い、ORACLE DBのRAC構成や、デジタルビジネスを支えるBigDataなど新しいインフラ運用に最適であるというメッセージを出しています。

でも私たち富士通は、お客様のシステム全体を捉えてご提案する必要があるので、ヴイエムウェアのハードウェアの進歩や革新によるインフラ視点からのアプリケーション要件での稼働に最適ですというメッセージを、お客様の運用要件にまで落とし込んで、稼働可として良いかをジャッジする必要があり、お客様もそこに富士通の知見の価値を見出して頂いています。

例えば、上記VSAN6.2でビジネスクリティカルアプリケーションの稼働にも最適というメッセージに対しても、All Flash VSAN構成で確かにIOPS性能は上位のミドルレンジクラスのストレージ性能が出せるので、アプリケーションのIOPS要件上は問題ありません。
しかし、システム運用要件では大丈夫なのか?というジャッジが必要なのです。
例えばそれは、仮想化の仕組み上の宿命と言える「時刻ズレ」と「レスポンスタイム保証」の観点でのジャッジです。
ハードウェア内でハイパーバイザーと仮想マシンが分離する仕組み上、どうしても時刻のズレが発生します。特に、vMotionを頻繁に行うと時刻ズレが生じることがあります。
同様に、ハードウェア内で複数の仮想マシンがリソースを共有する仕組み上、レスポンスタイムを保証することができません。
こういった観点で、システムとして見た場合に、時刻が多少ズレることがあってもゲスト側で時刻補正のサービスを利用することで問題がないシステムなのか、ミリ秒単位のズレすら受け付けられないシステムなのか。
レスポンスタイムも、しきい値保証が絶対なのか、その近辺で推移してくれれば問題ないシステムなのか、というように、我々の仮想化技術の知見を持って、どこまでなら許容できるシステムなのかをお尋ねし、お客様に判断材料となる気づきを与えるのが、ヴイエムウェアとは異なる、我々の価値であり、役割だと思っています。

こういったシステムと技術の勘どころをついた質問を、ヴイエムウェアのテクニカルアライアンスの方々に遠慮せずに投げかけたり、ミーティングしたりと、本当にお世話になっています。技術と友情で繋がる熱い関係を10年間で築いてきたんだなぁと感慨深いです。
そういうお二人から、富士通に期待されることは何なのかということをお尋ねすると、全国津々浦々に仮想環境を安心して導入できるように適切に仮想化を届けて欲しいとのことでした。富士通にはそれを担う仮想化技術の蓄積があるという信頼なんですね。
また、ヴイエムウェアの日本法人には2300社を超えるたくさんのパートナーがいらっしゃいますが、サーバ、ストレージ、ミドルウェアなどの開発機能を持っていることを他のパートナーとの違いとしてあげていました。特に基幹IAサーバPRIMEQUESTは、米国Palo Altoにあるヴイエムウェアの開発環境で、8ソケット機種のリファレンスモデルとして国産ベンダで唯一採用され、VMwareの機能実装の公式サポート環境として活用されていることは、ヴイエムウェア日本法人としても日本発の本社へ貢献として熱く感じるものがあるとおっしゃっていました。

これからの仮想化の向かう先

最近は技術とITビジネスの変化が激しく、ヴイエムウェアからも次々と新しい技術と製品が出てきています。私もとても全部を詳細に把握することができなくなりました。

ヴイエムウェアはサーバ仮想化から、オンプレミスのプライベートクラウド管理へ、そしてVDIからデバイスも人もコンテンツも含めたトータルでのEUC管理へと広がり、Software Defined Data Centerを目指してストレージ仮想化、ネットワーク仮想化へと仮想化の範囲が大きく進化してきました。
それに加えて、vCloud Air/Horizon AirでIaaS/DaaSのパブリッククラウドサービスを手がけ、オンプレミスのVMware仮想化基盤とパブリッククラウドサービスを繋ぐハイブリッドクラウドの世界を築き、これからのデジタルビジネスを担うクラウドネイティブ向けのPhoton Platformを発表するなど、次々に新しい戦略を打ち出し、それを実現し続けています。

富士通も石橋を叩きまくって進むだけではなく、例えば世界初かつ唯一のVMware NSXのOEM提供を行ったり、世界唯一のVirtual Volumes機能のお客様とのβ検証&事例をvForumで講演したり、昨年11月には富士通のデジタルビジネスプラットフォームMetaArc上で、VMwareベースのコンテナ機能VMware vSphere Integrated Containersを共同検証する発表や、2月のVSAN6.2の発表Open a new windowの中で、新しいVSAN Ready Nodeプログラムを活用する先行3社の中に入ったりと、業界の先頭を切ってアグレッシブにVMwareに取り組んでいます。

最後に富士通に対しての総括コメントをお願いしたところ、「富士通と10年以上お付き合いしてきてVMwareの製品化に携わる方々も桁違いに増えてきましたが、技術への一貫性は変わらずに持たれている点はすごいと感じています。富士通から指摘を受けてあらためて気付くことも多く、日々勉強させて頂いているという意識もあります。富士通はハードウェアベンダとしての強さを持っていますので、これからも密に関係を作って行きたいと思っています」。
「また、まだ仮想化されていないお客様には仮想化を、すでに仮想化されているお客様には運用管理や別の領域の仮想化の拡張のご提案をお願いします」と、最後にしっかり念押しを忘れませんでした。
名倉さん、齋藤さん、お付き合い頂きありがとうございました。

さて、第一回目のブログ記事はいかがでしたでしょうか?
富士通のVMwareへの取り組みを一緒に歩んできた方々と振り返ってみましたが、富士通の仮想化への思いに共感頂ければうれしく思います。

それでは次回をお楽しみに。


名倉さんからのVMware vEXPERT 2016 AWARD 証書授与


プラットフォーム技術本部 土村 忠生

著者紹介

企画のプロの視点と仮想化の知見で、毎月情報発信します。

  • シニアプロダクトプランナー(仮想化ソリューション企画のプロフェッショナル)
  • 10年以上VMware技術支援に従事しVMware Loveな日々を過ごす
  • 米国ヴイエムウェアより6年連続 VMware vEXPERT AWARDを個人受賞
PROFESSIONAL PRODUCT ENGINEER
vmware vEXPERT 2017 ロゴ

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